逃げ腰twilight


あちかった。今日はあちかったぜ。あちかったけどバイトの面接に行ったぜ。仕事のバックボーンを聞き「いやあ…僕にできますかねえ…」と逃げ腰になり、とりあえず帰ってきた。
思えば面接中にウケなかったらどうしようみたいなことを気にしていたけれど、それは相手も同じかもしれないと後から気づいた。僕は自分のことしか考えられていなかったなあと思った。
帰りにブックオフへ寄った。ほぼ見たことのないちくま文庫コーナーを見てみたら面白そうな本がたくさんあって、四冊も買ってしまった。一応110円のを選んで買ったので計440円ではあるが、僕みたいな全財産2000円男にとっては勇み足であったやもしれない。
忍たま乱太郎とか偉人の伝記シリーズなどの本を舐めているけれど、そういう舐め本とかを沢山読んできていたら恐らく色んなことを自然と知っていただろうし、それを用いて他の様々な本も読めたりするんだろうなという感覚がブックオフを出て、した。
帰りの電車に乗り、座席に座った。特急の通過待ちなどでしばらく安部公房の『笑う月』を読んで待った。気づいたら別の駅に着いていたからハッとして席を立った。どこかをぶつけた。降りたい駅の一つ手前の駅であることが分かった。でも立ち上がってしまった今、周りの目を気にして降りてしまった。別の車両に乗り直すこともなく、改札を出た。乗車料金も目的の駅で降りた場合と同じだけかかった。少し長い距離を歩いて家まで帰った。
歩きながら「ホームページに「力」とか書いてあって僕みたいなのが行く会社じゃないって思いましたよ笑」、「社長、ぱっと見ラグビー選手みたいだなあって思いました笑」など、受かった後にする感じの会話を頭の中でシミュレートしたりした。
家で夕飯を食べたあと風呂から出て自分の部屋に居たら眠ってしまった。四時間くらい寝ていたらしく、さっき起きた。布団も敷かずに変な体勢で寝ていたし、薄ら蒸し暑いのもありなんだか微妙な感じだ。

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