変わり者が国際刑事裁判所に難癖報告しただけで、決して、国際刑事裁判所がニュルンベルク2裁判の審議を開始したわけではありません。
原文記事の表題の和訳は『1万人の医学専門家が、人道に対する罪のために世界の指導者を裁くニュルンベルク2裁判を開始したわけではない』ですけど、このままだと意味が分かり難いと思いましたので、note記事の表題を上記のようにしました。ご了承ください。
【和訳】
1,000人の弁護士と1万人の医学専門家からなるチームが、パンデミック関連の人道に対する罪で世界の指導者と公衆衛生組織を相手に第二のニュルンベルク裁判を始めたのでしょうか？→いいえ、そんなことはありません。
CDCとWHOの広報担当者はLead Storiesに、彼らに対してこのような訴訟が起こされていることはないと話しています。ハーグの国際刑事裁判所の広報担当者は、どの事件を提訴するかを決めるのは裁判所の検察官だけであり、この主張が言うような外部の弁護士が裁判を行っているわけではないと述べています。
この主張は、biotechexpressmag.comが2021年11月24日に公開した記事（アーカイブはこちら）をはじめ、ネット上で広く流布しています。タイトルは次の通り。：
『1000人の弁護士と1万人の医学専門家のチームが、人道に対する罪のかどで世界のリーダーに対してニュルンベルク2裁判を開始』
以下のような書き出しです。：
Reiner Fuellmich博士率いる1000人以上の弁護士と1万人以上の医学専門家のチームが、CDC、WHO、ダボス会議に対して、人道に対する罪で法的手続きを開始しました。
記事執筆時は次のような状態でした。：
この裁判は、ドイツ人弁護士Reiner Fuellmich氏の発案によるもので、彼はドイツ・コロナ調査委員会の4人のメンバーの1人と名乗っています。このグループは、彼が作った非公式の民間グループで、ニュルンベルク戦争裁判と同等のものを招集し、COVID-19パンデミックに関する不正、悪事、非行容疑での政府および医療関係者を裁くと宣言しています。この記事を書いている時点では、Fuellmich氏は提訴先について具体的なことは何も言っていません。
Fuellmich氏はカリフォルニア州の弁護士資格を持ち（＝アクセス制限がかかっているようで2021/12/14 16:19には開けませんでした）、事務所の住所はドイツのゲッチンゲンにあり、彼のウェブサイトによると、消費者保護法を扱っているとのことです。
ニュルンベルク裁判は、第二次世界大戦でドイツが降伏した6カ月後の1945年11月20日に始まり、1946年10月1日まで行われました。24人のナチスが、「大量虐殺 」や 「人道に対する罪 」などの罪で起訴されました。これらの用語が法的な文脈で使われたのはこれが初めてでした。
国際刑事裁判所（ICC）は、主に戦争犯罪、人道に対する罪、ジェノサイドの罪に問われた人達を起訴します。そして、それらの告発は「（機関や国家ではなく）個人の刑事責任についてのみ可能」であり、どの事件を起訴するかは裁判所の検察官のみが決定すると、2021年12月9日付の電子メールでICC広報担当者は述べています。
WHOの広報担当者は2021年12月6日付の電子メールにて「WHOは、組織に対するそのような法的手続きを知らない」と書いています。
CDC広報担当者も2021年12月2日付の電子メール「CDCは、CDCとFuellmich氏が関与するいかなる訴訟も知らない」と書いてます。
Lead Storiesはこれまでにも、Fuellmich氏がCOVID-19 PCRテストではウイルスを検出出来ないことを新しいビデオで証明していないとするこの論破記事など、Fuellmich氏の主張が事実無根であることや裏付けがないことを紹介してきました。別のLead Storiesの記事では、彼の「コロナウイルス調査委員会」が、COVID-19は季節性インフルエンザより悪性ではなく、ビタミンとイベルメクチンで治療出来るという新しい証拠を明らかにしたというFuellmichの主張を論破しています。
＊原文では論破の話の部分のリンクが間違っていましたので、正しく治しておきました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？