Aマッソファンに天才ピアニストを紹介する
(Aマッソ以外の)好きな芸人さんについて語るシリーズを始めたい。
初回はちょうど10日後の単独ライブにAマッソをゲストで呼んでくれる天才ピアニストから。
Aマッソファンにとっては、THE W 2021決勝で競ってお互い準優勝になったライバル。ヤンタンを聴いてる人には、加納さんが妄想する「ますみクイズ」でおなじみだろう。
上沼恵美子さんのモノマネでも有名な奈良出身・ますみさんと、ネタ作り担当の京都出身・竹内知咲さんのコンビ。よしもと漫才劇場所属。
今年のTHE WでもAマッソと並んで優勝候補筆頭だろうし、近いうちに女性コンビがM-1かキングオブコントの決勝まで上がるとしたら、天才ピアニストが最有力だと僕は予想している。
それが何故か?というのを含めて、天才ピアニストの魅力について語ってみる(行きがかり上、Aマッソとの対比にもなるけど、Aマッソをdisってるわけではない…)。
賞レース優勝に的を絞っている
天才ピアニストは明確に劇場志向で、テレビにたくさん出たり冠番組を持つことには興味が無い。将来の夢は、劇場に出続けながらライブツアーで全国を巡り、美味しいものをたくさん食べながら生活すること。
それに必要なのが「売れる」ことであり、一気にファンを増やす近道として賞レースに狙いを定めている。THE W決勝見た人は、グループBの暫定席で勝ち残るたびにますみさんが「よっしゃー!」とガッツポーズしていたのを覚えているかもしれないが、それだけ優勝を目指しているから抑え切れなかった、ガチの反応なのだ。
活動の全てを単一の目標に向けてるから当然推進力は大きい。毎月の単独で漫才3本・コント3本の新ネタをおろすのも、明らかに賞レース向けのお試しを兼ねている。今年後半の大きな賞レースに向けたネタ作り・ネタ磨きを、怠ること無くずっと継続しているのだ。
漫才もコントもめきめき面白くなってる
今年NHK上方漫才コンテストで優勝して、関西ではあるが賞レースチャンピオンの称号を得た。ABCお笑いグランプリでもファイナリスト15組に残ったし、着実に成果を出し始めている。
劇場のバトルライブでも、4月に初めて1位を取るなど、波に乗っている。THE W決勝出場で知名度が上がってファンが増えただけでなく、腕も上げてるのは間違いない。
吉本は人気が出ると出番が増えて、腕を磨くことができ、賞レースで結果が出るという好循環が存在する。ミルクボーイや見取り図が年間信じられない回数の劇場出番をこなしてるのは有名だが、天才ピアニストもマンゲキ所属で、その人気者コースに乗りつつある。おそらく今年は300は固いのではないだろうか。圧倒的な舞台数はやはり吉本芸人の強みだ。
最近の漫才はあまりYoutubeに上がってないので、2年前の映像を持ってくるが、漫才はこの時より明らかに「うまく」なってる(偉そう)。単独ライブで見れば、きっとわかると思う。
コントありのNHK上方漫才コンテスト決勝も、ファーストステージは漫才で挑み、カベポスターやM-1ファイナリストのももを破ってファイナルに進出した。あとは「強い」ネタさえできれば、M-1準決勝までは見えてくると勝手に思っている。
しかしネタに定評があるのはコントのほうかも知れない。ベタな設定もできるが、社会人経験を活かした珍しい設定のコントが個人的には好きだ。
THE W 2021決勝ファーストステージで見せた「ドアの検査」をルミネの準決勝で見たときは衝撃を受けた(その時に天才ピアニストの存在を知った)。斬新な設定で、冒頭にネタばらしがあるのに、ますみさんのキャラと演技力を生かして尻すぼみにせず、ボケとツッコミを繰り返してずっと笑いを継続させられる強さがある。上の映像コントも同じだ。
NHK上方漫才コンテスト決勝のファイナルで見せた「浮気現場」のコントは発想がずば抜けて良く、会場の爆笑をかっさらっていたし、滝音を満票で破っての優勝も納得だった。今年のキングオブコントも準決勝までは間違いなくいくと(勝手に)思ってるが、ぜひ決勝まで勝ち進んで欲しい。
とにかくストイック
「天才」と冠してるのに完全に努力型の2人。
この面については、ぜひニューヨークとのコラボ動画を見て欲しい。ニューヨークが芸人を招く30分対談シリーズのノリで、今年4月のよしもと・伝説の一日の裏で生配信されたものだ。
ニューヨークの2人が驚愕するほど、自らを追い込むかのように連日出力を続ける天才ピアニスト。その一部だけでも、通常の劇場出番以外にこれだけやっている。
毎日Radiotalkラジオ更新(12分・約700本)
毎日Youtubeで看護師あるあるコント更新(約200本)
毎月単独(新ネタ漫才3本・コント3本)
単独の1週間前は毎日告知Youtube生配信(毎回1時間くらい)
この月は通常単独とは別に医療ネタ単独
2人とも教師・看護師としての社会人経験を積んでからNSCに入ってお笑い芸人になっているので、「お笑いをちゃんと仕事としてやっている」「芸人ダラダラ期を一度も経ていない」という特殊なコンビ。
ネタ合わせすらも業務と考えて、しっかり集中できるよう1日3回x2時間に分けて効率化。ネタがウケない→劇場出番が増えない→芸人仕事だけで生活できない→仕方なくバイト増やす→またネタが疎かになってウケない、という売れない芸人あるあるにハマった時期が一度も無く、ずっと上り調子できているのがすごい。
「コロナ禍で始めた毎日更新の辞め時がわからない…」と言いつつ、今年に入ってほぼ1日も完全オフの日が無いまま突っ走る天才ピアニスト。「2人ともがとんでもなく努力家で、50:50で頑張れるコンビって、男女問わず史上初じゃない??」と屋敷さんが驚くほど、吉本芸人でも異色の存在だ。
まだまだ面白くなるはず、それを見届けたい、という気持ちにさせてくれる。ニューヨークが「もうお前ら天下取れ」「どこまでも行ってくれ」「めちゃくちゃ応援するわ」と手放しでエールを送る天才ピアニスト。この動画を見たらきっとネタを見たくなる・応援したくなるはず。
トガリとは無縁
熱心なファンが付いてるトガリ芸人あるあるとして、「自分たちがやりたいネタ・ファンが喜ぶネタと、賞レースで審査員・一般ウケするネタが乖離してしまう」というのがある。
しかし天才ピアニストの目指すお笑いはいい意味でクセが無く、本人たちにとっても劇場でのウケや賞レースでの評価が全てなので、賞レース用のネタとの間で力が分散してしまうことは無さそうだ。
単独を見ていても、新ネタはほぼ全てが賞レースにそのまま出せる4分ネタがベースになっている。例外は権利関係や評価が厳しそうな歌ネタ漫才くらいだろうか(でもますみさんが歌うまなのでとても良い)。
東京でのライブ出番を見ていても、天才ピアニストのファンは男女両方いて、年齢層もかなり広いと感じた。それだけ一般ウケする王道ネタをやっている証拠だし、あとは知名度さえ上がれば一気にファンを獲得できるポテンシャルがあるということだ。
めちゃくちゃ仲良し
ラジオ「深夜おでん」を聴いていると、「好きなコンビニの食べ物」など何でもない話題でずっと喋っていられる仲の良さが感じられる。2人ともお酒好きだが、他の芸人とは一定の距離を保ってるので、仕事終わりに飲みに行くのももっぱら2人きり、というのも結構レアな関係性だろう。
先にますみさんが上沼恵美子モノマネで売れてテレビに呼ばれることが増えても、竹内さんはそれに嫉妬することも焦ることもなく、ネタ作りに専念してきた。役割分担もしっかりできている。
「男性コンビは仲悪い人たちもいるけど、女性コンビは仲が悪くなると続けられず解散してしまう」というのはよく言われるが、天才ピアニストにその心配は無さそうだし、ファンとしても応援し甲斐がある。
最後に宣伝
Aマッソがゲスト出演する8/10の単独ライブ「おしゃれしゃれしゃれ8月号」は会場即完・配信販売中。そこで天才ピアニストにハマったら、9月の単独は東京・新宿紀伊国屋サザンシアターで開催なので、関東人はぜひそっちにも足を運んで欲しい。
Disclaimer: 賞レース以外も欲張りにやって、新しい漫才・コントを作り続けて、ドMな加納さんと緩いあいぴーのペアで、尖ってて、仲良しなAマッソも大好きですよ。
おまけ:東京単独のオープニングムービーが可愛すぎた。
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