Dream Unending - Song Of Salvation


「終わらない悪夢」ことDream Unendingの2ndアルバム『Song Of Salvation』は、前作同様にイーサリアル~アトモスフェリックなベールを描くシンセとピアノが織りなす幻夢を彷徨うかの如し音響空間の中で、よりポストロック的なアルペジオを駆使したミニマルなアプローチを強調しながら、それこそフィンランド産のSwallow the Sun的なフューネラリティ溢れるデス/ドゥーム・メタルを繰り広げている。

前作同様にアーサー・リザークをエンジニアとして迎えた本作においても、レジェンドギタリストことゲイリー・ムーアも安心の官能的なギターソロは建材で、イントロからAlcestの3rdアルバムを彷彿とさせるミニマルなアルペジオを以って、「果てしない夢」の入り口へと聞き手を誘う15分弱の大作で表題曲の#1”Song Of Salvation”を皮切りに、エレクトロに傾倒し始めた中期のUlverと結合させる事で、CynicやPortalの系譜にあるスピリチュアルなスポークンワードを正しくアップデイトさせる事に成功したジャズい#2”Secret Grief”、バンドのウリである今時珍しい泣きのギターソロが冴えわたるインストで組曲の#3”Murmur Of Voices”と#4”Unrequited”、前作同様に女性ボーカルのイーサリアリズムとリリシズムをフィーチャーした、俄然Swallow the Sun的な約16分に渡る長編の#5”Ecstatic Reign”まで、あいも変わらずデスメタルなのに睡眠導入剤として機能するドリーミーなサウンドは、一度ハマったら抜け出せない、その終わらない悪夢の無限ループに、まるで気分は「ループループして夢の中、丸くなっていく僕ら~」だ。


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