見出し画像

チコリとエンダイブ

 平成27年1月、折しもパリは今、同時多発テロの惨禍でショックと悲しみに包まれています。遠い昔20~21歳にかけ、語学留学で9か月程暮らしたことがあります。
 帰国後数年してからでしょうか、東京中野の市場の八百屋さんで、懐かしい野菜に再会しました。チコリと書いてありました。向こうでは名前も知らないまま、肉の付け合わせやサラダとしてよく食べていました。少し苦味がありましたが、忘れられない味でした。
 30歳を前に故郷・豊後高田市に帰ってきました。生活も落ち着いた頃、あのチコリが妙に食べたくなりました。探してみましたがこちらでは売ってなかったので、東京の友人に電話して送っていただきました。ところが届いたのは全く別物でした。形状を話してもう一度探していただきましたが、見つからないまま幻の野菜として忘れかけていました。
 ところが何と、昨年暮れの30日、何となくテレビを見ていたら、見覚えのある野菜が映っているではありませんか! 食い入るように見ると「エンダイブ」と書いてありました。急いで二階に上がり、パソコンで検索、間違いないと確信しました。項目を見ていくと、「エンダイブ(チコレ)」が目に留まり、「ここに取り上げているのは(英)エンダイブ(仏)チコリです」とあったので、開いて内容を見ると、英語とフランス語では名前が逆になっていると書いてありました。
 直ぐに東京の友人に電話、ところが彼女はお母さんの具合が悪く、富山の実家に帰っているところで、その話は切り出せませんでした。
 調べるとチコリにも種類があるようで、8種類入りの種をネットで注文しました。                                                                

(英)エンダイブ(仏)チコリの花

 春を待って種を播きましたが、時期が遅かったのでしょう、株は張ることなく、上に伸びて花を咲かせました。
 ところが、落ちた種が秋に発芽、苗で年を越し、翌春にはそれなりの株に育ちました。サラダやみそ汁の具として味わうことができました。そして、そのサイクルが続き、今7代目が花を咲かせ、種を付けています。(令和4年6月)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?