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2024年AJCC杯全頭診断(DB付き)

■レース展開

まず、今回の出走登録馬を眺めて明らかな逃げ馬がいない。
それどころか前走でテン1F13s台以下の馬もカラテの12.7sのみという前半ゆったりスタートが濃厚な面子。ちなみに中山2200mスタート後に急坂登るため前半3Fもゆったり流れるコース形態しているのも忘れてはいけない。
まだ天気はわからないが雨の影響が残れば先週まで高速馬場だった中山コースも一気にタフになる可能性もあり、最終的な馬券は当日の馬場チェックしてから買うのをオススメします。一応良馬場とそれ以外の各馬データを上げておきます。

出走登録馬「良馬場」データ
出走登録馬「良馬場以外」データ
中山2200mコースデータ(2023年)

■全頭診断(想定人気順)

・ボッケリーニ

G2クラス以下では無類の強さ、AJCCは別定重賞なのでG1出走クラスの成績は良い。8歳場だが能力上位、重馬場でも苦にしないタイプで他馬の足が鈍くなる分相対的に位置取り良くなり上がりも鈍らないタフさあるので雨は歓迎。
近走最大パフォーマンスは鳴尾記念でイン前有利展開を外から差し切った。チャレンジCは内を立ち回り、最後も空いたインに入り込む騎手の腕によるところが大きく、能力自体はやや下降気味。詰めたローテで成績落とす傾向があり、人気ほど信用できない。

・モリアーナ

東京新聞杯といったマイル戦ではなくAJCCを使うのはスタートからの出足が鈍いため追走懸念があるからかもしれない。足を溜めて一瞬の切れ足で良さが出るタイプでそれがハマったのがクイーンCや紫苑S、早めに仕掛けるとNZT杯の様に最後鈍くなる可能性が高い。
鞍上の典さんがAJCC最多7勝と得意にしており仕掛けどころも熟知しているだろうが馬の気分を優先するタイプだけにどう出るかが難しい、スローすぎて馬が掛かって暴走する不安もあるので、人気ほど信用できない。重馬場は走り慣れており、雨降ったほうが馬は掛かりにくくなるので雨は歓迎。

・チャックネイト

後ろからのイメージも強いが前にも行けるタイプで、鞍上キング騎手が先行意識高いのでこの面なら番手あたりのいい位置を取れる可能性が高い。
近走最大パフォーマンスは3勝クラス江ノ島Sで不利な大外、スローペースを後方から差しての3着は評価。ただアルゼンチン共和国杯は斤量、枠にも恵まれたので着順程は評価しづらく、勝ち切るイメージはしづらいが馬場、距離、展開から大崩れする可能性は少ないので馬券からは外しにくい。

・クロミナンス

骨折などにより7歳でまだ10戦しか使ってない未完の大器。
前走ノベンバーSでは前残りの展開を上がり32.6sで差し切る強い内容、この上がり32.6sは2023年の東京1800m上がり最速タイで今回の面子では一番早い上がりを持つ。鞍上ルメールは久しぶりのコンビながら中山で連勝しているように東京専用といったタイプでもなく、今回の面子であれば中団あたりで運べるのでいい位置で競馬できる可能性が高い。
決め手は今回の馬たちでも一番あるのでハマれば頭まで狙えるが、馬場が重くなると上がりが鈍るので良馬場向き、雨の影響が残った馬場の場合は割引。

・マイネルウィルトス

重賞で好走経験豊富な8歳馬、長期怪我明けでも能力低下は見られず堅実に走って入るが追走力は衰えており、ほぼ捲くり一辺倒。今回もレース中盤から仕掛けてくる馬筆頭でこの馬の捲くりタイミングがレースのペースを決める。早めに仕掛ければタフなレースに、仕掛け遅ければ前有利なレースになる。鞍上横山武継続でアルゼンチン共和国杯同様に早めに仕掛け足を余さないレースにする可能性が高いので動ける外枠を引ければプラス。
今回の面子の中でも特に重馬場巧者で上がりを要する馬場を得意としているため雨は歓迎。ただし、馬券購入者の共通認識であるのでオッズ的な妙味が下がることは注意点。

・ラーグルフ

中距離路線で圧倒的な層の厚さ活躍を見せる5歳勢の一角。
冬が得意で10~2月の馬券内率100%、また中山とも好相性。特に中山特有の向こう正面下りからの捲くりが好走に繋がっている。スタートもゆっくりで加速に時間も掛かるタイプなので追走力があまりもとめられない中山1800~2200はこの馬の好走レンジ。
近走最大パフォーマンスは中山記念で内前有利の馬場を大外回しロスがありながら2着は強い内容で相手もG1クラス。近走負けた相手も明確に重賞上位クラスの馬なので今回の出走馬では最もG1に近い能力は有している。
ただ鞍上がテン乗りで捲くりするタイプではなく足を溜めるタイプであることは懸念点で、道中位置上げれない場合は足を余して負ける可能性もある。馬場も高速よりは若干上がりの掛かる方がいいので雨でもあまり差し引く必要はない。

・ショウナンバシット

4歳世代牡馬で斤量と成長力という点では優位、また近走G1~G2の長距離戦を使われているので距離短縮かつスローな展開となりそうな今回は条件好転。最も好走を見せた皐月賞では一頭だけ荒れた内側を通してきたので荒れた馬場でも苦にせず雨は歓迎。
今回多くの馬がそうであるように出足が遅いタイプであり、鞍上も捲くりを得意としている横山和との初コンビで、この馬も捲くりを仕掛けてくる可能性はある。神戸新聞杯組は古馬重賞でも健闘しており、神戸新聞杯くらい走ればこの面子なら上位候補。

・サンストックトン

中距離路線で圧倒的な層の厚さ活躍を見せる5歳勢のもう1頭。
前走は内から出せず最後も前が壁で追えない消化不良の負けで度外視可能。テーオーシリウスの大逃げによる展開負けを除くと本来中山の中距離を得意としている中山巧者で、この馬もレース中盤から位置を上げて行く捲くりが得意。
ただテン乗りかつほぼ捲くりをしないキングスコート騎手がこの馬の特徴を引き出せるかはかなり不安な点。オッズ妙味を求めるなら鞍上不安より馬の能力を信じて買うのも良い。能力面はオッズ程上位馬との差はない。洋芝や重馬場もこなす馬場不問タイプなので天気の影響は受けにくい。

・アドマイヤハレー

出遅れ癖がありいつも後方から行くため不利受けやすく、展開の助け必要なタイプだが少頭数戦では好成績。前走3勝クラスだが残り5Fずっと11s台で長く足を使い続けており後半タフな上がり勝負になれば穴開ける可能性もある1頭。鞍上は中山得意にしている田辺騎手で慣れていない外国人騎手よりはプラス。
上級クラスになればなる程捲くり決まりにくくなるのと同タイプの馬が多いためオッズ付かないと積極的には買いにくい。

・シルブロン

古馬での勝ち星は2400m以上のステイヤーだが東京で勝てる上がりも兼ね備えている。捲くっていくタイプではなく長い直線でジリジリ伸びていくので東京向き。ダイヤモンドSを見据えての出走かもしれない。
豊富なスタミナでジリジリ伸びるので他馬が失速していくようなタフな前潰れ展開待ち。

・カラテ

レースを使いながら強くなった馬で年取ってからは追走力必要なマイルから中距離路線で好走。宝塚記念は1000m通過58.9sと前崩れのペースで先行した分で惨敗、鳴尾記念は前壁で追えずと明確な敗因がある。
近走最大パフォーマンスは中距離馬最高峰の秋天での6着で上位面子を見るとほぼG1馬なのでこの面子では実力最上位。新潟2000mでの重賞勝ちがあるがコース形態は違うので坂を2回登る中山2200mは未知数。ただ距離不安はオッズに反映されており、重馬場もこなす馬場不問タイプなので買いやすい。また、今回の面子ではテンの速さ最速で枠関係なく無理せず好位置を取れるのはプラス。

・ホウオウリアリティ

今回の面子では数少ない逃げて勝った経験のある馬。
ただしもちろんテンが速わけではなく押していって逃げるタイプなだけに今回前を簡単に譲ってもらえそうなのはプラス。今回の面子の中では上がりが足りないだけに逃げる可能性は高く、誰も鈴を付けない単騎逃げになった場合は穴を開ける可能性もある穴馬。

■馬券買い方

【隊列予想】
逃げ:ホウオウリアリティ、(モリアーナ)
先行:カラテ、チャックネイト、クロミナンス
中団:シルブロン、ボッケリーニ、ショウナンバシット、(モリアーナ)
捲くり:マイネルウィルトス、サンストックトン、アドマイヤハレー、ラーグルフ

テンの速さでカラテが前に行くも逃げたいホウオウリアリティを先に行かせる、またはスローで掛った場合はモリアーナがハナに行く。チャックネイト、クロミナンスは自在性もあるので出足次第で自由に動ける。捲くりたい馬多数いるので何頭かは普段より位置あげて中団につける可能性はある。

本命候補:カラテ
相手候補:ラーグルフ、チャックネイト、クロミナンス(良馬場)
紐候補:マイネルウィルトス、ショウナンバシット、ボッケリーニ
穴候補:サンストックトン

基本的にはスロー過ぎて前が恵まれ、捲くりは余程強くないと馬券内ギリギリと見ているが馬場状態タフになりすぎた場合は捲くり勢見直し。

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