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第5回不思議のダンジョンRTAフェス 『挑戦枠』


1.来年の2月は第5回不思議のダンジョンRTAフェス

 2020年の2月から始まりまして、毎年恒例になっているのが「不思議のダンジョンRTAフェス(通称、不思議RTAフェス)」。ローグライクファンコミュニティの中で様々な大会やイベントが開かれていますが、不思議RTAフェスの規模は群を抜いており、twitchでの同時視聴者数は8000人にもなります。

第4回不思議のダンジョンRTAフェス タイトルロゴ


4日連続の長期イベント、第4回ではイベント初日から4000人を越える大盛況となった

 その不思議RTAフェス、来年の2月に第5回が開かれます。私もスタッフ側で走者の皆さんを応援したいと思っております。

不思議のダンジョンRTAフェス
X(旧twitter):https://x.com/mysrtafes?s=20

第5回不思議のダンジョンRTAフェス 今年も4日間の開催となる

2.不思議のダンジョンRTAフェスの試み

 最初の不思議RTAフェスは「RTAとして成立しにくいローグライク作品で集まってRTA大会をやろう」というコンセプトで始まりました。私も第1回から走者で参加し、現在もスーパースタッフとして(謙遜なしで)微力ながら協力させていただいてます。
 その中で不思議RTAフェスはローグライクの魅力を伝えるための活動も始めました。もっと多くの人にローグライクの作品を知ってほしい、それは既存のプレイヤーに向けてもそうです。私はずっとトルネコ3をプレイしてきましたが、他のローグライク作品はあまり触ってきませんでした。「ローグライクとしてトルネコ3をやってる」ではなく、「やってきたトルネコ3がローグライクという括りの中にあった」。歴が長いプレイヤーほどこういう人が多かったと思います。
 ローグライクに手が出せないでいる人には、ぜひ遊んでみてほしい。既にローグライクを遊んだことがある人には、他のローグライク作品にも手を伸ばしてほしい。そんな思いから始まったのが『ふしチャレ!~不思議のダンジョンRTAフェス外伝~』です。

2022年から始まった「ふしチャレ」

 イベントとしては「期間内にゲームに挑戦して目標達成を目指す」ことを目標にあげ、ローグライク作品に手を伸ばす機会の場となれば、という思いから始まりました。

初めて作品を遊ぶ人向けの「ちょっと不思議部門」 ストーリークリアなどの軽めの挑戦が多い


玄人向けの「もっと不思議部門」 RTAや、じっくり時間をかけるやりこみプレイが多い

 X(旧Twitter)上ではハッシュタグ「#ふしチャレ」を付けた投稿が数多く寄せられました。初めてローグライク作品を触った、という報告はまだ数が少ないですが、多くのプレイヤーがふしチャレを通してローグライクコミュニティを盛り上げれば、やったことないけどローグライクを遊んでみようかな?と思っている人たちの背中を押せると信じています。

3.第5回不思議のダンジョンRTAフェスの新要素『挑戦枠』

 このように、単なるRTAイベントとしての枠を超えてローグライクの魅力を伝えることも目指している不思議RTAフェスですが、次回の第5回では新要素が加わります。その中の1つが『挑戦枠』の設置です。
 不思議RTAフェスの始まりでも話したように、「RTA」と「ローグライク」は元々親和が難しいものでした。様々なランダム要素の中でプレイヤーの選択を楽しむローグライク作品にとって、RTAに求められる「安定」というのは担保しにくい部分です。各年の不思議RTAフェスに出場している作品がRTA競技として成立しているのはプレイヤーの力量に頼るところが大きく、その敷居は非常に高かったと思います。

第4回不思議RTAフェス『白蛇島』 4時間の挑戦時間で2名もクリア者が出るハイレベルな部門

 トルネコ3のポポロ異世界は第1回から毎年エントリーをいただき、私も3度出走の機会をいただけました。部門としては「EST.(制限時間)7時間の中でポポロ異世界をクリアする」という内容ですが、走者側としては時間的な余裕がなくかなりきついと思っていました。しかし全体スケジュールがあるイベントの中で設けた時間として、7時間以上の時間をもらうのは運営側への負担が大きい・・・。そう考えると7時間の枠の中でクリアできるように技量を磨く、というのがポポロ異世界部門の課題でした。

第4回不思議RTAフェス『ポポロ異世界』 EST.6時間に縮めた挑戦でしたが力及ばず

 あえて言うなら、不安定さこそがポポロ異世界の魅力の一つでもあると思っています。どんなにうまい人でも小さなミスから冒険が大きく崩れて終わってしまう、そんな不安定なゲームだからこそ、経験と知識で限られた時間の中で安定感を高めていくことがポポロ異世界RTAの醍醐味です。しかし、高められる安定感には限界もあります。これから技術を磨けばEST.7時間の中でも可能になるかもしれませんが、現状の自分の力ではRTA競技として成立させるには力不足を感じていました。
 そんな折、第5回不思議RTAフェスの走者応募が始まり、運営から新要素のお知らせがありました。その中の一つが『挑戦枠』。「どれだけ早くクリアできるか」を主眼に置くRTAとは異なる、「予定時間内にクリアできるか」を主眼に置いた部門の募集です。

第5回不思議RTAフェスからの新要素 『挑戦枠』
今まで脚光を浴びる機会が少なかった「制限プレイ」にもスポットライトが当たる
明確にRTA枠と挑戦枠で区別がなされている

 画像内の説明にもある通り、今までRTA競技として作品の魅力を伝えてきたものだけでなく、低歩数やアイテムの縛りなどの、いわゆる「制限プレイ」にも目を向けた部門です。ローグライクの制限プレイは歴史も古く、RTA以上に研究が盛んな作品も多くあります。ローグライクとしての魅力を伝える上で非常に良い試みだと私は思っています。

シレン5エキスパート証明書 想定された縛りに直接攻撃縛りなんてものもある(※)

(※)
引用元:https://ameblo.jp/dn-d7110-no197/entry-12650051578.html

 『挑戦枠』の説明を読んだとき、少し肩の荷が下りた思いでした。ポポロ異世界EST.7時間は楽しみに見に来てくれる方も多い反面、RTA競技として成立させるにはまだまだ発展不足で、自分の技量不足に歯がゆい思いをしてきました。しかし、今は熟成の段階として『挑戦枠』に入り、じっくりとRTA競技として磨き上げていくこともできるのではないかと。トルネコ3のプレイヤーの人たちは不思議RTAフェスへの参加に奥手な人も多かったですが、これを機に自発的な参加も増えてくれるのではないかと期待するところです。そもそも、もう自分より上手い人がたくさんいるので、その人たちが出てくれれば話は早い気もしますが。

4.応募の締め切りは2024年1月8日

 第5回の不思議RTAフェス、イベント自体は2024年2月22日(木)~ですが、走者応募の締め切りは2024年1月8日(月)、3が日から続く連休(2024年1月5日は平日)の最終日と、もう目前まで迫っています。

走者応募の締め切りは2024年1月8日(月)

 今まで参加してきた私としては、不思議RTAフェスで味わう経験は私のトルネコ3の経歴の中でも強烈なものでした。自分の中でのトルネコ3に対する熱意の最盛期が2012年~2017年ごろ、ポポロ異世界4時間クリアをどこまで安定性を持たせられるかを研究し、TAもRTAでの基礎スピードをあげるために精力的に取り組んでいました。その熱意も落ち着いて3年後の2020年、「まあまだ7時間もあれば安定クリアは堅いか・・・」と軽く考えて不思議RTAフェスにポポロ異世界で出ましたが、結果はリカバリーデータ(ほぼクリア確定みたいなデータで途中からスタート)を使ってのクリア。その経験の中で印象に残ったのが、大舞台で自分のプレイを出す難しさ。これは経験した人にしかわからないもどかしさです(私があがり症なだけかもしれません)。この時の痛烈な失敗が心に残り、来年こそは見てくれる人と自分のためにリベンジしようと、改めて昔のようにトルネコ3に打ち込み始めました。
 やっぱり何千人もの人が自分のプレイを見に来てると考えるとプレッシャーを感じますが、クリアしたときはその全員が祝福してくれます。このときの達成感は他では味わえないと思います。

第1回不思議RTAフェス『ポポロ異世界』 この時の光景は今でも夢に出ます


第2回不思議RTAフェス『ポポロ異世界』 大舞台でプレイする楽しさも経験しました

 私みたいに失敗してリベンジして・・・みたいなのはどうかと思いますが、参加をちょっとでも考えている人はぜひ参加者として不思議RTAフェスを経験してもらいたいと思います。特にイベントとの一体感は視聴者側では計り知れないところがあるのではないかと思います。ずっとポポロ異世界の話をしてきましたが、トルネコ3の中のダンジョンで今までRTAとしては難しかった部門はたくさんあります。これを機に不思議RTAフェスでのポポロ異世界RTAの在り様と、様々なトルネコ3の部門の活躍が見られるか、そこに注目していきたいと思います。

 ちなみに私は来年走者での参加は難しそうです。オシゴト、ガンバル ゾ。

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