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スピカ

 寒い寒いクリスマスイヴの朝に、心をそっと揺さぶる、『あの人』について書かれているnoteを見つけて読んでしまったのは、私にとって偶然か必然か、どちらだったのでしょうか。

 2017年に推し棋士アカウントを作り、TLを読むだけで満足していました。将棋イベントに出向くことを思いつきもしなかったし、つい最近まで自分の事情で出かけることもできなかった私に『あの人』は「よろしければ」とイベント情報を共有してくれました。

 推しを推す熱量にも波があり、旧Twitterに書く文字でその波の高さがリアルに分かってしまうのがイヤになり、書き込むのを躊躇った時期もありました。それでも、『あの人』の両対局者への敬意と労り、喜びをきちんと文章にしたツイートを読むと、夜空に輝く一等星を見つけたような、安心した気持ちになりました。今でもクローバーと薔薇の蕾の絵文字を見ると、私はあの人を思い出します。

 スパッと消えるのではなく、コンコン、と繋がりのあった人へ静かにノックをして、挨拶をされていったのですね。

 今秋『あの人』が旧Twitterに現れなくなってしまうという予感に怯えていました。

 予感が現実になった時、あの人のことを書いたのだろうなと思われる、感謝の気持ちが書かれたツイートを読み、泣きました。声に出して泣くのではなく、気づいたら両目から涙の筋ができていました。

 泣きながらいいねをして、寂しくて、でもそれ以外に何もできませんでした。そして今朝、その胸に穴が空いてすーっと温度が下がるような感覚を思い出す、あの人へ向けて言葉が紡がれたnoteに出会いました。あぁ、読んだのがあの人でなくて私で本当にごめんね、と思いました。

 今日は華やかに将棋サントリーオールスター戦が行われました。推しは、人気投票で西の5位。解説者として真っ先に声がかかる位置だったのに、やはり(TLにも研修会幹事優先だろうねとの空気が流れていましたね)辞退されていて、なんというか推しらしいですよね。『あの人』はこのことをご存知かな? ご存知ないかな? 
 アベトナのトウカイテイオーチームの陶器作りで、推しが作ったボコボコぎみの陶器はご覧になったかな? なっていないかな? カフェなどでレモンの輪切りを見て、何か反応されたりしてるのかな? 推しが現在調子はイマイチっぽいけれど、A級昇級確率二位なのはご存知かな...?

 今夜はクリスマスイヴ。

 『あの人』が元気でいて、あたたかいお部屋で眠りについた後、「叶うならば、Xでまたお会いしたいです」と書いたメッセージカードを枕元にそっと置けたらいいのに、と思います。

 そして、それ以上に願うのは、『あの人』について書かれた素敵なツイートと 素敵なnoteが、1日でも早くあの人ご本人の目に届きますように、ということです。届くだろうと信じています。

 サンタさん、どうぞよろしくお願いします。

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