見出し画像

プロ野球背番号の話0番

はじめに

前の連載を終盤ハイペースで畳んだ理由は、急にこのテーマで書きたくなったからです。
自分は経験者でも専門家でもありませんが、一野球ファンとして好き勝手に書きます。
いわゆる本や野球雑誌のコラムにもよくある「背番号物語」ですが、書き手がいろいろな意味で偏っているので、読んでくださる方に新しい視点が見つかればと願います。

凡例

基本的に選手及び関係者名については敬称略です。

所属チームについてですが、基本的には現役選手の場合は「現所属」、引退選手の場合は「印象が強い所属チーム」に「ほか」を入れる形で対応しようと思います。

チームの呼び方については、実はボクは「ニックネームで絶対呼びたいマン」なのですが、例えば「バファローズ」と書いてしまうと、「オリックス」だか「近鉄」だかわからなくなってしまいます。
また「ホークス」と書いた場合、「南海」「ダイエー」「ソフトバンク」で背番号に対する考え方も傾向も違います。
というわけで、ここは自分の説を曲げて「親会社(スポンサー)名」で基本的には書いていこうと思います。

また年次については、「西暦(元号)年」という表記を考えています。
ただ、メジャーリーグの年次を取り扱う場合は西暦のみとし、さらに年次表記が続き文章がうるさくなる場合は臨機応変に対応します。

0番

日本のプロ野球で初めて背番号0を着けたのは、1983(昭和58)年広島に所属していた長嶋清幸外野手です。それ以前に「支配下登録されていない選手が着けていたことがあった」という説もありますが、支配下登録された選手が0番をつけたのは間違いなく長嶋が初めてのケースです。
ちなみにメジャーリーグで初めて背番号0を着けたのは、1978年テキサスレンジャーズに所属していたアル・オリバー外野手で、長嶋が0番を着ける前年の1982年に背番号0で首位打者になり、長嶋はそれにあやかったものです。
そこから日本では全球団で背番号0をつけるようになりました。
長嶋も前年まで66という大きい番号をつけており、もっと小さな番号を欲したことから0が浮上したわけですが、これは各球団にとっても「希少な一桁が一つ増える」という打ち出の小槌のようなものだったのです。
背番号0で有名になった選手というと川相昌弘内野手(巨人ほか)、初芝清内野手(ロッテ)が思い浮かびますが、奇しくも二人ともレギュラー奪取後背番号6に変更しており、「一桁間の格差」というものを感じます。
着用する選手の傾向としては、「背番号0の投手」松浦宏明(日本ハム)が話題になるなど、投手がつけるケースもあるにはありましたが、大体は「瞬足」「好守」を売りにした控え選手がつけるケースが多いように思います。
なお、その日本ハムですが2006(平成18)年オフに着けていた古城茂幸内野手が巨人に移籍すると、「0や00は番号じゃない」という球団方針から、それ以降着用した選手はいません。

00番~

日本のプロ野球で初めて00番を着けた選手は、1988(昭和63)年阪神に所属していたルパート・ジョーンズ外野手です。
そのジョーンズが1年で退団した後、1992(平成4)年から背番号00をつけて大ブレイクしたのが亀山努外野手です。
それ以降、他球団でも背番号00を着けるケースが増えましたが、やはり亀山のイメージが強いのか「瞬足」「好守」を売りにした控え選手が多い傾向にありますね。これは背番号0とほぼ同じですが。
投手の背番号00も0同様比較的レアケースですが、初めて投手で00をつけたのは1997(平成9)年日本ハムの秋村謙宏投手。その後、外国人投手のミラバルが2000~2005年の比較的長期に渡って着用しますが、その後上述の球団方針により空き番になっています。
また1993(平成5)年に阪神の松永浩美内野手が背番号2から02番に変更して話題になりました。「02(鬼)のように強くなる」という理由で変更したという言説が広まっていますが、その年ケガが相次いだため、ゲンを担いでという要素のほうが大きかったのではないかと思います。
その年のオフに松永はFAでダイエーに移籍してしまったため、球団にとってもファンにとっても「02」という数字が忌み番的な扱いになってしまったのは災難だったと思いますが……。
なお、現在は「01~09」は支配下選手に使うことができないため、西武で打撃投手、ソフトバンクで育成コーチが着用しています。

000番~

1993(平成5)年、大洋から日本ハムに移籍(復帰)した二村忠美外野手が背番号007を希望して話題になりました。結局これは連盟に却下され、最終的に背番号00を着用することで落ち着いたのですが、これをきっかけに支配下選手が着用可能な番号が「00・0~99」までに制限されたのです。
このため、100以上の3桁番号は育成選手や育成コーチ、スタッフ、マスコットなどの番号となっていますが、000から始まる3桁番号も同様の扱いとなっています。
現在000番台を使用しているのは巨人とオリックス、ヤクルト、楽天。ソフトバンクはチームマスコットの番号に充てています。
個人的には番号として許容できるのは「0」までで、「00~」「000~」は番号じゃなくて記号だよなぁと思っています。

というわけで、今回はあくまでも序章。本番は次回からです。
構想通りだとかなりの長丁場になりますので、大変恐縮ではありますがお付き合いいただければ幸甚です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?