Idologyレビュー日本語訳/샤이니 - 1 of 1

by キム・ヨンデ on 2016/10/14
原文 http://idology.kr/7835

「1 of 1」はドラムマシンが落とす最初のビートから90年代のニュージャックスイングとボーイバンド時代を胸熱く思い出させる。驚かなかったと言ったら嘘でしょう。だけどその驚きはジャンルからよりプレイヤーからのものである。正規5集の「1 of 1」のジャケットから露骨的に出された90年代スタイルのボーイバンドとシャイニーの出会い、この思わぬ組み合わせはよく計算されたものでもそうじゃなくても、アルバム全てを貫通するクラシックなポップ/R&Bサウンドはざっと聞いてもシャイニーらしいエッジさとは少し離れている。60年代モータウンまで遡るブラックミュージックをベースにしたメインストリームポップ、もしくはバブルガムポップと言われるこの表現法を追求することで、シャイニーが何を見せようとするかは、すぐには判断できない難しさがある。

まず世代を考えてみる。今のシャイニーのファンダムに90年代のボーイバンドやその時のポップサウンドが持ったノスタルジックが力を発揮するとは思えない。それでこのアルバムを構成するあらゆる要素、いわばファッション、LPノイズ、古いドラムサウンドややたらとメロディックな旋律などは、確かにそれたちをダイレクトな経験として思い浮かべるよりは、ただキッチュな装置として使われていることはすぐにわかることである。もちろんこれは彼らがシカゴ風のハウスサウンドを綺麗に仕上げた前回のアルバムの方向性とも一見類似なロジックのレールの中にあると言えるでしょう。

もちろん違いはある。シャイニーは一般的にポップ/R&Bとして区別されるチームではないし、クラシックなR&Bのコンセプトが彼らの柱ではないという点だ。80年代のNew Editionが浮かぶニュージャックスウィング(「1 of 1」)、New Kids On The Blockなどの90年代のバブルガムポップを思い出す楽曲(「투명우산」=透明傘)、2000年代初期のCraig Davidに遡るブリティッシュガラージ、他にも80年代のハウスやシンセポップを蘇らせるトラックたち(「Feel Good」、「SHIFT」)は、アメリカのリスナーやその時代のポップファンには一見懐かしさを与えるが、同時にいつものように、シャイニーの音楽のリスナーとして多くを占めている国内のファンには新鮮さを訴えられる二面性を持っている。

考えてみれば、アーティスト自身の音楽的な力よりはプロデューサーの腕前で左右されるボーイバンドというフォーマットの運命はいつも似ていた。90年代アメリカのボーイバンドの全盛期が10年も持たなかったのは、そのジャンル的なコンベンションと選択肢の限界のためだった。しかしシャイニーにはどこか頑固なジャンルミュージシャンのようなニュアンスがある。最新のEDMジャンルをいつも真っ先に吸収しながらより複雑でパワフルなサウンドを追求したり(「Everybody」)、同時にディープハウスなど少しレトロな方向性を並行させて、批評系の難しい好みを満足させる数少ないアイドルグループになったような。同時に、よりパーソナルでジャンルに充実した音楽をメンバーのソロアルバムとして試みるなどのやり方で、90年代のアメリカのポップミュージックが突破できなかった典型性である、"適度に聴きやすいバブルガムポップバンド"の公式に陥らないことができた。

そういう意味で「1 of 1」のやり方は一時的なものであり、長期的な戦略にはならないはずだ。f(x)とともにSMエンターテインメントの"アバンギャルド"サイドを率いる彼らのイメージを一部犠牲にしてもう少しメロディックなポップ/R&Bサイドに戻ったのは、キャリアのターニングポイントというよりは、エッジに戻るための息抜きに近いものだと予想する。言うまでもなくシャイニーが浮かぶ「SHIFT」、ひょっとしたら最も彼ららしいかもしれない、複雑で妙な編曲と演奏が耳を贅沢にさせる「U Need Me」を持ち合わせたにもかかわらず、これらをアルバムの後半に配置したのは、聞き慣れてる音と新しい音を取捨選択した上によく混ぜ、もはや国内にとどまらないシャイニーのターゲットリスナーに対応しつつ、変化し続けてローカルの信頼を得ざるを得ない韓国アイドルグループの運命を断片的に表すのかもしれない。

私は依然として「1 of 1」が音楽的にとても魅力的な作品だということを否定できない。特に、様々なビートほど豊富な旋律を柱にする曲を見事に歌いこなすボーカルの魅力は、パフォーマンスを排除して聴いてもそれだけで素晴らしい上に、それをサポートするバラエティな演奏は、ここ最近のアイドル音楽の中はもちろん、シャイニーのディスコグラフィの中でも飛び抜けて、オーディオ用の"ピュアーポップ"を仕上げている。年初リリースされたEXOの「Ex'Act」を聴いてブラックミュージックに基づくポップミュージックに対するSMのノウハウを確認したが、「1 of 1」はもっとクラシックな意味で「Urban」に充実したアルバムだ。私の趣味が評論家的であることを前提に言うと、次の韓国大衆音楽賞で彼らの名前が載っても驚かないだろう。

この作品を聴き続けて、私は奇妙なサイクルを頭に浮かべた。だからこのアルバムは、20年前にアメリカンポップが飛ばしたシグナルを、韓国アイドルが応答しついに完成させたボーイバンドの年代記であり、ひいては80〜90年代に盛んだコンテンポラリーR&B音楽、もしくはアーバンと呼ばれるメロディックでハーモニックなポップミュージックの進行形コンピレーションではないだろうか。アメリカのR&Bファンが躊躇なく口を揃えて黄金時代と称したその時代の音楽は、全く思いもよらない瞬間に、思わぬ彼らの声で、蘇った。きっとこれはSMやプロデューサーたち、そしてシャイニーですら意図してなかった、「1 of 1」が達成した一番愉快な成果かもしれない。