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クロノクロスのマザーブレイン「フェイト」について。彼は何を想ってエルニド諸島の人々を導いてきたのだろう。

(タイトルの画像の引用 CHRONO CROSS © SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Character Design: © SQUARE ENIX CO., LTD. /© NOBUTERU YUUKI All Rights Reserved. RADICAL DREAMERS © SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.)

クロノクロスの物語において黒幕的な存在である「フェイト」とは、
どんな存在であったのかについて考察していきたいと思います。


「フェイト」というのはクロノクロスの物語の世界を、裏で管理しているコンピューターです。

機械であって生命や感情は無いはずなのですが、「人と機械が融合した新たな種の存在を夢見ていたのかもしれないという」すごく印象深い存在なんですよね。

推測の部分も入っていますので、「暇つぶしに空想してみた。」程度に
読んでもらえれば幸いです。


フェイトとは


「フェイト」とは、クロノクロスの舞台となるエルニド諸島を管理するマザーコンピューターです。

フェイトは、クロノクロスの世界線においては、AD2400年代に誕生しています。
フェイトの原型は、AD2300年代に完成された大型試作機マザーブレインを
取り込んだマザーコンピューターです。

AD2300年代というと、ガッシュが古代から未来の世界へ漂流してきた時代です。
というわけで、ガッシュがフェイトの原型であるマザーコンピューターを
生み出した可能性が高いです。

ガッシュはクロノポリスの前身である「時間研究所」を設立して、そこでフェイトの原型を利用しながら、時間に関する研究 他にも様々な科学技術の研究を行っていました。
(プロジェクト・キッド遂行だけを唯一の目的に動いていたのかもしれないですが。)


AD2300~2400年代にかけて、大型試作機マザーブレインが、マザーコンピューター「フェイト」へ進化。


AD2300年代のどこかの時点でガッシュが忽然と姿を消します。
(プロジェクト・キッドの準備が整ったため、AD1020年のクロノクロスの本編の世界へタイムスリップした。)

ガッシュが姿を消した後は、時間研究所での様々な研究を管理していくためにマザーブレインの力に頼る場面がますます増えていったのではないでしょうか。

時間研究所の研究員達は、そうした背景の中で、大型試作機マザーブレインをフェイトへと進化させていきました。

または、もしかすると、ガッシュが姿を消す前までに、
ガッシュはマザーブレインをフェイトへと進化させていたのかもしれません。


機械の暴走防止用プログラム『プロメテウス』について

ガッシュは機械が暴走を防止するために『プロメテウス』というプログラムを
マザーブレイン又はフェイトの内部に仕組ませていました。

この『プロメテウス』というプログラムは、クロノトリガーに登場したルッカが、
ラヴォスを倒した後に、未来へ帰った仲間の「ロボ」に対する想いから作られたものでした。

プロメテウスは自我を持つプログラムであり、フェイトの内部に隠されていた独立した回路です。

フェイトの分身であるヤマネコは、クロノクロスの物語の終盤、クロノポリスで管理されている凍てついた炎を前にして、プロメテウス及びそれを開発したルッカについて以下のように語っています。

「フェイトの内部のずっと奥に、まさか、そんな小さなバグが、裏切り者が潜んでいようとは。」
「その回路は、初期アシュティア型の基礎を完成させた、
ある博士の思想に基づいて設計されたものだ。」
「システムの中核をなす部分にこのような回路が存在していたことは、
フェイト自身すら気付いていなかった。」
「いや、気付いても、瞬時にその記憶を消去するよう、最優先コードが発令されていたのだろうな。」
「まったく、とんでもない才能と、情熱だよ。狂気と言ってもいい。」
「むろん彼女の理論を彼女自身が仕組んだわけではない。
おそらくは、初代責任者のガッシュの仕業だ。」

このプロメテウスの基になった「ロボ」も、クロノトリガーの世界では
ある意味裏切り者と言える存在でもありましたね。

ロボが製造されたAD2300年のクロノトリガーにおける荒廃した未来の世界では、ロボは人類の駆逐を考えるコンピューターシステム「マザーブレーン」が生み出した人類抹殺のための戦闘兵器でした。

壊れかけていたロボをルッカが修理したことでクロノたちの仲間になります。

クロノトリガーの物語終盤、ロボは未来の世界のマザーブレーンやロボット達から、裏切り者と言われてしまいます。

クロノたちと共にラヴォスから世界を救うために旅をするロボは、人類の味方ではありますが、マザーブレーンやその仲間たちからは裏切り者と見えてしまったのでしょうね。


クロノトリガーの未来の世界に登場した「マザーブレーン」は人類を抹殺しようと計画していました。

一方で、クロノクロスの「フェイト」は人類を護るために存在していました。(後にフェイトは人類に対する羨望が生まれて、愛憎まみえる行動を取るようになっていきましたが。)


タイムクラッシュが発生しクロノポリスはBC10000年の過去へ飛ばされる。


クロノポリスで行われていた凍てついた炎を利用した反時間移転実験が失敗により「タイムクラッシュ」が発生して、クロノポリスはBC10000年の過去の世界へ飛ばされることになります。

この時に、別の次元のAD2400年に存在していた、龍人の未来都市である「ディノポリス」もBC10000年の過去へ飛ばされてきます。

この時に、人類と龍人の間で戦争が発生します。
フェイトは人類を守るために、龍人と戦います。

戦争は人類側の勝利となり、フェイトによって龍人たちの力は6つのエレメントに分割されます。


BC10000年からAD2400年までの歴史改変を阻止するためにフェイトが動き出す。


龍人との戦争に勝利後、人類及びフェイトには新たな問題が発生します。

それは、「クロノポリスで暮らしていた人間とフェイトが、BC10000年からAD2400年までの歴史をどのようにしていくか」ということです。

このタイムクラッシュ発生後のBC10000年からAD2400年までの歴史が、
タイムクラッシュ発生前のAD2400年から大きく改変した場合、人類、クロノポリス、フェイトの存在も大きく改変してしまう可能性があります。
(歴史の改変の大きさによっては、存在自体が危うくなる危険もあります。)

そこで、フェイトはBC10000年からAD2400年までの歴史が大きく変化しないように行動を起こしていきます。

クロノポリスの研究員たちの未来の世界に関する記憶を消去して、エルニド諸島の原住民として入植させます。

さらに、運命の書を利用して、エルニド諸島に住む人たちの日常を監視し、
運命の書からの「お告げ」によって、エルニドの人々の行動を管理していきます。

運命の書は、エルニド諸島から外の大陸へに出ていこうとする住人に対しては、大陸へ渡ると良くないことが起るというお告げを与えていました。

歴史が大きく改変して、フェイトは存在が消えることを避けるために、エルニド諸島と外の大陸との交流を最小限にしていました。

そうしてフェイトは、エルニドの人々を愛しつつも、監視管理して従来の歴史と大きく変化しないように導いていきました。


「凍てついた炎」を管理する中で、フェイトの人類に対する想いが変化していく。


BC10000年から始まった、フェイトによる、エルニド諸島の人々の監視管理は順調に進んでいきました。

そして、フェイトはエルニド諸島の人々だけではなく、「凍てついた炎」も管理していました。
この凍てついた炎というのは、前作クロノトリガーで登場したラヴォスの身体の欠片です。

凍てついた炎には、ラヴォスの強力なエネルギーが秘められていて、時間を操る、あらゆる傷を癒す、どのような夢も叶える、接触したもののDNAを書き換えるなど、様々な力を持っています。

フェイトは、エルニド諸島の人々と、凍てついた炎を管理していた長い時間の中で、人類に対する想いが変化していったのかもしれません。

その想いというのは、フェイト自身も凍てついた炎の力を通して、
「機械と人類が融合した新たな種として生まれ変わる」という想いです。

本来の歴史であれば、AD2400年の時代においては、フェイトと人類は別々の存在であり融合はしていません。

しかし、タイムクラッシュ後のBC10000年からAD2400年までの歴史のどこかの段階でフェイトは、凍てついた炎の力を利用して、機械と人類が融合した新たな種の誕生を進めようとしたのかもしれません。



ワヅキとセルジュの身体を手に入れた後のフェイトの思考の変化


AD1006年に、クロノクロスの物語の主人公であるセルジュは、ヒョウ鬼による瀕死のケガを治療するために、クロノポリスに漂着します。

その際に、セルジュが凍てついた炎と接触したことで、凍てついた炎へのアクセス権がフェイトからセルジュに移ります。

フェイトはまず、セルジュの死に怯える精神状態が不安定だったワヅキの精神に入り込み、ワヅキの精神を掌握します。

セルジュが抱いていた死のイメージがワヅキの見た目をヒョウ鬼へと変化させ、ワヅキの見た目はヤマネコ(亜人)へと変化しました。

その後、クロノクロスの本編において、古龍の砦にて龍の涙を利用して、
セルジュの肉体を奪ったあとのフェイトの行動は混迷を極めます。

本来のフェイトは、エルニド諸島の歴史が大きく改変されないように人々を護り導いていく存在でしたが、セルジュの肉体を手に入れてダークセルジュとなってからは、エルニド各地で破壊活動を行うようになりました。

ワヅキやセルジュという人間の肉体に残っていた感情の影響を受けたり、
人類に対する愛、羨望、憎しみといった感情が、フェイトの思考に混沌とした影響を与えたのではないでしょうか。

クロノクロスの終盤、オパーサの浜でのクロノのセリフでは、

「人間は、なんて不完全でバラバラな生き物なんだろう。愛と、憎しみと……。生と死と……。
もしかしたら、フェイト自身、炎を通して、いつか新たな主として生まれ変わる夢をみていたのかもしれない……。
それも、かなしいね……。
おまえが炎をみつめるとき、炎もまた、おまえを見つめている、か……。」

フェイトというのは機械でありますが、クロノクロスの物語における動きを見ていると、明らかに感情というものが備わっているように見えますね。

このフェイトの感情のように見えるものは、元々備わっていたものなのでしょうか。

それとも、膨大な知識、歴史、エルニド諸島の人々の行動を監視管理、
ワヅキやセルジュの肉体を手に入れたことで生まれてきた物なのでしょうか。

または、あらゆる夢を叶えるほどの力をもつ凍てついた炎の力によって生まれてきたものなのでしょうかね。



未来の世界では、エルニド諸島の人々に、どうやってクロノポリスとフェイトの真実を伝えるかの問題が生じてくるのでは?


ここからは完全な空想になりますが、
もしも、フェイトがBC10000年からAD2400年の時代までの間に、
エルニド諸島の人々の動きを掌握して、大きな歴史の改変を生じさずにこれたとしても、従来のAD2400年のクロノポリスが存在する歴史と同じようにするのは無理だったのではないでしょうか。

クロノクロスの本編の物語であるAD1020年の時代においては、エルニド諸島の人々はフェイトの存在については何も知りません。

このまま、のどかな自然が残る東南アジアのような世界が続いて行けば、フェイトやクロノポリスの存在がエルニド諸島の人々に知られることはないでしょう。

しかし、このままのどかな世界を続けていけば、AD2400年までにフェイトが誕生する科学が発展した世界は訪れないのではないでしょうか。

クロノポリスやフェイトのような高度に発達した文明都市や機械を生み出すためには、AD2400年の時代までに人類の科学技術を高めていく必要があります。

そのため、どこかの段階で、エルニド諸島の人々に、エルニド諸島やクロノポリス、フェイトについての真実を伝える必要が生じてくるのではないでしょうか。

でも、エルニド諸島の人々にその真実を伝えた際に、彼らはそれを受け入れることはできるのでしょうか。

今までのエルニド諸島の人々の歴史や行動は全てフェイトによって操作されていた、ということをエルニド諸島の人々が知った時に、彼らはどう行動するのでしょうか。

フェイトを破壊しようとする人もいれば、そのままフェイトのお告げに従って生きていく人もいるかもしれません。

でも、エルニド諸島の人々が真実を知った時に、どう動いていくのか未知数です。

それならば、凍てついた炎を通して、いつしかフェイトの中に生まれた
「機械と人類が融合した新たな種の誕生」という世界の実現に向けて動いていった方が、フェイトが存在できる可能性は高いのではないでしょうか。

機械と人類が融合した新たな種の誕生がすれば、未来の世界でフェイトは存在が消滅することはなく、フェイトはその種の祖先ということになります。

まぁ、人類から考えると、機械と融合した新たな種というのは、なんだか不気味な存在でもありますがね。



おわりに


というわけで、書きなぐりのように、クロノクロスのフェイトについて書いてみました。色々と考えが取っ散らかってしまっている印象がありますね。(笑)

そのうち、ちゃんときれいにまとめられたら良いなと思います。

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