スーパーマン


僕は小学生のころ、外出先のトイレでは大便をしたことがなかった、もし学校のトイレで個室を使おうものなら、ぜったいクラスメイトにからかわれ、次の日からあだ名はう○こちゃんだ!子供の世界では必ずそうなる。
だから大きい方は必ず家まで我慢する。
我慢の方法はマスターしていた。便意には波があり一定の周期でやってくる、その間は体の動きを止めて立ち止まり、足をクロスし、お尻には力を入れ、奴の出口を塞ぐ、しばらくすると波が引き、動けるようになる。それを繰り返す。
そうやってこれまで失敗したことはない。
その日もそのはずだった、
学校からの帰り道、突然ヤツはやってきた、公園も途中にあったが、もちろんそんなところのトイレは使いませんよ。今までの経験と自信がある。
公園から家まではまっすぐの一本道、ゴールはそう遠くない、僕は電柱毎に立ち止まり、サルの反省のポーズで電柱に手をつき、何度(本)も波をやり過ごす、あと何本…今日はなんだか周期が短いな…
すれ違う人はなぜあの子は電柱ごとにあんなポーズしてるんだろう?と不思議に思ったことだろう。
現代はいい、携帯がある、不思議な光景ではない、なんなら歩きスマホしなくて良い子だなぁと褒めらるだろう。
やばい、腹痛もやってきた、冷や汗も出てきた💦
あっあら?…ダメだ…もう一歩も動けない…ああぁやぁばぁーい!
次の瞬間、出ちゃいました💩我慢して抑えていた分、ちょいもれどころではなく、大きな波となり一気に…全部。
もう泣くしかなかった…あと少しで家だったのに…
そんなときに人影が!
こんな姿、他人に見られたら終わりだ、あだ名どころではない。
本物のう〇こマン確定。
終わった…と思った。
僕はう〇こマンだ。…が、
その人影は兄だった!
兄は僕の異変に気がついて、何も言わずに自分の着ていたジャンバーを脱ぎ、それを僕の腰に巻いた、見た目をわからないように隠して、一緒に家まで帰ってくれた。
おかげで誰に見つかることもなく、無事帰ることができた。
この時の兄は僕にとって
ほんとにスーパーマンだった。
この恥ずかしい思い出と共にめちゃくちゃカッコいいスーパーマンを僕はいつも思い出す。

恥ずかしい思い出は?のマロに投稿。