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 宵闇の迫る街      

 公園の先端から右側奥に進んで行くと、人影も少なくなり、やはり、体を休められるベンチが複数あった。目の前は荒川と東京湾の河口である。風が良く通り本当に涼しい。 

 辺りはすっかり暗くなっていたが公園の街頭が明るく辺りを照してくれていた。                    
 公園を背にし、葛西臨海公園駅から京葉線に乗り終点駅の東京駅で横須賀線に乗り換えて横浜駅に向かい、帰路につくことにした。           
 久しぶりに歩いたので、疲れていたので横須賀線のグリーン車に乗って帰ることにした。売店で缶ビール数本とツマミを買った。帰宅の時間帯を大分過ぎていたので、遅くなった車内は乗客もまばらで寛ぐことができた。       
 喉が乾いていたので一本目のビールを一気に飲み干した。空きっ腹だったので目眩がする位、冷えたビールは体の中に沁み渡たった。そして程よい酔いが直ぐに全身に回った。二本目の缶ビールを開けて、ツマミを口にした。 
 窓の外は暗闇だった、闇の中を走る列車の中から、今日あった不思議な出来事を思い起こして見た。


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