すれ違いと通信の関係

12時、それは時計の針も太陽も皆上を向いている最もハイな時間。12時、それは俺が起きた時間。
携帯を開こうとして、そういえばガラパゴス携帯を卒業してもう十年になることに気づき、ダブルタップをするとなんか原理とかよく分からないけど光った。ティンダーで知り合ってからかれこれ(かorこ+らorれという規則性があるとするとここには「こら」が足りないなあと思ったりしました)5年くらいの女(エッチなことにはまだ一回もなっていないチクショウ!)から連絡が入っていた。
「電話しようぜ」
実際「ぜ」とかは書いてなかったけど、そんなようなことが書いてあった。だから俺は「今起きたよ~。おはよ~。電話しようぜ~」と一蹴してみせた。どうだ参ったか!と天井へ向けて念じると「お前が朝だか昼だか飯を食べたら電話しようぜ!」と返ってきた。「ぜ!」は書いてあったか自信はないけれど、俺は「ぜ!」とだけ返してn段ベッドの梯子を下り始めた。
梯子は二手に分岐していた。どちらが正しい道かを考えるまでもなく、双方とも先が途絶えていた。だから俺はベッドの上に戻った。GameOver。End11永劫onベッド。
え~なんだよ~そんな~。
これを回避するためにはベッドで寝なければいいのだ。だから俺は床に布団を敷いて寝ていたので、床の布団から這い出してリビングへ向かったって訳さ。坊や、回り始めた扇風機の羽根を止められる者なんて居やしないんだよ。
世界で最も安いコーンフレーク、シスコーンをカラカラと椀に移し、赤いパックから白い牛乳を注ぐ。部屋の灯りは点けていないが窓からの陽射しで薄暗い程度に抑えられている。落下している最中の牛乳は窓明かりに照らされてプラスチックのように見える。下ではコーンフレークを内部にめり込ませながらかさを増していく。
バリバリバリバリ。むしゃむしゃむしゃむしゃ。むしゃくしゃむしゃくしゃ。イライライライラ。
12時10分には食べ終わったので電話をかけていいか訊ねると、「早すぎるね。あと20分したら電話かけてください。さようなら」と返ってきた。それを読んで俺はただ…ただただ…布団の上でゴロゴロすることだけを一心不乱に行ったのだった。
12時30分になってゴロゴロしすぎて川下の石のようにまあるくなった俺は電話をかけようと思ったが、いきなり電話をかけるのはちょっとタームとしてゴロッとしているかしらと感じて「電話をかけますよ」と連絡を入れた。
しかし10分しても20分しても返答はなかった。そうして1時間が過ぎた頃、連絡は返ってきた。寝ていたらしかった。俺の電話を目覚まし代わりにする算段だったらしい。
「すれ違っちゃったね☆」と電話で話した。あとポケモンのタイプを全部言ったら褒めてくれた。嬉しかった。また言おうと思う。

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