2017夏コミ

ペルソナ5を終えて。感想:このゲームの価値は最後の20%にある。

ペルソナ5 R(ザ・ロイヤル)の発売を目前にして、無印を中途半端に積んでいたので、この機会にとドワーーーっとクリアしました。
具体的なネタバレは無いため安心してご覧ください。
ただ、こういう感じになるよという雰囲気ネタバレはあります。

総評として、ペルソナシリーズとしては文句なしの傑作。
JRPGとしても流石のトップクラス。
やって損なし。

グラフィック

最高、言うことなし。

双葉の太ももがえっち。

春ちゃんアイテム使った時揺れるのえっち。

ペルソナも大体えっち。

UIオシャレすぎてオサレエンペラー賞総なめ。

何喰って生きてたらこんなオシャレなゲームになるの?

バトルシステム

さてシステムの本題から。
僕はハードモードでクリアしたため、ハードモードの感想。

バトルシステムはあまりにもよく出来すぎているの一言。
弱点属性をついてワンモアを狙うゲームのため、属性相性はもちろん
相変わらず人を選ぶxxガードキル、xxの防壁などはともかくとして、
強化弱体バフデバフ、状態異常、どれも重要性が高い。
特に、カジャ系はかけるとかけないとでは雲泥の差があり、ハードモードでは相手にタルンダ(攻撃力ダウン)をかけているか否かで生死を分ける場面もある。

また、ハードモードでは溜めのある全体強攻撃に対してはガードを選択しなければまず即全滅。
道中雑魚敵にバックアタックを取られれば全滅。
ということもあり、通常装備ペルソナや、双葉のコープアビリティの価値も高まる。

そういったあれこれの制約の中、テンポのよさは失われていない。
ボス戦はパターンに入るとローテーションになりがちな部分はあるものの、といったところ。

そしてすべてにおいて黄金すぎるバランス。
決戦の日までに揃えたペルソナと、
集めたアイテムを使い切る気持ちで挑まねばすぐに敗北し、
もうこの戦いで全て使い切るという気持ちで挑めば、接戦で勝利できる。
ハードを選ぶプレイヤーなら逆算でこれくらいは用意してくるだろうという目途が立っているからこそ、JRPGを作り続けてきたATLUSのノウハウが一番よく見える部分。

強いていうなら、銃撃が割と空気だったことと、2から復活の念動/核熱属性は多すぎたかな?といった印象。パーティメンバーで光闇を使うキャラクターの加入が遅いので、そこへのテコ入れかなという気も?

JRPGで指摘されがちなテンポの悪さを払しょくしつつ、
綿密に組まれた戦闘の流れと、しっかりと歯ごたえのある難易度、
敵に敗北することを恐れないプレイヤーは是非ハードで始めて欲しい。

日常パート

みんなちがってみんないい。

ペルソナ3以降のシリーズでお馴染みの、コミュ、今作ではコープ。
パーティメンバーや、それ以外のサブキャラクターと交流を重ねていき、
戦いだけではなく、ストーリーパートも戦略的に楽しむ、
今やペルソナシリーズの醍醐味ともなってる部分。

また、前作までのパーティメンバーはスキルを覚えるためであったり、
サブキャラクターは最終ペルソナを手に入れるためであったりして、
厳密には全スキップでも何の問題もないシステムであったのに対し、
今作では、コープアビリティという、そのキャラクターと仲良くなったことに対して、戦闘や日常パートで有利に働くアビリティを習得することが出来る。
例えば、政治家の吉田寅之助というキャラクターであれば、
政治家の語り口を学び、敵シャドウとの交渉が有利に運ぶなど。

特にパーティメンバーにおいては、即死を回避するアビリティや、
主人公が戦闘不能になる際にかばってくれるアビリティなど、
有用性が高いものが多く、ボス戦前に上げておこうかな~という気持ちにさせられることが多く、ボス前の日常パートの指標にもなる。
特に、ダウンを取った際に別キャラクターに交代できるバトンタッチは、よりテンポのよいバトルには必須級。

主人公の人間ステータスが関わってくる部分も多くあり、人に会うだけではなく自分磨きのペースも考えて行かなければならないため、かなり戦略性が必要になり、バトル以外のパートでも飽きさせない。

ただ、今作はそういうアビリティの兼ね合いもあってか、コンプリートが容易になっている模様。
残念ながら1周目ではコンプリート出来なかったものの、間に合わなかったコープは2種類だった。
前作までは2周目に綿密にスケジュールを立てて、ガチガチに固めなければならなかったが、
今作ではダンジョン攻略に時間をかけすぎたり、ミニゲームで遊びすぎなければ、1ヶ月ほどは余裕をもってコンプリートできそうな気配。

さて、肝心のコープキャラクターについては、これも相変わらずの文句なし。
どのキャラクターも個性的で、仲良くなりたいなと素直に感じさせてくれる
強いてあげるなら、序盤から主人公を持ち上げまくってくる三島くんが
鼻につくことも多いが、これについてはストーリーで少し語ろうと思う。

総評として、前作までのシリーズの改善点をしっかりと取り入れて、
最高のシステムとして出来上がっているなと思います。

ちなみに恋愛関係は、べっきぃ一筋でした。

ダンジョンパート

パレスと呼ばれる、人の心の闇が形を持ったダンジョンを攻略していく今作

ストーリーに合わせて、悪い人間の心のダンジョンへと潜り、そこで悪の心を盗み、改心させるというのがメインストーリーになり、
ストーリー中で様々な悪党の具現化した心模様を見ることが出来る。
多様なマップパターンで見てて楽しい、
潜入しているときのスパイ活動感も楽しい。

特に、敵にバックアタックを仕掛ける、隠れて待って飛び込んで
一気に倒すという、飽きないエンカウントシステムは癖になる。

前作4の欠点の一つに、ストーリーダンジョンをクリアしてしまうと、レベル上げなどが出来なくなるというものがあった部分。
ここを解消したのがメメントスという、ストーリーと関係なくいつでも行ける大衆の心のダンジョンという存在。

3にあったタルタロスに似ているが、タルタロスよりテンポよく進み、
また、日常パートで登場する、世界を震撼させるほどの悪ではないが、
欲望でこじれてしまっている人間の心を改心させるという目的で、
ストーリーの合間に訪れることになる。

ストーリーダンジョン→日常→タルタロス→新しい事件→
→新しいストーリーダンジョン→日常→タルタロス
が基本ローテーションになり、緩急が出来ててこれもよくできてる。

さておいて、メインストーリーのダンジョンについては、
中間ポイントも多く置かれており、中断も容易なものの、
1つ1つのダンジョンが少し長いかなという印象。
最初は多様な見た目でワクワクするものの、同じ謎解きが数回登場したり、
引き延ばしを感じてしまうこともしばしば。

とはいえ、苦痛になるほどではないので、普通に楽しい。

ストーリー

ストーリーはおそらくJRPGをやるにあたって一番重要な部分である。

そして今作は、タイトルの通り、ストーリーの良さは最後の20%にある。

じゃあそれについて話ていこう。

まず、主人公たちは心の怪盗団と名乗り、
心の世界に物理的に入り込むことが出来る能力を持っており、
悪党の心の悪い部分を盗み取り、
現実世界での悪党を改心させる。という正義の怪盗活動を行っている。
反逆の戦いがテーマであり、悪い大人に虐げられる人間の反逆を描く。
というのが概要。

しかし、序盤はよく分からないうちにそれを成し、正直悪とは言うものの、
それは周囲の人間にとって悪で、本当の悪党ではない人間を懲らしめる
そういう話で始まる。
しかし主人公たちはそれに気を良くし、それによってどんな弊害が起きるか
それらを無視して、自分たちは正義であるということに溺れていく。
一応、それを後押しする存在としてモルガナという、心の世界に詳しい仲間キャラクターが扇動するという形式ではあるものの、

人にはできないことが出来ることに調子に乗っているガキの集まり。

この印象が付きまとうことになる。

これは、確かにこれは明らかにならない悪だから、誰かが何とかしないと
一生こいつはのさばるんだろう、よし頑張れ怪盗団、そんな気持ちにも
なるにはなる、が、やはり子供の浅知恵感に大人が翻弄されるのは何か
こう……もやぁ……となる。

しかし、これについては、このゲームのスタートの時点で否定されている。
このゲームの始まりは、主人公が怪盗ごっこに浮かれる中、
あえなく逮捕されるというもの。
そしてそれは近い未来のことで、そこに至るまでの経緯を回想する。
そうしてこのゲームは怪盗発足からストーリーが始まるため、
そこまで含めて、想定済みなんだろうと思う。

このゲームを進めるうえで、クソガキ怪盗団がお調子に乗っていくことも、
それを見て良い気がしないということも、
そのうち逮捕されるから、ちょっと見ててくれっていう感じ。

そして実際に逮捕される時までその気持ちは抱えたまま進むことになる。
ついにあの時間軸に辿り着いたんだと感じる瞬間の感動はひとしお。

しかしこのゲームの真価はそこから先にある。
このゲームにおける、約20%を占める、現在に戻ってきた後の話。
ここを見ずしてこのゲームは語れない。

実際に僕自身も、ここに辿り着いた時点での感想は、
確かに話は面白い、しかし良凡作といった感じで、悪くないくらいの感想かな?って感じだった。

ところが、ここからストーリーは加速していくことになる。

ここまでの、だらしない大人たちをこらしめる子供の話は終わり、
この世界が現実と同じく法治国家であることを思い出させられ、
まともな大人も居る、そしてそれは子供では出来ない正義を行える。
それを実感させられる。

そうして、イチ子供に戻った主人公たちは、子供だけど、
異世界に入ることが出来る、それは子供の自分たちにしか出来ない。
今まで主人公だった子供たちは、一気に「特殊能力を持った脇役」になる。
善い大人と、善い大人が居ることを知った子供たちの共同戦線が始まる。

そして田の中勇さん。

田 の 中 勇 さ ん 

シリーズファンの方にはお馴染みであろう、イゴールの声優さんである。
御方は2010年に亡くられており、今作からイゴールのCVは、
アカギの鷲巣などで知られる津嘉山 正種さんに交代している。

ペルソナ4のアニメでは、過去の収録データを使うなどで凌いでいたが、
今作では交代を余儀なくされた。
これも時代の流れで仕方なく、津嘉山さんの新イゴールも、これはこれでまた別の味わいがあり、心のどこかで田の中イゴールを忘れられない僕らも
これを受け入れるしかない、仕方ないなぁと悲しみに暮れる。

しかし、ATLUSは違った。田の中勇さんへの敬意を忘れていなかった。

その感動だけで、このゲームのフルプライスはあった。
ATLUSは田の中勇さんを愛していた。それだけで十分だった。

そして、そんな田の中勇リスペクトもあり、物語はさらに加速していく。

このゲームのテーマは反逆。
大人と子供の関係性が修復され、大人の下に子供が居る形に収まりながらも
反逆は終わらない。
そして、その手綱を握っているのが、唯一メンバー外で同級生の三島。
ここまで、うっとおしいだけの同級生だっただけの彼が居ること。
これがどれだけ心強いことかを思い知らされた。

そして最後の戦いが始まる。

まさかそんな反逆ある?

あった。

ありかよ。

かっけええええええええええ!!!!!!!

真の反逆に魅せられて、僕の心は既に怪盗団に盗まれていた。

中盤までのユルい感じに油断していた、僕の心は既に頂戴されていた。

その瞬間、このゲームは、どういうゲームだったのかを気づかされた。
そして、ニューゲームを押したとき、そういうゲームだったことを思い知らされた。
1から10まで、全部ATLUSの手の上だった。

今作は、良凡作なんかじゃなかった。

そりゃまぁ、僕としてはね、好きな作品トップ10に入るかとか言われたら好き嫌いが含まれてくるから困るけども。

それでも、これは間違いなく傑作だった。

最後の20%が全ての答えだった。

そして、最後の質問の答えが、50.1%がオシャレで素敵で、最高だなって。

是非、Rが出たら未プレイの皆さんも、出来ればハードモードで。
つらいならノーマルモードでも、自分の手で反逆をつかみ取ってみてください。

ありがとうATLUS、ありがとう田の中勇さん、ありがとう。

最後に一つ。

一二三ちゃんの私服やばすぎでは?


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