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FA山川穂高への西武の対応は間違いではない

FA行使した山川穂高の移籍が濃厚という報道がある。

西武・松井稼頭央監督の言葉にもあったように「個人の権利だから」どんな選択をしようとも山川の自由。そんな観点からであろう。

 ただ、今年は不祥事があったのでに、納得がいかない人がいるのも事実で、山川は移籍する際にはその重たいものを背負いながら戦わなくてはいけないのは覚悟が必要だろう。

 一方、彼のFAをめぐって、今年まで所属先だった西武の山川への姿勢も取り沙汰されている。ある報道によれば、単年契約の大幅ダウンであり、それは功労者の選手に対してはあまりにもひどい提示だという声もあった。過去にもメジャー帰りの選手に低い額を提示するなど「誠意がない」と言われがちだが、今回も果たしてそうなのだろうか。

 今回の山川の件に関して言えば、昨年のオフ、西武は複数年契約を提示している。ただ、山川はそれを蹴って単年契約を結んだ。その中での今年の不祥事と考えれば、西武側からすれば同じようにとはいかないだろう。

 少なくも、今季の山川は不祥事により球団に迷惑を掛けている。
 その迷惑とは球団のイメージの失墜、不祥事への対応などはもちろんだが、そもそも勝敗という部分においては多大な損失を招いたのはいうまでもない。

 今季の西武は投手力重視のチーム事情で、数少ない得点を挙げることが必要であり、4番として山川は計算していたはずである。問題を起こしたことによって試合に出ていなくて、今季のチーム成績に大きな影響を及ぼしたと考えれば、他の選手への体裁上、球団のできることは限られているのではないか。

 お金が潤沢にあるわけではないから渋ったわけではなく、これだけのマイナスの影響を与え、そして、その中で身を粉にしてきた選手もいるわけである。大型契約など結べるはずもない。

 1年の禊を含めて、例年通りの活躍をすれば給料は回復することができる。給料を抑えて複数年契約をしても山川にとってはいいことはない。単年にして、結果を出し、翌年に年俸が回復したとしたら、それは誰も文句を言わないだろう。その環境を作る必要はあったように思う

 もちろん、山川はその契約が不満だからFAをしたということでもないだろう。

 これは憶測の話になるが、FA行使をしなければ波風は立たないし、西武で落ち着いて野球がでいたかもしれない。しかし、そうではなくFAを行使して、他球団と交渉し、移籍するなら多大なるプレッシャーを受けることを覚悟。残るにしても、FA権は行使しているから翌年に移籍できるわけではないという崖っぷちのもとでプレーすることになる。つまり、彼がFA宣言の際に「覚悟」という言葉を公式コメントに用いているように、FA行使は簡単な道ではないのだ。

西武の立場、山川の立場。それぞれに葛藤があるのは間違いない。
どちらも自分勝手な事情ではないことがわかる。

その点を理解しなければいけないのではないか。


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