COVID-19のPCR検査用綿棒にリチウムは検出されていません。

【和訳】
COVID-19の検査に使用される鼻腔用綿棒にリチウムが含まれているとソーシャルメディアユーザーが主張しています。しかし、それを裏付ける証拠はなく、FDAは全面的に否定しています。

リチウムは双極性障害の治療に気分安定剤として使用されています。副作用として、吐き気、下痢、口の渇き、手の震え、眠気などがあります(www.nhs.uk/medicines/lithium/)。服用者は、定期的に血液中の薬物濃度を測定しています。

しかし、あるソーシャルメディアの投稿で、ユーザーは次のように主張しています(こちら「PCR/lateral flow test用綿棒は硬い素材で出来ており、銀、アルミニウム、チタン、ガラス繊維、酸化エチレン、リチウムで出来た様々な(ナノ)粒子が含まれており、その多くは添付文書には記載されていません。[...]」)

「綿棒が粘膜に入ると、傷や炎症を起こし、血液脳関門に深刻なダメージを与える可能性があります。」

ロイターは以前、PCR検査が血液脳関門に触れたり、損傷を与える可能性があるという報道を取り上げたことがあります(こちらこちら)。

ロイターはまた、COVID-19検査の鼻腔用綿棒に酸化エチレンを使用することに関する主張をファクトチェックし、使用量は安全であることを明らかにしました(こちら)。

また、鼻腔用綿棒にリチウムの粒子が含まれているという証拠もありません。

COVID-19の検査に使われる鼻腔用綿棒にはリチウムは含まれていません。」と、FDAの広報担当者はロイター通信に電子メールで語ってくれました。「CDCは、COVID-19診断検査のための上気道サンプルは、フロック加工、発泡、紡績ポリエステル(例えばダクロン)、紡績レーヨン先端のスワブのみを含むことが出来る滅菌スワブを用いて収集するよう推奨しています。」

また、市販の家庭用COVID-19検査に使用できる綿棒の種類については、「認可表示の試薬・材料に記載されています。」と説明しました。

一方、英国の医薬品・医療製品規制庁(MHRA)はロイターに対し、同国のCOVID-19検査用綿棒にリチウムが含まれていることは「ありえません」と述べました。

「MHRAは、サンプル採取用綿棒に使用されている材料に関する具体的な情報を保有していませんが、サンプル採取用綿棒の吸収性先端部がナイロン製の布であることが多いことは確認出来ます。」と付け加えました。

承認された医療機器は、包装に「CE」または「UKCA」のマークが付いており、医療機器規制の要件に従っており、安全に使用出来ると考えられます、と広報担当者はロイター通信に語ってくれました。

MHRAはまた、例外的な状況において例外的使用許可(EUA)を発行し、標準的な承認プロセスを経ていない医療機器の使用を許可しています。しかし、EUAを発行するのは、「申請者が、その機器の性能が使用に適しており、意図する使用者が安全に使用出来るという十分な証拠を提供したと確信した場合に限られる」と、広報担当者は述べています。

例外的使用許可を与えられた医療機器のリストには、COVID-19の大流行時にMHRAから例外的使用許可を与えられた全ての医療機器が示されています(こちら)。

FDAとMHRAはまた、COVID-19パンデミック時にEUAを与えられた医療機器が遵守した厳しい規制の枠組みと国際基準を記録しています(こちらこちら)。

レディング大学の生物医学技術准教授であるAlexander Edwards博士は、「あらゆる医療検査の構成要素は、常に安全性について厳しくチェックされています。」と述べています(こちら)。

Edwards博士はロイター通信に以下のように語ってくれました。:「リチウムが綿棒に使われていることも、綿棒の製造に使われていることも、私は承知していません。しかし、もしリチウムに毒性があるのなら、綿棒に使うことは許されないでしょうね。」

消費者用の綿棒とは異なり、医療用診断綿棒は「より慎重に準備され、検査を台無しにするようなものが含まれていないことを確認するために、成分は厳密にスクリーニングされなければなりません。」と述べました。

また、Edwards博士は、一部の採血管に「ヘパリンリチウム」が使用されていることが混乱の原因になっているかもしれないと付け加えた。

ヘパリンリチウムは、血液や血漿の検査で化学物質の測定に使用される抗凝固剤です。分析前の血液凝固を止めるために、採血管に少量が日常的に使用されています。

医療機関のファクトシートに見られるように、FDAによって緊急承認されたいくつかのCOVID-19抗体検査には、検査可能な検体の種類のリストに「ヘパリンリチウム」が含まれています(こちらこちらこちらこちら)。

COVID-19抗体検査のラベルには、この検査で使用が許可されている全ての検体の種類が記載されます。」と、FDAの広報担当者はロイター通信に語っています。

但し、COVID-19抗体検査にはヘパリンリチウムは含まれないということです。

FDAはロイターに対し、「抗体の検出に使用されるヘパリンリチウムは、検査そのものではなく、研究所が試料採取に使用する採血管に含まれている。」と述べました。

Edwards博士によると、COVID-19のスワブ検査では採血管が関与しないため、ヘパリンリチウムが抗体診断用検査管に含まれていても、管の内容物が患者に接触することはないとのことです。

ノッティンガム大学バイオディスカバリー研究所のChris Denning(こちら)所長は、Edwards博士のコメントを肯定しています。

同氏はロイターに対し、仮に綿棒にリチウムが含まれていたとしても、「重要なのは、どの程度の濃度か、これが実際にどの程度体内に入るのか(即ち有効血清濃度)、リチウムの使用に合致した副作用が発生するかどうかです。」と述べています。「どんな分子にも毒性はあり、単に用量の問題です」。

Denning氏は、リチウムが処方される場合、その投与量が毒性を持たないように、体内の血清リチウム濃度に基づいて典型的な開始用量が調整される、と付け加えました。

リチウムが(COVID-19の綿棒に)存在し、臨床的に意味のある血清濃度に達し、顕著な臨床結果や副作用があるという真の証拠がない限り、これらの主張には信憑性がありません。」と彼は言いました。

この主張は、誤報を頻繁に共有するウェブサイト(こちら)で共有されているスロバキアの報告書の知見を再浮上させているように見えます。

この疑惑の研究では、2020年11月から2021年3月の間にBratislavaの無名の病院の研究所で検査用綿棒を分析し、綿棒からリチウムと”Darpa Hydrogel”が検出されたと主張しています。更に、この調査結果は「大量殺戮の確認」であるとしました。

しかし、ロイターは、この研究が評判の高い学術誌に掲載された例を見つけることが出来ませんでした。

→どこで買った物か言ってみろって話ですwww。
ついでですけど、 #デマ吐き羆 君の

なる記事も論破完了ですねwww。

【評定】証拠がありません。

FDAはロイターに対し、COVID-19のテストではリチウムは存在しないと述べました。この成分が診断テストの綿棒に含まれている証拠はありません。ヘパリンリチウムは抗体検査用採取管に使用されており、使用者に接触することはないと思われます。

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