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満洲 ~ 日本が13年で作った重工業国家

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わずか13年で満洲を重工業国家に発展させた偉業の記憶は、いずれ日本の大切な財産となる。
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#中国_中華民国時代

JOG(589) ラスト・エンペラーと「偽」満洲国

 日本は最後の清国皇帝を傀儡として、「偽」満洲国をでっちあげたのか? ■1.最後の皇帝の東京裁判での証言■  清国の最後の皇帝であり、後に満洲国皇帝となった愛新覚 羅 溥儀(あいしんかくら ふぎ)は、東京裁判にソ連側の証 人として召喚され、「満洲国においては自分は日本軍閥の傀 儡(かいらい)に過ぎなかった」と答弁した。  当時、溥儀はソ連に拘留されており、日本が満洲を侵略した とするソ連の望むとおりの証言をしたのである。  満洲事変当時、溥儀が陸相・南次郎に宛てた親書

JOG(239) 満洲 ~ 幻の先進工業国家

 傀儡国家、偽満洲国などと罵倒される満洲国に年間百万人以上の中国人がなだれ込んだ理由は? ■1.もう一つのアメリカ合衆国■  敗戦後、満洲から引き揚げてきた少女が祖国にたどり着いて、 母親に真っ先に訊ねた。「ねえ、日本の夕陽はどうして小さい の?」 大草原の彼方に沈んでいく赤い大きな夕陽は、日本に はない光景であった。  その赤い夕陽に染まりながら、1万2千キロメートルも伸び る鉄道線路があった。「南満洲鉄道株式会社」、通称「満鉄」 である。満鉄の開発した超特急「あじあ