見出し画像

橙の泪が照らす明日

こんにちは、城島ジョージです。
今回は制作したイラスト作品について解説をさせてください!
noteで人物イラストを深掘りするのは初めてです。

今回の作品は『橙の泪』です。

橙の泪ができるまで

このイラストができたのは10月末。
当時「冬のかけら」展に展示するために制作した作品でした。

展示会指定カラーのオレンジを基調とした作品は、今まで機会がほとんどなく構成に随分悩みました。
「あえて寒々しい環境にオレンジを置くとどうなるのか?」
そんな好奇心が出てきてラフを制作してみました。

かなりざっくりラフですが、方向性は固まりました。

ちなみに自分は海を描くのが好きで、度々モチーフに登場させています。季節はカラッとした夏の青い海がほとんどです。

描くのも気分が上がって楽しいです。

雨の降らせ方も工夫を凝らしました。
どんな雨にしようか…雨にも色んな種類がありますよね。
真冬の海って凍えるほど寒いような印象ですけど、小雨が降ってると静けさが増すような気がします。風が止んでいて穏やかな印象になりますね。

あと、光に照らされた小雨って幻想的でとても好きです。車のヘッドライトとかに照らされると美しいですよね。それを思い出して、橙の灯りに照らされる雨を表現しました。

光の周りには照らされた小雨が。

聞こえるのは、傘で静かに弾ける雨の音。橙の灯りで優しく照らされています。
面白いアプローチで描けた作品は無事に完成し、冬のかけら展でも良い感想を沢山いただけて嬉しかったです。

おまけのボツラフ
こちらはやや元気なイメージが出ています。
本番は正面構図に変え、鑑賞者と向き合って世界観に引き込むようにしています。

清書したら明るく楽しい雰囲気になったかも?


今作はビジュアル的に自分の狙った意図どおりになり、気に入った作品になってました。しかし、絵全体のコンセプトというか、届けたい思いみたいなところがイマイチ消化できてませんでした。

展示中に「この子はどんなことを考えてるんだろう」と聞かれたことがありました。自分でも分からず「直接聞いてみたいね」という感じに答えてました。
正面から手を差し伸べている。どこかに連れていきたいのか。どうなのか。
もちろん鑑賞者が自由に受け取ってもらっていいんですけどね。

時間と体験が絵に意味を与えてくれた

絵が完成したのは昨年10月末。そこから展示までに期間があったことや、NFT紅白を開催するドタバタで、結局2023年内にちゃんとアナウンスすることができず終いでした。

その間にも、色んなことが起きました。
大好きだったミュージシャンが亡くなり、元旦には震災が起こり。
そして大切な祖母まで亡くなってしまいました。
自分の無力さを感じている時に、じっとこの絵を眺めていました。

自分で言うのも恥ずかしいんですけど、凄く救われた気持ちになったんです。今降っている雨は、きっと将来心の支えに変わる。そんな気がしました。女の子の差し出した手は、自分に向かって伸びていました。

作品の説明文も毎度大切にしているのですが、この時にようやく意味ある言葉を繋げることができました。

いつか流したあの泪が
橙の雨で降りてきて
すべてを温めてくれる日

手を伸ばして、明日へ進んでいきましょう。
この作品が誰かに響くことを心から願っています。


FND作品なので、bidされた方への作品も用意しています。

泪の終わり

橙の泪は明日を照らし、その雨には終わりが来ます。


作品を落札いただいた方には、キャンバスアートをプレゼントします。

国内発送に限ります。

皆様の目にこの作品が留まりますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?