2023年に米国で発生したマラリアは、遺伝子組み換え蚊によるものではありませんでした。

ソーシャルメディアで拡散されているような、フロリダ州とテキサス州で遺伝子組み換え蚊が放たれたことが、最近米国で検出されたマラリアの原因である可能性はありません。

2020年と2021年にこれらの州で放たれた遺伝子組み換え蚊はオスばかりであり、血を吸うのはメスの蚊だけですから、必然的にマラリア原虫を人から人へ媒介するのはメスの蚊だけだという理由からです、と蚊対策の専門家は述べています。加えて、デング熱やジカウイルスといった病気の駆除に役立つよう改良され放たれた蚊の種類は、マラリアを媒介する種類ではありません。

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しかしながら、改良された蚊に関する2020年のニュースの見出しと、マラリア・ワクチンの試験やフロリダとテキサスでのマラリア患者に関する2023年の見出しを並べたInstagramの投稿には、「また陰謀論が現実になった」(こちら)、「ワクチンが効くかどうか確かめるために、都合よく既にワクチンがあるマラリアの大流行をわざと引き起こしているわけだ」(こちら)といったコメントが寄せられています。

この投稿には4つの見出しがあり、そのうちの2つは、フロリダ州とテキサス州で、OX5034と呼ばれる遺伝子操作された蚊の放出が承認されたことを伝えるもので、成熟する前にメスの子孫を殺す遺伝子を受け継ぐように操作されたオスのアカイエカについてのものです(こちら)、(こちら)。

Oxitec 社が開発したOX5034蚊は、2020年にパイロットテスト用として米国環境保護庁に承認されました(こちら)。

投稿で示された他の2つの見出しは、2023年のロイターの記事で、そのうちの1つは、BioNTech社の新しいマラリアワクチン候補の小規模な米国での試験開始について述べたものであり(こちら)、もう1つは、マラリアがよく発生する場所への渡航歴のない人において、フロリダ州とテキサス州でマラリアが検出された5症例を報告したものです(こちら)。

通常、人はマラリアの原因となる寄生虫を媒介するメスのアノフェレス蚊に刺されることでマラリアに感染します、と米国CDCはウェブサイトで説明しています(こちら)。毎年米国で診断される約2,000件のマラリア患者のうち、「大部分」はマラリア感染が発生している国からの旅行者であり、「サハラ以南のアフリカや南アジアを含む」とCDCは説明し、「マラリアを媒介できるのはアノフェレス蚊だけであり、感染者から摂取した血液によって感染しなければならない」と付け加えています。

フロリダとテキサスで放たれた遺伝子組み換え蚊はアカイエカかアカイエカ・アルボピクタスであり、どちらもマラリアを媒介することは出来ません、とアメリカ蚊制御協会の技術顧問であるDaniel Markowski氏は電子メールで述べています。

Markowski氏は、マラリアのような病気を媒介するために必要な「血を吸う」のはメスの蚊だけであり、今回発表された遺伝子組み換え蚊はオスのみで、オスは植物の汁だけを吸うためマラリアを媒介することは不可能であると指摘しました(詳しくはこちら)。

ロイターは以前にも、遺伝子組み換え蚊の用途に関する誤った情報(こちら)、(こちら)、(こちら)を取り上げています。

【評定】

誤報です。米国で最近発生したマラリアは、遺伝子組換え蚊の放出によって引き起こされたものではありません。

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