自分用、食料関連のトピック・価格推移・見通し(24/4/30)
こんにちは。桜の開花も過ぎ、新緑が美しい時期がやってまいりました。そして今はGW真っ只中、車の運転には十分注意してGWを楽しみましょう。
当記事では、今月に発表された情報を中心に取り上げています。
毎月のことながら、たけぞうさんの記事が一番分かりやすいです。
3月まとめ
世界食料価格動向
2024年3月の世界食料価格は平均118.3ポイントで、前月比1.3ポイント上昇したが、前年比では9.9ポイント低い水準。
穀物価格指標は110.8ポイントで、前月比2.6%下落、前年比20.0%低い。小麦価格は競争と供給過剰、そして中国による輸入小麦の受注キャンセルもあり3か月連続で下落、一方でメイズ価格は微増した。
コメ価格は世界輸入需要の低下により3月に1.7%下落した。
植物油価格指標は8.0%上昇し、パーム油と大豆の需要増加が原因。
砂糖価格は前月比5.4%下落し、インドとタイの収穫見込みの改善やブラジルの輸出好調が影響したが、ブラジルの干ばつと原油価格上昇が懸念材料となっている。
日本においては、輸入国麦が8割を占めていましたが、もともと国産小麦が高かった背景があるので輸入小麦を多く使っていました。それが最近では価格差がそこまで変わらなくなるくらい輸入小麦が高騰しています。
しかし、国産に変えるといっても、国産も国産で物流、エネルギー問題で原価の上昇も必至だと思います。特に小麦を多く消費する食べ物屋さんにとっては耳の痛い話です。
気候変動と食料価格について
最近の原料高は、中東情勢、特にスエズ運河関連のサプライチェーン、ロシアウクライナ情勢等の地政的リスクが引き起こしている側面もありますが、気候変動によって引き起こされているという点も忘れてはなりません。
この新しいアプローチによると、26年間で19%の所得減少が予測され、排出削減コストの6倍以上の経済被害が見込まれている。
予測される被害は主に平均気温の変化によるもので、低緯度地域が特に脆弱であるとされる。
温暖化の被害は累積された排出によるものであり、短期的な緩和策でも回避できないと予測されている。
別の研究では、気温上昇に加えて降雨や気温変動、異常気象の影響も評価され、経済損失は10%に達し、特に低緯度の貧困国で17%に上る可能性があるとされている。
地域特有のリスク評価と追加的な気候変数をモデルに組み込むことが、気候変動の影響を正確に理解するために必要であると示唆されている。
消費者物価指数
見通しに関しては下から。
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2404a.pdf
直近だとこんな記事も。
電気、ガス代の補助がなくなるので、その分生鮮食品を除く生鮮食品を除く物価指数の見通しも上方修正されました。
実質GDPは引き下げで0.8%。物価上昇の反面、経済成長のパワーは弱まると予想されています。
コアの見通しは現在と同水準が1年くらいは続くそうです。
それにしてもアメリカのCPIが下がりません。FOMCの利下げ判断が予想より後ズレしていますし。どのみち日本にできることはとりあえずアメリカの利下げを待つしかないと思いますが。
金利縮小の見通しが立たないとこの円安が投機的な動きを続けそうな気がします。
円高に行くとは思いますが、日本の赤字体質を考えると大幅な円高まではいかず、140円台に落ち着くんじゃないかと勝手に思ってます。
神田さんの笑み、面白かったです。5月に色々わかることでしょうが、介入っぽいですね。
注目トピック
最近身の回りのパン屋さんが閉店する、なんてことが多々あります。
コロナ禍→原料高→原価高は設備投資も必要なパン屋さんにとっては大きな痛手となったようです。特にパン屋さんは小規模経営が8割を超えるので、原価高がもろに負債につながってしまったようです。
農畜産業振興機構による2月末の食肉の国内在庫量は、前年同月比7・9%減の49万6904トンで、5カ月連続で前年を下回った。
牛肉の在庫は前年同月比16・7%減の12万9108トンで、6カ月連続の減少となり、22年4月以来の低水準になった。
米国の干ばつなどの影響で牛肉の生産が停滞し、現地生産者は対日輸出価格を引き上げており、日本の外食などは調達を抑制している。
豚肉の在庫は欧州産の輸入がスエズ運河の物流混乱や人件費上昇による現地価格の上昇で停滞し、18万7125トンで前年比10・5%減少。欧州産の在庫が減少しており、国内の卸値も上昇基調。
鶏肉の在庫は3・9%増の15万9005トンで、需要の拡大が見込まれるため、在庫を積み上げる動きが進んでいる。
小麦に続き、牛タン。
僕も大好きです。喜助さんの牛タンは何度か食べたことがあります。
社長室長の願い、年末に向けて届くといいですね。
喜助さん輸入牛タンを使用していますが、実は牛タンは国内産よりもメリットが多いという事実があったり。
詳しくは下のサイトから。
牛肉価格関連でこんなタイムリーな記事が。
牛肉が最もコスト負担が重く、牛丼で使われる牛肉は米国産バラ肉で、国内卸値は1キロあたり1180~1300円で、1991年以降で最も高騰している。
吉野家の牛丼1杯の牛肉量は57.3グラムで、卸値に換算すると67.674.5円。
松屋は51.3グラム(60.566.7円)、
すき家は76.3グラム(90~99.2円)。
1年間で輸入牛肉の卸値が5割上昇し、牛丼1杯あたりのコストは3社平均で25.6円上昇した。
白米は業務向けのコメを使用し、1杯あたりの卸値は3社平均で22.5円で、前年比で2.5円上昇している。
輸入タマネギの卸値は前年比で8%安く、使用量が少ないため原価への影響は限定的。
牛肉、コメ、タマネギの3食材のトータルコストで、牛丼1杯あたりの平均コストは96.9~104.3円で、1年間での値上がり率は中心値で38.4%に達している。
これはすごい値上がり率。早速各牛丼チェーンでは色々値上げしていますし、今後も上がっていきそう。
コスパ思考でいうなら、「えー結局スーパーの方安いやん」となりそうですが、一定の需要は取れそうですね。
しかし、逆にいえば、その一定需要が値引き後に購入するケースが増えてしまうと利益にはなりにくそうですね。加えて値引き価格も気になります。塩梅が難しそうです。とはいえ、食品ロス削減には必要ですから、これはいい流れになるか。今までのことを考えるとちょっと思うとこもありますが。
世界的なオレンジ果汁不足と価格高騰が背景にあり、主要輸入国のブラジルでの不作や自然災害が影響している。
財務省の貿易統計によると、輸入オレンジ果汁の価格は前年比69%高で、業務需要の増加と円安の影響も価格上昇に寄与している。
国内メーカーの一部は国産果汁を利用する方針に転換し、JA全農子会社の協同乳業は14年ぶりに国産果汁だけを使用した飲料「農協果汁」を復活させ、果樹産地の支援に取り組んでいる。
ただし、国内かんきつ産地の高齢化や生産基盤の弱体化が供給力の確保を難しくしており、課題が残る。
世界的な果汁不足と国内産地の供給も危ういようです。
先月取り上げたオリーブ、来月から本領発揮します。
海苔の不作。全体的に2割上昇しているそうです。
例年の50倍ですか。漁業の方からすると毎年一定量取れてほしいのが本音だと思いますが、ひとまず安心ですね。
これは10月からだそうです。しっかり利益を取りに行く動きに見えちゃったのは僕だけ?w
https://www.fujiya-peko.co.jp/assets/pdf/press20240417_2.pdf
コーヒー豆の国際相場の高騰と、円安が原因のようです。レギュラーコーヒーで20〜30%値上げですか。これも随分な値上げですが、カカオ価格はというと、
2営業日で最大-27%となりました。
先月、一時的な需給関係で高騰しているとアナウンスしましたが、投機的な動きが顕著ですね。今後も上下は続くと思いますが、西アフリカの病害次第ですね。
それぞれの食料価格推移と今後の見通し
農林水産省から月末に野菜の生育状況及び価格見通しについて発表がされます。
詳しくは下のリンクからサイトに飛んでみてください。
野菜
5月の主要野菜の生育、出荷価格の見通し
5月前半
・にんじん、きゅうり、トマト、ピーマン、里芋、が平年以上の価格
・馬鈴薯が平年以下の価格
5月後半
・はくさい、里芋が平年以上の価格
全体的に、3月が低温で推移したことにより生育が停滞し価格高騰が見られます。特にはくさいは先月もすごく高かった印象です。
はくさいは、茨城県さんが4月の気温高で生育が好調なので、5月前半は安くなるそうです。
5月も価格が上昇している野菜がありますが、3、4月に比べると出荷が安定するそうなので、価格も落ち着く見通しのようです。
加工食品
前月よりは低くなっている加工食品が多く見受けられます。
反対に、牛乳、豆腐が高くなっています。
食肉・鶏卵
こちらも前月よりは減少。それでも輸入牛肉は高いですね。国産牛肉の下落が目立ちます。
JACCネット「食鳥情勢食鳥情勢」
https://jaccnet.zennoh.or.jp/jyousei/chicken/
令和6年2月の生鮮肉消費は前年比で数量が4,200g(106.8%)、金額が6,455円(103.8%)ともに増加した。
鶏肉の消費量と金額は前年を上回り、単価は下がった。数量は1,584g(113.0%)、金額は1,605円(108.8%)、単価は101.3円/100g(前年比▲3.9円)。
調理食品の金額は12,048円(105.0%)、外食は13,631円(113.6%)となっており、外食はイベント開催の回復や外国人旅行客による需要増で回復傾向にある。
牛肉の購入量は前年を下回り、鶏肉・豚肉が増加したことから、消費者の節約志向から比較的安価な食肉への需要が高まっている可能性がある。
調理食品の需要は共働き世帯の増加や各社の値上げにより金額が増加している。
鶏卵の消費動向
令和6年3月の東京相場の月間平均は、Mサイズで211円(前年比△132円、前月比+21円)。
産地在庫は生産調整の影響で減少しており、量販筋では相場価格商品の発注数量が増加している。
小売価格統計によると、鶏卵の小売価格は高止まりの傾向が続いている。
問屋筋では小玉が中心となり、スポット取引も行われている。定期取引は花見需要もあり堅調。
加工筋では、玉子を使用したメニューの再開や量目の回復に時間を要しており、販売は軟調だが在庫消化は進んでいる。
東京相場は3月5日、26日、4月9日に上昇した。
今後、生産調整の復帰や鳥インフルエンザからの生産回復により供給が増加し、大型連休やインバウンド需要の増加により需要も伸びる見込み。
これらの状況から、今後の相場展開は保合もしくは強含みと予想される。
魚介類
えびが安くなっています。
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