イランの聖廟が黒旗を掲げているのは、喪に服す為です。

イランのマシュハドにあるイマーム・レザ聖廟は、ガザでの犠牲者を追悼するために、日常的に喪に服す際に使用される黒い旗をドーム上に掲揚しました。

FacebookX(旧Twitter)上に投稿された写真には、聖廟のドームの上に黒い旗が掲げられていました。多くの人が、黒い旗が「史上初めて」この聖廟の上に掲げられたと書き込んでいます。

多くのXアカウントはまた、この旗は「戦争や復讐の呼びかけ」であり、「イスラム教徒への神聖なメッセージ......最後の戦い、つまりイスラエルに対するもの」だと主張しました。X上の投稿は合わせて2000万ビューを超えました。

しかしながら、イマーム・レザ聖廟は以前にも黒い旗を掲げたことがあり、弔いの印として日常的に掲揚しています。

イマーム・レザ聖廟当局が2023年10月18日に発表した声明によりますと、パレスチナ当局が471人が死亡したと発表した10月17日の病院襲撃の後、ガザで死者が出たことを受け、「公の追悼」のために掲揚されたとのことです。米国の諜報機関の報告書によりますと、死者数は100人から300人の間である可能性が高いとのことです。

2022年9月、イラン国営イスラム共和国通信(IRNA)が写真付きで報じた記事によりますと、預言者ムハンマドの孫であるイマーム・フセインに対する哀悼の意を表すため、毎年黒い旗が掲げられています。

聖廟からXに投稿された4月9日の記事には、イスラム教シーア派で殉教者とされるイマーム・アリーを追悼するために旗が掲げられている様子が映っています。

IRNAは4月20日、宗教的な祝祭日や宗教的な人物の命日を含む行事を記念するために、年に数回旗が変更されると別途報じています

旗に描かれたアイコンは、同聖廟のウェブサイトに掲載されているロゴと一致します。

エクセター大学アラブ・イスラム研究所のSajjad Rizvi教授(イスラム知識人史)は、SNS上での主張は「誤った情報」であると述べています。

Rizvi教授は電子メールで次のように語っています:「黒い旗は通常、預言者やシーア派のイマームの命日であるムハッラムやその他の時に、喪を象徴するために聖廟に掲揚されるものです:

「マシュハドにある聖廟でも、喪に服すために一般的に行なわれています」

ロイター通信はイマーム・レザ聖廟にコメントを求めています。

【評定:デマです】 イマーム・レザ聖廟は、2023年10月18日、ガザの病院攻撃で亡くなった患者の追悼のために掲揚されている物です。同聖廟は、預言者ムハンマドの孫であるイマーム・フセインを弔うために毎年黒旗を掲揚することを含め、日常的に黒旗を掲揚しています。

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