ゲ謎感想
ゲゲゲの謎を観ました。
感想的なものをふせったーに書こうとしたら、なんかログインできなかった上、不審なログイン?とかでツイッツーにログイン自体ができなくなったためここに書きます。
(ネタバレ考慮してません)
『狂骨』っていう妖怪がスッッッッゲーーーーー良かったです。
というのも私、ギレルモ・デル・トロ監督のクリムゾン・ピークが大好きだからです。
小説版のこの一説とか、もう何度紙に書いたかわかんないくらい好きです。
なので、自分の子の行く末を見守りたいあまり、目玉だけの存在になった『目玉のオヤジ』という妖怪に、『狂骨』という、誰にも見つけられず、忘れ去られていく恨みが形となった妖怪をぶつける構図はめちゃくちゃ好みでした。
多分、『目』というのは映画の一つのテーマになってるんだろうなと思います。
苦しみを無視され続けた存在が、痛ましさのあまりにふと目を逸らされた瞬間、一気に恨みを噴出させる瞬間とか超良かったです。
あと人体破壊描写で、丁寧に目玉を集中攻撃してたのもなんかツボりました。
……なんですが、が、が、物っっっ凄いひどい目にあった犠牲者の少年が、「僕がいたことを忘れないで」みたいに言って成仏?していくのが、なんだかこう、妙に引っかかりました。
あくまで私の感じ方なので(セリフも違うかも)演出的なアレの良い悪いとかの話ではないんですが、少年が痛みや苦しみよりも、「ぼくを忘れないで」と、忘れられることを恐れるのがなんだか不思議でした。
でも『目玉のオヤジと狂骨』『眼差しと痛み』というような、物語の文脈?としては理解できるような気がするので、「ぼくを忘れないで」は、テーマに沿ったセリフな気がします。
でもここで、少年の心を慮る前に「テーマ的に理解できる」と思ってしまったことで、『なんで私は、この世の痛みや苦しみが、見つめることや忘れないことごときで癒されると思うのか』というのが、なんか気になり始めました。
多分、「この苦しみが仕方なかったことだなどと肯定するようなことを絶対にしないでくれ」「同じことをもう繰り返さないでくれ」という切実な願いを叶えることにつながるからじゃないかなあというのが、今の所の気持ちです。
そう思うと、少年の心を蔑ろにしながら、「見つめ、わすれないことが大事」だと思った私の心は、本末転倒で不気味だなあと、自分で自分に思いました。
見ているようでなにも見ていない、というわけです。
作中の色んな重さもあって、こんな自分対してズーン……と落ち込んでいますが、これは私の変に潔癖な面が出てるだけで、別にこの映画を観て落ち込むようなこともない気はします。
なんか、話がキツイというか壮大というかなのでなんか深刻になりがちなんですが(私が)、もっと柔らかく受け止められる素敵な作品だと思ってます。
「忘れないこと」「見ること」がテーマになってると感じる作品ですが、物語の終盤で、主人公の一人は見たことや記憶したことを全部を忘れてしまいます。
でも、自分自身が感じた気持ちを忘れなかったことで、悲劇を一つ回避することができました。
作中で語られる壮大な話に紐づけて、色んな痛みや苦しみを「見ること」「記憶すること」の大切さを考えては、それが出来ていない気がする自分を責めてみたりしていますが、水木のささやかな心の動きで、ほんの少し許されたような気持ちでホッとしています。
あと、水木が、キッツイ状態に追い込まれても、よく寝て、よく食べるところがすごく好きです。
(うなされたり、焦燥感すら感じるほど早食いだったりしますが)
壮大な痛みや悲しみに向き合うことの大切さの他に、自分の気持ちを感じること、よく食べ、よく寝ること、そうしたことの大切さも、じんわりと伝えてくれているような気がして。
また、自分自身よりも大切に思えるような、心から愛おしく感じる『運命の相手』との出会いの話が作中に出てきますが、水木の運命の相手は、この世界そのもの、自分の命を生きることそのもののような気がします。
よく食べ、よく寝て、何かを見て、自分自身が何かを感じることを大切にして、生きることそのものを愛おしむこと。
それは、自分勝手とも孤独とも異なり、決して『つまらないこと』ではないのだと、信じたいです。
あと、個人的に、三女の夫が、長女にやたら忠実なのに爆裂萌えて「絶対愛人だろ!?!!???????」と帰り道友人にずっと言っててごめんって思いました。
絶対愛人だろ!!!????!!!???!!
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