また、

(※イーサン、シルヴァ、アンバーの三人組が暖炉のケルツェ近くで談笑しており、ピアチェーレはカウンターに座っていた)

イーサン : (黒翼の男は暖炉前で友人と雑談をしているようだった。)

ピアチェーレは、珈琲を使った。
珈琲豆の香ばしい風味が漂う…
ピアチェーレは[珈琲]になった

イーサン : うーーーん。
相手によっては…………ほら………

ピアチェーレ : いやはや皆、ただいま、ただいま。帰り道マルコとすれ違ってさあ、ほら。

イーサン : 可能性を捨てないであげたほうがいいじゃないか。
あ、マルコくんもおかえり。

マルコ : すれ違い……ああ、言われれば見掛けた気もする。やあ、やっているな友達よ
(全員を見渡しそう言って挨拶とした)

イーサン : (手を振った)
でなんでピアくんはそんな上機嫌なんだい。

アンバー : ただいま~

シルヴァ : 戻った。

ピアチェーレ : 屋台でたらふく食い物食ってきた!

イーサン : アンバー!シルヴァ!おかえり。

ピアチェーレ : お、そろそろ酒場のゴールデンタイムかね。

アンバー : (羽もふ)

シルヴァ : ああ。

イーサン : (もふもふ!)

マルコ : (振りかえし)時にピアチェーレ、何事も無ければ少々渡したいものが……おやお帰り

アンバー : ぬぁ~!(もふられている)

ピアチェーレ : (イーサンに視線を投げ……ぎょっとする。)え? ああ、おお。君から? いいけど……。

イーサン : (黒い翼はいつものとおりに少女をもふもふしている。)

アンバー : (真っ黒~)

イーサン : ああ、そうだ。僕もアンバーとシルヴァに渡したいものがあるんだよ。

アンバー : なぁに。

シルヴァ : ん? なんだ。

ケルツェ : (久々にこうもにぎやかな宿を見た気がする、そう思いながら揃った面々を眺めた)

イーサン : 出立前の記念品。

マルコ : 何、そう如何わしいものではない。雑貨屋に頼んでいたものがようやく仕上がったのだ

イーサン : じゃあまずアンバーから。

アンバー : わ~い!

ピアチェーレ : しあっ……えっ!? 余計いかがわしいんだけど!? 君から!?

イーサン : はい。

ピアチェーレ : え、えぇ~~……?(華やぐ傍ら、相当な温度差である……。)

アンバー : わ~~~~~~~~!かわい~~!

イーサン : 似合うと思って。

アンバー : (翼付き腰ポシェットをもらって喜んでいる。さっそく装着したのだったしゃきーん!)

イーサン : ほらみてシルヴァ
かわいい。

マルコ : 工事や祭りの兼ね合いもあってな。そう邪険にしてくれるな(包みに入ったそれを差し出して)

シルヴァ : ほ~、コイツはまた。

アンバー : (くるくる~!)

ケルツェもみてみて~!

シルヴァ : こういうところはいい趣味してるな。

イーサン : ありが……それどういう意味?

ケルツェ : うん、よく似合ってるよ。

シルヴァ : 素直に受け取れよ。

アンバー : えへへ。

ケルツェ : かわいいかわいい。

イーサン : はいはい…… で、シルヴァにはこれ。

アンバー : えへへへへ~~~!

シルヴァ : ん、ああ……これは。

イーサン : アンバーにあげたみたいなのはとっつきにくいだろ、君。

シルヴァ : 流石にそりゃそうだが、またシブいとこを突いてきたな。(手渡された翼型のイヤーフックを手に取り眺め)

シルヴァ : 着けていいか?

イーサン : 個人ナイズドってやつさ。お揃いお揃い。
勿論。

マルコ : (1000Lもの臨時収入を見越してか、結構な素材が用いられた大きめのそれ。実用性だけで選んでいる為、もちろんプレゼント言葉なんてものは知りもしない)

アンバー : かっけーじゃん。

ピアチェーレ : (シャルパを広げて)二枚ある。

シルヴァ : (左耳に引っ掛ける。上手くハマってぐらつかないのを確かめれば、手を離してやや横を向いた)

マルコ : ケルツェにも巻いてやるといい、友よ。あちらの三人のように気が利いたものは思いつかなんだのだ、許せよ

シルヴァ : どうだ。

イーサン : 最高。

アンバー : 最高~!

イーサン : まあ僕が選んだし。

ピアチェーレ : ふぅ……ん。へえ。何、君。

シルヴァ : そりゃなによりだ。……ありがとう。

アンバー : 確かに。
(ケルツェのほっぺもちもち)

ケルツェ : 何の飾り気もない顔にはいい飾りじゃないか。

ピアチェーレ : いいもの選んでくれんじゃ~ん!!(これまでの邪険な扱いはどこへやら、背中をバシバシバシバシバシと叩いて。)

シルヴァ : これ以上着けたら今度はチャラいなんて言われそうだが。揃って羽が生えたな。

イーサン : そういうこと。

アンバー : 羽~!

イーサン : 羽。

アンバー : お揃い。

マルコ : 痛い。喜んでいるなら何よりである……ほれ、あちらへ向かって行ってやれ(叩かれまくった末に振り払い、ケルツェを示した)

イーサン : お揃いにした。(圧)

アンバー : あ、圧……。

イーサン : フフ。

ケルツェ : (三人を満足気に眺め、頷いて)

アンバー : ぁ。そうだ。ケルツェ~

ツェ~~。

ケルツェ : ん、なんだい?

マルコ : 私がしてやれるのはこの程度だ。くれぐれも互いに悲しむことの無きよう

アンバー : 私は今日ココを出るので。お別れ品。

ピアチェーレ : (マフラーをさわさわと触っていると……その独特の触り心地から気付く。耐火性だ。つまり、ピアチェーレがなんだかんだでずっと探していた、ケルツェが安眠できるための……。)
……マルコ、君……。

アンバー : (ケルツェの手のひらにカメラを)

ピアチェーレ : 最高だよ! 最高のプレゼントだっ! ありがとう!!!

イーサン : (ピアチェーレとマルコの方を見た。あちらもあちらでなんだか贈呈と……喜びが発生しているらしい。)

ケルツェ : ……これ、大事なものだろう(カメラを手に抱えて)

アンバー : うん、大事。だからあげるの。

ピアチェーレ : 色々いって悪かったよ。いいとこあるじゃん。

ケルツェ : 荷物が増えるな、旅人なのに(カメラを手でなで)

アンバー : これから色々行くんだろ?ピアと記念沢山撮っておいで。

ケルツェ : 君の旅も続くだろ、新しいカメラはちゃんとかいなよ。

マルコ : 何、気にしてはいないさ。我が友には世話になったゆえ……そろそろいいか?席に着きたい

アンバー : 勿論。いい旅にしたいからね。

ケルツェ : ケルツェからもお返しをしないとね。ちょっとこっちに寄ってくれるかな。

アンバー : ん?はいはい?(寄り添い)

イーサン : (宿の景色を眺める。ふ、と笑みが浮かんだ。)

ピアチェーレ : 照れるなよ。(ひら、と手を振ってその場を離れた。)

ケルツェ : (身を寄せると、軽く頬に口付けて)

アンバー :  

イーサン : あっ

アンバー : (何も言えないし、何もできないので固まった。なに?現実か?)

シルヴァ : (肩を竦めて見ていた)

ケルツェ : いってらっしゃいのちゅーだ、本で読んだ。

ピアチェーレ : (ヒュウ! 口笛を吹いた。勝者の余裕である。この野郎が……)

アンバー : ……なるほど(謎にお手上げで手を挙げる)

イーサン : 負かされてる。

ケルツェ : ケルツェのキッスは10000Lの価値がある。贈り物としては申し分ないだろう。

アンバー : じゃぁ、私もキスしようかな。

ケルツェ : だめだね、悶々とした思い出と共に旅立ちだよ。

アンバー : はぁい。じゃぁ勘弁しておく。

イーサン : かわいそう。

アンバー : フラれちゃった。

マルコ : (席へ座り眺めるには気恥ずかしげな相。最後までケルツェにやられているアンバーへ注目が集まっていて助かった)

ケルツェ : ケルツェの事、忘れないで。君に残る記憶が、ケルツェからの一番の贈り物だ。

ピアチェーレ : (おい! ずるいぞ!)

アンバー : 忘れないよ。そりゃぁね。(何枚もある写真。そこに頭も居るのだから。)

ケルツェ : ……………。
(頭に軽くチョップした)

アンバー : いで……。
なんでだ……?
(叩かれた~!みたいな顔でイーサンとシルヴァをみた。)

イーサン : (肩を竦めて)じゃあアンバー。

イーサン : ケルツェくんにもう一つ何か要求してみたら?

アンバー : ?

イーサン : 出立の記念に、ちょっと盛り盛りってことで。

アンバー : ……?

んー、ケルツェ。

ケルツェ : ん。

アンバー : ……えーっと……。えー、じゃぁ……抱きしめてくれ。

ケルツェ : ………………。

アンバー : えっこ、こういうことではなく……?

ケルツェ : (両手を広げて)

アンバー : ……(おずおずと腕の中へ)

ケルツェ : (もふもふと抱きしめた)

アンバー : ………(ぎゅーっと力いっぱい抱きしめておいた)

イーサン : 僕らもしとくか。(ハグではないが、強めにシルヴァの背を叩く仕草。)

ケルツェ : また会おう、アンバー。

シルヴァ : なんだ。肩でも組んで歩くか?

ピアチェーレ : (ふん……という顔。勝者の余裕である。)

アンバー : ……うん。また、何処かで。

ピアチェーレ : (”ピアチェーレ”にとって『また会おう』という言葉は願掛けだ。他でもない自分の為の)

イーサン : よし!言ったな?(肩を組もうとし始める。)

アンバー : このままケルツェも攫っていこうかな。

シルヴァ : おいおい今からかっ……まったくどんな食いつきだ

イーサン : ははは。いつでもいいんだけどさ。

ピアチェーレ : おいおいやめてくれよ。せっかく淑女たちの麗しの光景が広がってるってのに、むさくるしいのを追加しちゃあ。

ケルツェ : (抱きしめながら、背中のポーチにこっそりと物を入れておく。)

イーサン : 君のその麗しい顔にもう一つ口が増えなくてよかったねピアチェーレ。

アンバー : (貴方からのプレゼントにはまだ、気が付かない。旅の始まりに気がつくだろうが……。そうっと貴方の背から腕を離した)

イーサン : これはこれで美しいものだよ。以上。

ピアチェーレ : 僕にとってはむさくるしいね! 外でやれ外で。(いつの間にか言い合う仲になれたらしい。)

イーサン : ははは。

シルヴァ : フ……

アンバー : おい。ピア。

ピアチェーレ : はいなんでしょう。

アンバー : (指で呼びつける)

イーサン : 今この宿で一番イケメンだぞ彼女。

アンバー : 早く来い。

ピアチェーレ : はあ? 態度悪くない?

アンバー : お前にいい顔してどうするんだ。

ピアチェーレ : そうかな。そうかもぉ……。

アンバー : 用はもう終わった、戻っていいぞ。(雑だ───)

ピアチェーレ : なんなんだよ!(そう叫び、渡された写真に視線を落とす……。)

アンバー : やるよ。

ピアチェーレ : ……ありがと。

アンバー : どういたしまして。

イーサン : あの羽付けるにはまだ早かったかな。(その光景を眺めて)

ピアチェーレ : 悪いけど、僕は君に何も返さないよ。

シルヴァ : さあてな。

ケルツェ : 最後まで人間味が無い奴だよ。面白くない。

アンバー : 欲張りめ。いいよ。好きなだけ抱えて行きな。(ピアの肩を軽く叩いた)

おい、聞こえてるぞケルツェ~。

ピアチェーレ : だって、きっと君が本当に身軽になりたいとき、荷物になってしまうから──おい! そこは僕にキメさせろよ!

アンバー : お前には負けられないんだね。このくらいは勝たせてくれよ。

シルヴァ。私は人間味がない面白くない人間らしい……。それでも一緒に旅してくれるかぁ~?

ピアチェーレ : ……本当、抜け目のない奴。(写真を懐にしまい込んだ。鞄ではなく。)

ピアチェーレ : ──そうだ! ケルツェケルツェ。ちょっとこっちおいで。

ケルツェ : ん、なんだいピアチェーレ。

シルヴァ : なあに……本当にそれだけなんてことはないさ。安心しろ。

イーサン : アンバー、アンバー。

アンバー : ならよかった……ん?なんだ?イーサン。

ピアチェーレ : マルコから、君にもプレゼントだそうだ。お揃い。

(少し試したいことがあった。シャルパをケルツェの炎で軽く炙ってみる。燃えるだろうか? 触れた感じ、耐火性の生地にプラスして、魔力が編み込まれている。)

イーサン : ケルツェくんはね、寂しかったんだって……

アンバー : ?

イーサン : アンバーには怒って欲しいんだって言ってたよ。これ内緒って言われたけど。(暴露だ!)

アンバー : なんで?

ピアチェーレ : マフラーなんだけど、頭巾のようにすればほら。少しは楽な体勢で眠れるんじゃないかと思ってね。

ケルツェ : (どうやら燃えないらしい、念願の安心して頭を預けられる布だ!)

イーサン : そういうのが人間らしくて好きって感じるんじゃないかな。ケルツェくんにとってはね。

ピアチェーレ : おおおお!!!!!

アンバー : 怒る理由もないのに……??

ケルツェ : ……色んな人が探してくれるって言ってたけど……まさかマルコが見つけてくるとはね。

ピアチェーレ : (ケルツェを赤ずきんにしてやる……)

イーサン : 感情的なのがいいのかもしれない。ピアチェーレは寂しいよおぉおおおおって床を転げ回って添い寝を求めるらしいから。

ピアチェーレ : マルコ、神!!(調子のいいやつだ。)

アンバー : え?私にかっこ悪くなれっていってる?

ケルツェ : (布で巻かれて赤ずきんになった、本当にあらゆる人が探すと言っていたものだが。何の因果か見つけたのはマルコだったようだ。しかも、狙った形ではなく別もので。)

ピアチェーレ : (寂しいよおぉおおおおって床を転げ回って添い寝を求めるやつなので、元からの気質なのだろう……。)
やった! これで……。
おい、わかるか?
添い寝が……。

イーサン : うーん。

アンバー : 静かにしてな。

マルコ : (処処の言葉と物のプレゼントの応酬。遠巻きに見物する男は皆へ言祝ぐ代わり、グラスを揺らしてみせた)

ケルツェ : すごいな、マルコ。

イーサン : アンバーはかっこわるくてもかわいいしな……。

ケルツェ : 魔術界の暗部とかにも顔が効きそうなやつなだけはある……。

ピアチェーレ : ……まあ、凄い奴なのには違いないだろ。色々と。

アンバー : 可愛いからね私は。な、シルヴァ。

ケルツェ : (うきうきで赤ずきんになって満足気だ。ふん。)

シルヴァ : そうだな。

イーサン : アンバー、忘れちゃいけない。シルヴァもかわいい。

アンバー : (何故かシルヴァを叩いた)

シルヴァ : だっ……

ピアチェーレ : (これは二対でひとつのマフラーらしい。マントのない自分の肩にシャルパを括りつけてみる。)
ああ……ケルツェ!(叶うなら、ケルツェの両手をぐっと握り締める。)
なんだか僕たち、繋がっている気がするね…………………………………………………………………。

アンバー : あと、イーサン。シルヴァは可愛いけど可愛くない。

イーサン : そうだね。可愛いけど可愛くない。

ケルツェ : ん、うん、おう。……おう。(ぎゅっと握られ)

シルヴァ : まったく好き勝手言ってくれる。

ピアチェーレ : すきだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アンバー : (🎉を鳴らした)
(めでたい……)

ケルツェ : ケルツェもピアチェーレのことが好きだよ、ピアチェーレ。
(両手を握って、ぎゅっぎゅと上下にゆらした)

ピアチェーレ : (クラッカーが恋人たちを祝福し、空には白い鳥が飛び立つ。空は晴れ、)
あちちち。

イーサン : (現実に戻る。)

ケルツェ : (寂しいほどに旅立ち日和だ。)

アンバー : 眼の前で見せつけられてしまった。

ピアチェーレ : っていうか、そう、そうだ。さっきバタバタしてて訊ねそびれたが、君ら今日旅立つんだって?

イーサン : 最後になにか飲み食いしていく?……ああ、そうだよ。

アンバー : そだよー。

シルヴァ : ああ。もうすぐ出る。

ピアチェーレ : しかも出立寸前と来た。あー、ハシゴしなくてよかった!

ケルツェ : 見送りに同席できないところだったね。ケルツェも出てきてよかったよ。

ピアチェーレ : 僕は甲斐性のないやつだが、君らを黙って見送るほど冷たい奴じゃないつもりだ。

イーサン : そうだね。甲斐性が無いけどケルツェくんのこと頑張ってね。

ピアチェーレ : …………。
今くらいはちゃんと見送らせてくれる!?

イーサン : ハッハッハッハ!!
いやごめん。 んフフ……

アンバー : あ。
そうだそうだ~。

シルヴァ : ん。

イーサン : ん?

ピアチェーレ : (溜息をつく。まあ、イーサンはこれくらいのやつでいいんだろう)

アンバー : (寝てるミカヅキの懐に煙草を突っ込んだ)
お別れ品。

イーサン : お別れ品だ。

アンバー : お陰で荷物が減ってきたぜ!!!!

シルヴァ : なに、旅をするんだ……それくらいでいいさ。

イーサン : ああ、あとあれもそうだ。忘れない内にチェックアウトする?

シルヴァ : そうだな。

アンバー : (チェックアウト~)

ピアチェーレ : うわあ、なんかしみじみしてきたな。あー……。

シルヴァ : ……世話になったな。亭主。

イーサン : (大部屋の欄に記入していた──もう馴染みきった自身の名前に線を入れる。)

マルコ : (亭主と最後の手続きを済ませる三人の背へ)……寂しくなる。だが、避けられぬ必然でもあるゆえに。微力ながら、私も三人の健やかなる旅路を祈っていよう

ピアチェーレ : 一か月か……。短いんだろうけど。でも、でもな……。

別れの瞬間はいつだって寂しいものだ。

イーサン : ほんと、世話になった。良い宿だったよ。お風呂とか遊戯場とか喫煙所とか……。

ケルツェ : …………。そうだね。

ピアチェーレ : 達者でな。シルヴァ、イーサン、あとアンバーも。

アンバー : おい。

ピアチェーレ : 負けられないんでね。

イーサン : (聞こえる声に振り返って、)愉快なメンバーもいたからね。良い宿だった。

ピアチェーレ : 恋敵へのささいなライバル心さ。

アンバー : ふ……じゃぁ、負けてやろう。ピア、私はお前も好きだからな。

シルヴァ : まあ、またどこかでばったり会うことも無いとも限らん。……あんたたちも、いい旅にしろよ。

ピアチェーレ : 止せよ。僕はろくでなしだぜ。
うん。また会おうね。

アンバー : じゃぁ、また何処かで~ってやつだな。
(シシィをゆるく撫で)

イーサン : (冷蔵庫のサイダーブルーを取り出した。)(荷物に仕舞う。もう、冷蔵庫も空だ。)

ケルツェ : ……イーサンも、シルヴァも、また会おうね。

イーサン : ん。また。

シルヴァ : ああ。また。

アンバー : じゃぁ、また~。(最後の挨拶もいつも通りだ。また明日と付け加えそうな気楽さでそう言えばとことことドアの方へ)

イーサン : (歩きながらひらひらと手を振る。誰に宛ててでも無く──否、宿のメンバー、宿に対して、だったかもしれない。)

マルコ : またどこか……出会った際には、互いの冒険譚でも語り合おうではない。達者でな

シルヴァ : では、行くか。

アンバー : (笑顔のまま手をふった)んじゃな~!

ケルツェ : (ドアのほうを見て……)
いってらっしゃい。

アンバー : いってきまーす!

ピアチェーレ : (ひら、と手を振った。)

シルヴァ : ああ、ではな。

イーサン : はは。いってきます。

ピアチェーレ : (随分──宿が広くなった気がした。気のせいだ。)

マルコ : 一気に……静かになるものだな。なんともはや、存在感の大きな者たちであった

(呟き、寂しさを併せ飲んだ)

マルコは、祝祭の酒を使った。
シュワッとした感覚が口に広がると共に、スーッと華やかな香りが鼻に抜けていく。
マルコは[祝祭の酒]になった

ピアチェーレ : なんだよマルコ~、君に人を寂しがる心があるのか?

マルコ : そうみえたか。多少のものは誰にでもあるだろう……友の比重等しきとはいえ、見知った顔が居なくなるのは、な

ピアチェーレ : そこは軽口で返せよ。余計しんみりしてしまうだろう。……。

ピアチェーレは、麦酒を使った。
ごくごく………ぷはーっ!
ピアチェーレは[麦酒]になった

ケルツェ : たまには近くに座ったらどうかな、この机も随分広くなったからさ。

マルコ : ふ。ならば材料費でも伝えておこうか?……ああ、うむ。相席させてもらうとしよう

ピアチェーレ : げえ! これ以上借金はごめんだぜ。

マルコ : それに掛かったのは、500飛んで……まぁ、甲斐性無し極まって破いてくれるなよ(明言は避けた)

ピアチェーレ : (とん……飛んでっていったか? 今)
どうかな。旅人に渡すプレゼントなんだ、それくらいは覚悟してもらわないと。
僕たちもいずれここを出る。近いうちにね。君はどう?

ケルツェ : 出来る限りは大事にするよ、せっかくの念願の品なんだ。

マルコ : ああ、揃いで一つなのだ、出来得る限りな。私は年が明けてから出立する予定ではあるゆえ……何。いまここで挨拶を済ませておこう

ピアチェーレ : (ケルツェの方を向く。)あー……。

ケルツェ : ん?

ピアチェーレ : 僕らもそれくらいに出ようと思ってるんだ。

ケルツェ : そうだね、それくらいには出ないと、次の出会いに巻き込まれそうだ。

ピアチェーレ : でも、せっかくだから。さよならの瞬間に、僕らが立ち会えるとは限らない。

マルコ : 一気に気まずさが来たな?私の覚悟を返し……ああ、然りである

ピアチェーレ : ッハハ!(あのマルコの不意をついたのが意外で、笑いを零す。)

マルコ : ……こほん。ゆえに、だ。我が友ピアチェーレ、良人ケルツェ
君たちや、メルンの……宿の皆で過ごした日々は、私という人間の心持ちを変えて余りある

ケルツェ : (マルコらしい堅苦しい別れの挨拶だ、そう思いながら聞く。)

マルコ : この精神性の変容は、実に好ましく……んん、長ったらしい詩を続けるのは、なんだな。君のようにはいかん

ピアチェーレ : (肘をついて、続きを促す。)

ケルツェは、ステーキを使った。
肉汁が溢れ出す!!
ケルツェは[ステーキ]になった

マルコ : 短く。礼を言わせてほしい。ありがとう、と。友達よ、また会おう

ケルツェ : (もっもとステーキを食べながら聞くことにした。)

ピアチェーレ : ……ふ。
ああ、また会おう。我が友よ。

(ケルツェを促すようにその頬をついた。モッ)

ケルツェ : モッ……

ケルツェ :うん、また会おう。マルコ。

ケルツェ : 会う約束をするからにはもうやばい橋は渡るなよ。

マルコ : はは。気にするな、ゆっくり食べてくれ。……勿論だとも

ケルツェ : 依頼として会いに行くような事になったら困るからね。

ピアチェーレ : ほんとか? 本当だとしたら……。
随分変わったんだな……君も。

マルコ : そこまでか?まぁ、交友の果てに落ち着きを見出せたという事だ

ピアチェーレ : ふふ。
ふ、はは……。
ハハハッ。

ピアチェーレは、麦酒を使った。
ごくごく………ぷはーっ!
ピアチェーレは[麦酒]になった

ケルツェ : (ピアチェーレを見上げて)
それは獣の我慢じゃなくて、人としての安息かな。マルコ。

ケルツェは、蜂蜜酒を使った。
キリッとした味と共に、甘い香りとコクを感じる。
ケルツェは[蜂蜜酒]になった

マルコ : 獣の欲望は、得てして代替物で窘められる。私の場合には、人々との健全な交友関係であったのだろう

マルコ : 乾杯だ、友よ。飼い慣らす術を見出した……その後の健やかなる我が未来に、友達の未来に

マルコは、祝祭の酒を使った。
シュワッとした感覚が口に広がると共に、スーッと華やかな香りが鼻に抜けていく。
マルコは[祝祭の酒]になった

ピアチェーレ : ああ、乾杯!

ケルツェ : 人との暖かな関係こそが内なる虎を殺したか。美談だね。
(乾杯、とグラスを揺らして)

ストゥルティ : (こつこつこつと上の階から降りてきて。

ピアチェーレ : ……どうかな。僕たちは結局、小石を投げられるのを待ってたんだ。
水面に波紋が投じられるその時を。それだけで十分だ……。お、ストゥルティじゃないか。

ストゥルティ : あぁ、こんばんは。

ピアチェーレ : 聞いてくれよ、アンバー、イーサン、シルヴァの三人が宿を出たんだ。寂しくなるね。

マルコ : (飲み干し)おや、ストゥルティ。そなたも飲みに来たかな……三人は笑顔で立っていった

ストゥルティ : あぁ、なるほどね……まぁ年の瀬だし、色々とある人が多いのだろう。

ピアチェーレ : 僕とケルツェも近々出るよ……君は? この宿に永住、というわけでもないんだろう。

ストゥルティ : 私も、そうだね…長居は主義に反するから、宿を引き払う準備はしているよ。

ピアチェーレ : 君らしいね。

ケルツェ : そうか。……年も渡るし、皆何かを区切りたがる時期なのかな。

ピアチェーレ : まあ、実態は交通の便の良さだろうね。この時期、多くの船がリーンを出る。

ケルツェ : シルヴァなんかは旅慣れているし、その知識がちゃんとあったってことか。

マルコ : (シシィなで……)馬車も同様であるな。交易都市の面目が一番に表れる時節ゆえに

ピアチェーレ : (座りなよ、とストゥルティに促し)でも……そうだね。きっと、皆何かを区切りたがってるんだ。
新たな年の自分と、去る年の自分に。

ストゥルティ : ここのみんなと全員に挨拶できたわけではないけれど、なんだか寂しいものだね。
あぁ、ありがとう。

ケルツェ : 一緒に大きな迷宮を共に戦った。冒険者としては十二分にもう仲間だよ。

ストゥルティ : はは、そう言ってくれると嬉しいね…改めてストゥルティだ、記憶の片隅にでも置いておいておくれ。

ピアチェーレ : 略してルティってね。

マルコ : 街道はよく整備、除雪されて魔物も賊も巣に籠る。安全でいて春まで安定する道程であり……んん、まだ挨拶が?

ストゥルティ : 顔は何度か合わせてはいたんだけれどね、直接挨拶をしたことがない人は数人居たんだ。

ピアチェーレ : 彼女は特に飄々として神出鬼没なのさ。そんなところも魅力だけどね。

ケルツェ : そういえばしっかりと挨拶するのは初めてだっけ、ケルツェだよ。よろしく。

ケルツェ : すぐ別れるけど。

ピアチェーレ : (ケルツェの横腹を肘で小突いた)

ストゥルティ : はは、ありがとう。よろしくね。

ケルツェ : いたい。

マルコ : 左様であったか……。しかし最初で最後の酒というのも趣きがあるかもしれない

ケルツェ : そうだね、顔は合わせていたもの。

ピアチェーレ : 詭弁にしては良いこと言うね。

ケルツェ : 良き出会いと別れに?(グラスを揺らす)

ストゥルティ : 乾杯。

ピアチェーレ : ハッハッハ。いいね、歌にできそうだ。(適当にリラを奏で始めた。ティロリン……)

ケルツェは、リュートを使った。

ケルツェ : (適当にリュートで乗っかった ビヨヨン)

マルコ : 歌に……?(訝しみ、すぐに聴き入った)

ピアチェーレ : あるところに女がいた──どこへ行っても神出鬼没──。
そんな彼女が最期に残したものは──乾杯、だった…………。
(ピアチェーレの定番ネタ・最後に雑に殺すである。シルヴァも死んでいた。)

ケルツェ : 殺すなよ、さすがに縁起が悪いだろ。

ストゥルティ : 縁起でもないね(グラスに口を付けたが、苦笑いし。

ピアチェーレ : 僕の定番ネタなのに!

マルコ : 満場一致の様か……ケルツェのリュートがいい具合に悲しみを柔らげていたな

ピアチェーレ : ……ま、君なら平気さ。そこらで野垂れ死ぬようなやわなやつには見えない。

ケルツェ : そして……なんか生き返った―――。(びよよん、音が宿の天井に抜けていく)

ピアチェーレ : デウスエクスマキナだね。

ケルツェ : ふぉーえばー……。

ストゥルティ : (ふぁーーーーっと両手で胸に当てて

マルコ : ゆるい。だが今はこれくらいで良いのか……

ケルツェ : めでたしめでたし。

マルコ : めでたしだった。……音楽はまだ続けるか?歌の変わり目に話題も変えておこうと思ったが

ケルツェは、祝祭のチキンを使った。
外はパリパリ、中はしっとりジューシーだ!
ケルツェは[祝祭のチキン]になった

ピアチェーレ : 不評だからやめるぅ……。

ケルツェ : 好きに変えなよ、そう凝り固まった会でもない。

ケルツェ : (演奏は良かったよ、と肩を叩いて)

マルコ : 演奏は見事だったよ。ああ、感謝する。いやなに、亭主に受け取ったプレゼントの話だ

マルコ : 私は缶入りのジンジャークッキーだったのだが、皆はどうであったかね

ケルツェ : ええと…犬……。

ピアチェーレ : は?

ストゥルティ : 犬…?

マルコ : 犬 とは

ケルツェ : 他の人は?

ピアチェーレ : 流すなよ! 説明しろよ! 犬を!

マルコ : 犬型、ではなく?どう……ああうん

ピアチェーレ : 騙されるなマルコ!!!

ストゥルティ : ま、まぁ…ちょっと気になるよね。

ケルツェ : ピアチェーレとストゥルティは何をもらったんだい?

ピアチェーレ : えぇ怖

マルコ : 一喝が無ければ危なかった。興味深い話だが……この通りだからな

ストゥルティ : 私は生憎と依頼中だったからね、戻ってこれなかったんだ。

ピアチェーレ : ゴ、ゴホン、えぇ? えぇと……僕は夜空のインクだね。奇しくもケルツェに渡したものと同じブランドだった。

ケルツェ : なら今そこから受け取ったらどうだろう。

ストゥルティ : 今から、どうだろうあるのかな。

ケルツェ : 見てみればいいじゃないか。
(机の上をゴソゴソと探す)

ストゥルティ : えーと……。

マルコ : インクか。逸話も添えられるとは、運命的であるな?

ピアチェーレ : 或いはケルツェがどこかで喋ったのを聞いて、亭主が気を利かしてくれたのかも。

ケルツェ : (貰った記憶がない、前のケルツェに渡したものか……と目を細めて。)

ストゥルティ : (取り出したるは丈夫な磨用クロス。少し大きめの厚い生地で出来たそのクロスは、錆や安平のべたつきをしっかりと吸い上げて拭いてくれる。武器や調理道具等、道具の手入れには最適な品だ。

ピアチェーレ : 実用的だ。

ケルツェ : 皆随分とオシャレなものを貰っていないか?

ストゥルティ : なるほどね、いいねこれ。

マルコ : 聡いからな、有り得る話でもあるが。浪漫の話だ……実用性が。ストゥルティには手入れするものがあったかな

ピアチェーレ : 磨用クロスは洒落ているというよりは硬派だろう。得物の手入れをするようなものだぜ。

ストゥルティ : と、言っても私の武器は杖なんだけれどね。

ケルツェ : ………それもそうか、店主は存外に実用性に重きを置いて選んでくれているのかな。

ケルツェ : …………犬…………。

マルコ : 杖の持ち手を磨いておけば咄嗟に振るうにも易くなろう。さて、トリだ。犬とは何だろうか

ストゥルティ : 犬、本当になんだったんだろうね。

ケルツェ : そこの犬を象ったものだよ、ケルツェが犬としか呼ばないのがそんなに腹に据えかねたのかな。(マルコのそばにいる犬を指さして)

ピアチェーレ : 良かった。白いふわふわの犬が届けられていた、とかそんなんじゃなかった。

マルコ : (呼ばれたと思ったのかシシィは男のそばから飛び出し)生物かと思った。いやさ、象ったものか

ケルツェ : 犬。

ピアチェーレ : 寝るとき枕元に置いてやると、安心するよ…………。

ストゥルティ : 確かにそれは犬だね…。

ピアチェーレ : さて、僕はそろそろ上がるよ。
出立の間際、ストゥルティに会えるか分からないから、先に挨拶しとく。

ストゥルティ : あぁ、達者でね。

ケルツェ : そうだね、ケルツェも挨拶しておこう。
あまり話はできなかったけど、同じ魔術師だ。親近感の一つは持っていたよ。

ストゥルティ : どこかでまた会えば、その時はお互いの魔術について話し合おうじゃないか。

ケルツェ : 一晩で語るには長すぎる話だろうからね。

マルコ : 上がるか……程良い時間だ、聞きたい言葉も粗方聞いた。私もまた並べて贈ろう。ストゥルティ、そなたも元気でな

ストゥルティ : あぁ、元気でね…。

ケルツェ : (ゆるりと立ち上がって)

ケルツェ : 贈り物ありがとう、マルコ。(くるとマフラーを巻いて)

ケルツェ : (暖炉の前に体を預けた)

マルコ : 似合っているよ、二人共にな(頷くと自らは席を立って外へ足を向ける。雑貨屋に用があるらしい)

ピアチェーレ : (ひら、と手を振ってマルコを見送る。それから……。)

ストゥルティ : 私も荷造りをしてくるよ。

ピアチェーレ : ストゥルティ。5秒間だけ時間をくれない?

ストゥルティ : ん、無論いいとも。

マルコ : 他所にうつつを抜かさずケルツェを幸せにしてやるのだぞ、ピア(一言だけ言って足早に出ていった)