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ホテル管理システム

ボクが若い頃は本当に不味いカレーライスを出すお店や冗談みたいなコーヒーを出すお店がまあまああった。大阪でウィンナーコーヒー頼んだら婆さんが赤いウィンナー入れたコーヒーを持って来てボケてるのか呆けてるのか分からず固まったがその後の様子を見る限りこれはマジやなと友達と笑った思い出がある。

今の世の中で不味いコーヒーや食べられないようなカレーを出す店は無くなっている。どのお店で食べても美味しいしイチャモンは聞く事があっても不満を聞く事は皆無だ。不味かったらそれが売りになるようなご時世だ。

この情報が溢れて技術が進化した世の中では不味いカレーやコーヒーを出すのは逆に難しいという事だ。

ウィンナーコーヒーにはウィンナーは入れないという事を皆知ってるんだ。

これがどういう事を意味するのかと言うと技術やテクニック等は必ず追い付いて来られるという事だ。

となるとそれを柱にしたり縋るような仕事では10年は持ったとしても20年、30年と持つ仕事とは言えないとボクは考える。

もちろん、追い付かれた時点で更に遠くへ行くという事は当たり前にやらなければいけないのだがそれは必ずたどり着く事ができるんだ。

ボクは出張で日本中のホテルに泊まるんだけどある時からホテルの様子が変わって来た。

ホテル管理システムの登場である。良く出来たシステムはとてもスムーズだがどこの子供が作ったんだというようなシステムを使っていると何故こんな無駄な手順を踏むんだろうかと理解に苦しむようなものもある。そういうとこは従業員さんも気付いていて一瞬で空気感がおかしくなるんだ。

そうは言っても管理システムが入っているホテルとそうでないホテルでの窓口は混雑度合いが違うし品川プリンスホテルなんかは入っていても並んでいる。
これは使うホテル側も今までの慣習等が捨てきれないという側面もあるのかなと思う。
ボクは疲れてたどり着いたホテルで並ぶのはゴメンだ。スムーズなチェックインでベットに倒れ込みたいだけでフロントに並ぶのを目的とはしていない。

時代の変化に応じて形を変えて行くという事はとても大事な事なのかも知れないし時代に呼応しないノスタルジックな姿勢を貫く事はもっと大事なのかも知れないが後者の場合はそれ相応の信念や理由が求められるのではないかと思う。

陣屋さんという旅館があって息子夫婦が継いだ時に負債10億というなかなかやらかした旅館だったんだけど若いご夫婦が旅館の一元管理システムを作り上げて一気に黒字転換したという話を聞いた。
歴史ある優雅な旅館だけど(だからこそ10億の負債が出来た)内情は全く分からなくなっていた。ただ、デカイだけというものでご夫婦はクラウドシステムで様々な問題を解決して行ったそうだ。
今ではこの旅館の収益の半分はこの陣屋コネクトという一元管理システムになっているそうだ。

ボクはこの点に着目している。

技術というものは必ず追い付かれる運命にある。
昔は海外の車なんかはどこで壊れるかわからないと言われていたが今ではそこまで差はない(たまに摩訶不思議な事はあるらしい)。

畜産の技術なんてのもそうだ。昨日まで正しかった事が今日は違うなんて当たり前にある。

話しは逸れたがボクは経営上の戦略として自分で全てやって全ての利益を我が手になんて事は考えておらず逆にこの分野に手を出してもそんなに儲からないですよという仕組みを作ろうと思っている。

旅館がクラウドシステムを販売しても良いんだ。ボクはお客さんに別の収益の柱を作れるように色々と考えている。

もちろんそれが我々を守る事にも繋がる。


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