見出し画像

展示物の科学キャプション(執筆)

江東区有明のパナソニックセンター内に今年オープンした「アケルエ」というサイエンスミュージアムで、展示物の科学的な説明キャプションを制作しました。

画像1

冒頭でサイエンスミュージアムと書きましたが、公式サイトは次のように書いています。

「ひらめき」をカタチにするミュージアム。AkeruE(アケルエ)は 観る、つくる、伝える体験を通してクリエイティブな力を育む場です。

そのコンセプトの通り、館内にさわって動かせる展示物、工作室、映像制作室といった、見るだけじゃなく手を動かす内容が中心です。また、来場者にアイデアを書かせるなどアウトプット促進にも力を入れています。

なので、ふつうの科学館とは趣きが異なるのですが、展示されているアート作品の多くは、制作したアーティストによる紹介文と、科学的な観点からその仕掛けや解釈した解説文も載せているので、科学的なカラーも強い。そんな感じのミュージアムです。

画像2

画像3

たとえば、ふわふわと物が浮かぶアート(floatio)があると、そのすぐそばに、アートを形作っている科学的な要素を取り出したサブ展示があります。この場合は、空気の流れがものを吸いよせる「コアンダ効果」と、エアーマシンそのものを構成する「アクチュエーター」について。

画像4

画像5

これらの展示物には、それぞれ不思議な点に注目し、投げかけるような短文がついています。で、そこにあるQRコードへスマホなどでアクセスすると、ウェブ上のくわしい解説を読めるという仕組みです。自分は、この解説文と、必要な挿絵の原案およびイラスト指示などを作成しました。

キャプション

これは、とても良いアイデアだと思いました。

リンク先に説明を預けてしまうから、展示物のキャプションは短くてスッキリ。展示物の空間が、やたら長い文章群に汚されないことは、けっこう大切だと思います。アートなら、なおのこと。

一方で「展示の詳しい説明のためにスマホ出してQRを使うかな?」って疑問もあるでしょう。でも、そういう人はたぶん、パネルで出しても長い説明はほぼ読まない、という判断で正解だろうと思うのです。

ウェブに飛ばすおかげで、図もアニメーション付きで説明できたり、文章量もある程度は柔軟です。いろいろメリットのある形かと思います。

画像7

画像8

画像9

画像10

画像11

画像12

同じ場所にあった「りすーぴあ」もすてきなミュージアムでしたが、そこからアケルエはしっかり現代流にアップデートされたと思います。世界的な感染症の影響がもろに出ている状況下のオープンになったので、いろいろと運営側の方達は大変だろうと思いますが、楽しい仕事をいただけて感謝です。

いいなと思ったら応援しよう!