劇場にあるシェルター爆破事件の目撃者の証言は、Mariupolの地理と整合しません。

【和訳】
この女性は、2022年3月16日にウクライナの都市Mariupolで、子供達子どが避難していた劇場を破壊した爆発や爆弾攻撃を目撃したのでしょうか?いいえ、そうではありません。彼女がスポーツ施設の避難所からビデオで説明する避難場所までの経路は、劇場の場所を通過することはなく、反対方向にあります。ロシアのメディアはこのビデオを、アゾフ大隊が仲間のウクライナ人の子供を攻撃したのを目撃したとする話として使っていますが、国際監視団とウクライナ政府はこの攻撃の責任をロシア軍のせいだとしています。Mariupolの地形からして、この目撃者の話は不可能ではないにしろ、ありえない話です。更に、彼女は自分の名前も、彼女が話している人々の名前も明かさないので、彼女の説明を独自に検証することは不可能です。

この主張は、ロシアのニュースサイトやソーシャルメディアに掲載されました。本編には、the Anna News agencyのロゴが入った動画が含まれています。この動画は、2022年3月16日にInstagramに投稿されたもので、(アーカイブはこちら)抜粋は、この記事とロシア国防省が使用するこの動画で見ることが出来ます。見出しには「Mariupolからの難民が確認」とあり、以下のように続きます。:

...UKRAINEのアゾフ・ナチス団がドラマ劇場を取り壊したことを。Mariupolから子供と避難してきた女性は、ネオナチが退却する前にドラマ劇場を取り壊したと語りました。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/videos/5681773815170101/

2022年3月18日のインスタグラムの投稿は、以下のようなものでした。:

https://www.instagram.com/p/CbLt6Yxg7yN/ のスクリーンショット

ビデオの女性は、自分の名前も、言及した人の名前も言っていません。裏付けとなる証拠がない限り、彼女の主張を確認することは出来ません。

インスタグラムに投稿された動画の中で、彼女は《Terrasport》の地下に避難し、15日間そこに隠れていたと語っています。Mariupolでは、Budivelnykiv通り132番地に《errasport》というスポーツ施設があります。Mariupolドラマ劇場の正式名称であるドネツク学術地域ドラマ劇場から2キロのところにあります。彼女は以下のように言いました(英訳はLead Storiesのウクライナ人ネイティブスタッフによります)。:

私達は《Terrasport》の地下に座っている時に目を開けました。私達は......ロシア軍が来たから、外に出て、《PortCity》に行く必要があると言われたところでした......。

https://www.instagram.com/p/CbLt6Yxg7yN/

ショッピング&娯楽センター《PortCity》は、3月中旬の時点で砲撃と火災によりほぼ壊滅状態でした。《Terrasport》からそこへ行く道は、劇場とは反対方向に行くので、そこに移動しながら、女性が劇場の建物を見ることは出来ません。

以下のグーグルマップには、スポーツセンター、ショッピングモール、劇場のアイコンが表示されています。:

以下のGoogleマップの注釈付きスクリーンショットは、ビデオの中で女性が述べた説明の物理的不可能性を示しています。

(Source: Google Maps screenshot as of March 18 18:29 UTC 2022)

アゾフ大隊について聞かれ、彼女は以下のように言いました。:

彼らが去った時、ドラマ劇場の防空壕が壊され、人々は単に破片を持って私達の所に運ばれてきたのです。それだけです。

https://www.instagram.com/p/CbLt6Yxg7yN/

アゾフ大隊は、現在ロシアと戦っているウクライナ国家親衛隊の物議を醸しているナショナリストの要素です。

映像の女性は、アゾフ大隊の代表を見なかったと言っています。:

私達は彼らを見ていません。彼らはただやってきて、戦車を立てて、私達を外に出させなかったのです。私達は撃たれないように隠れました。

https://www.instagram.com/p/CbLt6Yxg7yN/

Mariupolドラマ劇場の建物は、3月16日に取り壊されました。アゾフ大隊がテレグラム・チャンネルでいち早くこれを報告しました。しかし、他の都市のチャンネルでは、ドラマ劇場に爆弾が投下されたとの報道が先に出ています。Mariupol市議会は、爆弾は飛行機から投下されたとしていますアゾフ大隊に関するロシア語のウィキペディアのページには、アゾフ大隊の軍備の中に飛行機を挙げた参考文献はなく、アゾフの兵器庫に関する独立メディアの報道を検索しても出てきません。

ロシア国防省は、Mariupolが2022年3月初旬以来、ロシア軍による壊滅的な砲撃を受けている中、この攻撃をアゾフ大隊の仕業としました。Mariupol市議会の推計によりますと、3月13日の時点で約100個の爆弾が投下された模様です。


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