【あたおか】レールガンに関する物理学は、所謂フラットアースを実証しているわけではありません。

レールガンが「100マイル先の標的に完全な直線で命中する」能力は、所謂フラットアースであることを証明するのものでしょうか?いいえ、そんなことはありません: そのような主張は「馬鹿げている」「完全におかしい」と2人の物理学者がLead Storiesに語ってくれました。レールガンが発射する弾丸は、地球上の他の全ての物体と同じ重力の法則に従うからです。つまり、「完全な一直線」ではない投射物は、必然的に下方に引っ張られ、「ある時点で地面に衝突する」というわけです。レールガンの物理学は、地球の曲率について何も証明していません。

この主張は、2023年8月9日にFacebook上に投稿された、レールガンの作動方法が所謂フラットアースであることを証明していると暗示する投稿(アーカイブはこちら)に端を発しています。

そこには次のように書かれていました:

これはレールガンだ。
完璧な直線で100マイル先の標的に命中させることが出来る。
これは、曲率を欠いた6,666フィートの距離だ。
#wheresthecurvature

Flat Horizons | Facebook | Ghostarchive

記事執筆時点では以下のように表示されていました:

(出典:2023/08/10 木曜日 11:52:00 UTCに取得したFacebookのスクリーンショット)

2008年の《MIT Technology Review》誌に掲載された記事によりますと、導電性の高い2本のレールに発射体を挟むことから名付けられたレールガンは地球上の他の兵器と同様、電磁場を形成して発射弾を加速する長距離兵器です。

地球上の他の兵器と同様、レールガンも重力の法則に従います。

「これはそもそも無茶な主張です。地球の曲率を必ずしも持ち込む必要すらありません」と、テキサス州にあるセントメリーズ大学の物理学准教授、Richard Lombardini氏はLead Storiesに語っています。 2023年8月15日に届いた電子メールには、次のように書かれていました:

レールガンは時速約4600マイル、秒速1.28マイルで物体を発射します。水平方向に100マイル進むのに78秒かかります。重力は物体を32.2ft/s^2で下方に加速することが分かっていますので、その力はレールガンの発射体を下方に引っ張っていることになります。

言い換えますと、発射体は水平方向に移動しながら、下方に落下しているので、弾道は放物線を描いています。78秒間、投射物は100,000フィート付近を落下するはずです。投射物が100マイル直進したという声明は、地球が平板であったとしても、ある時点で地面に衝突する引力を考慮していないことになります。

Fact Check: Rail Gun Physics Does NOT Prove The Earth Is 'Missing Curvature' | Lead Stories

ハワイ大学マノア校の物理学教授であるJohn Learned氏も、このレールガンの主張は「完全におかしい」とLead Stories誌に語っています。

「レールガンはまっすぐ撃ちますが、ミサイルも重力を感じて地球の周りを回ります」と、2023年8月14日に届いた電子メールでLead Storiesに述べています。

Lead Storiesはまた、「NASAの文書によれば、我々は『平らで回転していない地球』に住んでいる」、「アポロ17号の月面着陸で宇宙飛行士のヘルメットのバイザーに映ったものがデマであったことを証明している」、「飛行機は『まっすぐ水平』に飛ぶので地球が平らであることを証明している」、といった主張も論破しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?