キリスト教信者による行進映像が「五輪開会式への抗議」と偽ってシェアされています。
概に↓の記事を書きましたが、またデマを吐いているのがいるようです。
基記事はこちら。
一部のカトリック団体やフランスの司教は、パリ・オリンピックの開会式でのシーンを非難していますが、世界的に共有されている映像では、キリスト教信者がこのショーに抗議する様子は映っていません。映像は、オリンピックが始まる2ヶ月前にフランスの首都で行なわれた「イエスのための行進」を映し出しているだけです。
「オリンピックの開会式でキリスト教が嘲笑されたことで、パリでデモが発生した」と、中国版Weibo(微博)の簡体字の投稿で2024年7月29日に映像が共有されました。
映像には、パリのエッフェル塔近くの広場に集まった群衆が映っています。一人はフランス語で「イエスはあなたを愛している」と書かれた看板を持っています。
一部のカトリック団体とフランス司教団は、2024年パリ・オリンピックの開会式で、舞台演出家Thomas Jolly氏が振り付けた「キリスト教を愚弄し、嘲笑するシーン」を非難しました(アーカイブリンク)。
批判が集中したのは、ダンサー、ドラッグクイーン、DJが、聖書によればイエスが使徒達と共に食べたとされる最後の晩餐を彷彿とさせるポーズをとるシーンでした。
Jolly氏は、セーヌ川沿いで雨が降りしきる中開催された4時間近いパフォーマンスにおいて、最後の晩餐からインスピレーションを得たことを否定しています。
主催者側は、彼らの大胆で風変わりな開会式によって不快な思いをさせたのであれば「本当に申し訳ない」と述べ、宗教を「軽視」する意図を否定しています。
映像は世界中のSNS上で話題となり、フランス語、英語、タイ語、ドイツ語での投稿で何千ものシェアを集めています。
しかしながら、この映像はオリンピックの開会式とは何の関係もない、フランスで毎年開催されているイベントを映したものです。
イエスのための行進
動画には、Instagramのアカウントjeanluctrachsel.ministriesのハンドルネームが表示されています。
このアカウントで検索した所、2024年5月25日--五輪開会式の2カ月前--に投稿された動画が見つかりました(アーカイブリンク)。
投稿のキャプションには次のように書かれていました: 「今、パリのエッフェル塔にいる。イエスを崇拝し、群衆にイエスを説く」
以下は、Weibo上でのデマ投稿でシェアされた動画(左)とInstagramで公開された動画(右)のスクリーンショット比較です:
Instagramの投稿には、"Marche Pour Jésus Paris "(直訳すると "イエスのための行進パリ")というアカウントがタグ付けされ、別の角度からの群衆のクリップが共有されていました(アーカイブリンク)。
イエスのための行進は、そのウェブサイト(アーカイブリンク)によりますと、「イエスの愛を宣言する」ための毎年恒例のイベントです。
2024年版は5月25日、パリ、ナント、ストラスブールといったフランス全土の都市で開催されています。
更に、動画をよく見ますと、当時エッフェル塔にはまだオリンピックの輪が飾られていませんでした。
以下は、動画のエッフェル塔(左)と、AFP通信のカメラマンが2024年7月29日、五輪開会式後に撮影した象徴的なランドマークの写真(右)をスクリーンショットで比較したものです:
AFPは以前、キリスト教信者が五輪開会式に抗議していると偽って共有された別の動画をファクトチェックしたことがあります。
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