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「2番目」に好きな映画の話

「心がザワザワして、落ち着かない。」

そんな時、定期的に見返す映画がある。それは「グッド・ウィル・ハンティング」

名作中の名作で、映画好きからしたら「定番」かもしれないけど。僕にとっては大事な作品で、立ち返る場所としてかけがえのないものだ。

世界中から愛される人

きっかけは2014年のロビン・ウイリアムズの死。驚くほど多くの海外メディアが彼の死を報じ、世界中が彼の死を悲しんだ。彼の人柄、俳優としての演技はもちろんのこと、彼の出演作品がこの世界に与えた影響の大きさを物語っていた。

中でも、「グッド・ウィル・ハンティング」に言及する内容が目立った、もともと、マット・デイモンが大好きだったから自然と興味が惹かれた。

「グッド・ウィル・ハンティング」のあらすじはこうだ。

天才並みの頭脳を持ちながら、幼児期のトラウマが原因で周囲に心を閉ざし非行に走る青年と、妻に先立たれ人生を見失った精神分析医との心の交流を描いた感動作。本作で脚本家デビューを飾ったマット・デイモンとベン・アフレックが見事にアカデミー脚本賞を獲得したことで話題に。また、孤独な精神分析医を演じたロビン・ウィリアムズも助演男優賞を獲得している。監督は「ドラッグストア・カウボーイ」の鬼才ガス・バン・サント。

あらすじだけを見るとこの作品は、よくある天才少年のサクセスストーリーかもしれない。けれど、僕はこの作品は人生にとって大切なことを教えてくれる教科書だと思っている。

孤独、愛、旅立ち。

この作品で描写されるように、人はそれぞれ生まれ育った環境が違う。簡単には誰かに話したくない過去がある。その過去を抱えながら、今を生きている。

また、今ある環境が心地よくて「本当の自分」に蓋をしてしまう。

これは、作品の中だけの話では決してない。

この作品の素晴らしさは、この誰しもがありえる可能性や事実に「問い」を投げかけてくれることだと思っている。

しかも、押しつけではなく、愛と優しさ、人間味をもってして。

「君から学ぶことは何もない。君の言うことは全部本に書いてあるんだ。」

中でも、大好きなシーンがある。晴れた日の公園で、ショーン(ロビン・ウィリアムズ)がウィル(マット・デイモン)へのカウンセリングを行うシーン。記憶力抜群なウィルが、どんな質問にも本の引用を用いて反論することについてショーンがかけた言葉。

「君から学ぶことは何もない。君の言うことは全部本に書いてあるんだ。」

2人は、恵まれない環境で育ったこと。普通の人が持っているはずの大切な「愛」を人生の大事なポイントで失ったということに関して共感できる部分が多かれ少なかれあった。

それを誰かの言葉ではなく、自分の言葉で話ししてほしい。時間はかかるかもしれないけれど。

そんな風に捉えることができる、やりとりだった。

小さい頃から、少し人とは違う人生を歩んできた自分にとって周りの友達や、両親に自分の考えを理解されず、孤独を感じることもあった。この言葉は胸に刺さった。

ちょうど、TABILABOで働き始めて、たくさんの大人と出会い、自分の生きる意味や「つながり」を感じていたからこそ染みたのかもしれない。

最後のセラピーでショーンがウィルに「君は悪くないんだ」と投げかけ続け、号泣するウィルを抱きしめるシーンも感慨深かった。

世間が「羨ましい」と思うことより、自分が胸を張って「最高だ」と思えること

もう一個、大好きなシーンがある。それはラストのシーン。

セラピーも終わり、就職先が決まったはずのウィルが内定を蹴り、カリフォルニアに車で向かうシーン。

セラピーを通じて「本当の自分」「本当に大事なもの」に向き合うことができるようになったウィルが選んだのは、仕事よりも「愛(彼女)」だった。

それは、ショーンと同じように。

ショーンは、伝説の一戦(シーン)と呼ばれるメジャーリーグの試合をその場で味わうことよりも大切な人と球場の外でお酒を飲みながら、観戦することを選んだ。そして、そのことは後悔するどころか誇らしいと思っているように。

2人は、世間が「羨ましい」と思うもの(伝説の試合の観戦チケットや大企業への就職)よりも、自分の中「最高だ」と思えるもの(好きな人と過ごす時間)を自分の選択で選んだのだ。

ああ、もう思い出すだけで泣ける...

「グッド・ウィル・ハンティング」で言うと、それ以外に、親友がウィルの旅立ちを後押ししたり、そもそもウィルの才能を見抜いて支え続けた教授の存在があったり、マット・デイモンが何度も映画を失敗したとかあげたらきりがないほどいいシーンやエピソードがたくさんある。

見れば、見るほど心に深く刺さるし考えさせられる。

そしてなにより、今の自分と向き合うきっかけをくれる。

制作費がうん十億とか、原作がどう。誰々が出ている。なんて見るキッカケにはなるかもしれないけれど、見た後は一切関係ない。

こういう「問い」をくれて、人間らしさを思い出させてくれる作品が僕は大好きだ。

グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち - 予告編
https://www.youtube.com/watch?v=r7r8Kt1NykI



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