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西武が楽天を退団した炭谷銀仁朗を獲得すべき理由。投手を育成する女房役の存在。

レギュラーシーズンが終わり、来季へ向けた戦力の整理が行われています。

個人的には「戦力外」という言葉は好きではないのですけど、いわゆる「契約満了による退団選手」が各球団から発表され、ポストシーズンに臨むチームを除くチームは前に進めていますよね。

退団とか、戦力外って、ダークなイメージですけど、チームが前に進むために違う選手で戦うだけであって「戦力外」とか「不要」とか、そう言うことではないんですよね。楽天を退団になった炭谷銀仁朗捕手に関して言えば、楽天に経験のある捕手が必要だったからトレードで獲得したわけです。来季から新体制になるわけで、新しく進むためにその役割を終えたと言うことなんですよ。

そんな炭谷選手はフリーになったわけですが、現役続行を希望しています。個人的な意見としても、まだ現役を退くような選手ではないと考えます。後半戦のスローイングの劣化は気になるところではありますが、必要とする球団はあるんじゃないかと思います。

そこで思いついたのが古巣・西武への復帰です。
炭谷選手は2019年にFA宣言をして西武から巨人に移籍しました。原辰徳監督に「優勝するために力を貸してくれ」と口説かれて移籍。しっかりと優勝に貢献しています。西武での役割を終えて移籍したわけですが、そんな炭谷選手は今の西武に必要と考えます。

西武はとにかくチームを移籍する選手は多いです。
新陳代謝を図ると言う意味では悪いことではないのですが、あまりに多くの選手が移籍すると難しい面もあります。と言うのも、チームの中にある伝統とか、チームの核になっていく選手に必要なものを見せられないからです。

例えば、エース。
どんな姿勢でいなければいけないかは、大々、先輩の姿を見て受け継がれていくものですが、今の西武は、若い投手に能力の高い選手が揃ってはいるものの、受け継がれていく前に、チームの中心になった選手が出て行ったので、難しさを秘めています。

松坂ー涌井ー岸ー菊池に関してはうまくバトンタッチしていたんですよね。涌井は松坂の背中を見て育ち、岸は年齢的に後輩だけど涌井を見ていたし、菊池は岸の姿を見ていた。

しかし、菊池は後輩にその背中は自主トレでしか見せることはできずにアメリカへと旅立ってしまった。

こうしてエースがいない場合は捕手がそれを支えるケースもあります。菊池は岸が移籍して抜けた後、女房役だった炭谷と「エース道」を語り合い、その座を確立しています。

しかし、炭谷が移籍して以降、森友哉という捕手はいたものの、投手側にも、捕手側にも、それを伝える選手がおらず、困ってしまったというわけです。菊池は炭谷と組むケースが多かったですからね。

バッテリーが抜け殻になり、エースとはどういうものかを知るものがいない。だから、チーム状態がいい時はいいのだけど、そうじゃない時に、支える捕手が今の西武には欠けているのは組織として大きなマイナスになっていると考えます。

西武には正捕手は古賀悠斗、柘植世那が争い、いい関係で日々を過ごしています。だから、炭谷はいらないと思うかもしれません。違うんです。炭谷は正捕手をやるために必要なのではない。

苦しい時、若手が悩んでいる時にどうすればいいか。正捕手としてシーズンを戦い優勝したことがある選手として置いておく必要があるということなのです。

炭谷選手ほどチームを考え、投手たちの成長をアシストしてくれるベテラン捕手は球界にそう多くいません。来季以降にパ・リーグ制覇を目論む西武としては、炭谷のような捕手がベンチにいると大いに助かると思います。

ぜひ、西武の編成は獲得の検討をするべきだと思います。

▽パ・リーグ応援 WEBマガジン 「PLジャーナル限界突パ」 


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