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「1兆ドルコーチ」を読んで

今年の最後に素晴らしい本に出会った。

「愛」はビジネスに必要だ。と気づいても、恥ずかしがったり、これまでの常識に縛られ、なかなか声を大にして言えない経営者やリーダーも多い中で彼(ビル・キャンベル)はそれを圧倒的な結果で証明した。

「個の時代」、「会社で働く意味」が問われるこの時代に、愛とチームの重要性を教えてくれるこの本は、この時代に生きるリーダーに大事な一冊になるに違いない。

アメフトのコーチ出身でありながら、優秀なプロ経営者。ジョブズの師であると同時に、グーグル創業者たちを育て上げ、アマゾンのベゾスを苦境から救った伝説の存在。  1兆ドルコーチ――シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え-

以下抜粋

すぐれたマネージャでいるためには、すぐれたコーチでいる必要があることを本書『 1億ドルコーチ 』は明らかにしている。人は高みに上れば上るほど、自分が成功するために他人を成功させることがますます必要になる。
ーーそしてそれを助けるのがコーチなのだ。
有能なマネジャーやリーダーになるためには、有能なコーチにならなければならない。コーチングはもはや特殊技能ではない。有能なコーチでなければ、有能なマネジャーではいられないのだ。
どうやって部下をやる気にさせ、与えられた環境で成功させるか?独裁者になっても仕方がない。ああしろこうしろと指図するんじゃない。同じ部屋で一緒に過ごして、自分は大事にされていると、部下に実感させろ。耳を傾け、注意を払え。それが最高のマネジャーのすることだ。
マネジャーは「支援」「敬意」「信頼」を通じて、その環境を生み出すべきだ。「支援」とは、彼らが成功するために必要なツールや情報、トレーニング、コーチングを提供することだ。彼らのスキルを開発するために努力し続けることだ。すぐれたマネジャーは彼らが実力を発揮し、成長できるよう手助けをする。「敬意」とは、一人ひとりのキャリア目標を理解し、彼らの選択を尊重することだ。会社のニーズに沿う方法で、彼らがキャリア目標を達成できるよう手助けをする。「信頼」とは、彼らに自由に仕事に取り組ませ、決定を下させることだ。彼らが成功を望んでいることを理解し、必ず成功できると信じることだ。
すぐれたコーチは選手をどうやってよくするかを、夜も眠らずに考える。選手がもっと力を出せるような環境をつくることに喜びを感じる。コーチというものは、絵に的確に筆を入れようとする画家に似ている。コーチが描くのは人間関係だ。ふつうの人は、他人をよくする方法を考えるのに時間をかけたりしない。だが、コーチはそれをやる。それが、ビル・キャンベルのやったことだ。分野はちがっても、いつも同じことを彼はやっていた
あらゆるマネジャーの最優先課題は、部下のしあわせと成功だ。
「1on1を正しくやる」と「スタッフミーティングを正しくやる」が、彼のマネジメントの最重要原則の筆頭にあった。この二つのミーティングは、幹部が会社運営に利用できる最重要ツールで、それぞれを思慮深く行う必要があると、ビルは考えていた。
重要な問題のほとんどは複数の部門に関わる問題だし、なにより全員が一堂に会して、ほかのチームで何が起こっているかを理解し、集団でそれを議論することによって、共通認識ができあがり、部署の垣根を越えた協力関係が生まれる。また、1on1で解決できそうな問題であっても、スタッフミーティングでそれを話し合えば、協力し合いながら難題に取り組む練習をチームにさせることができる。
議論すべき「トップ5」を挙げよ1on1は、部下が実力を発揮し、成長できるよう手助けできる最良の手段だ。そこで話し合うことはじっくりと考え、時間をかけて準備せよ。
ビルは4つの資質を人に求めた。まずは「知性」。これは勉強ができるということではない。さまざまな分野の話を取り入れ、それらをつなげる能力を持っていることだ。ビルはこれを「遠い類推」と呼んだ。そして「勤勉」であること。「誠実」であること。そして最後に、あの定義のむずかしい資質、「グリット」を持っていること。打ちのめされても立ち上がり、再びトライする情熱と根気強さだ。
「人を大切にするには、人に関心を持たなくてはならない。」
「どんな人にも、人間として大切にしているものがあることを、ビルは理解していた。愛、家族、お金、注目、力、意味、目的など。これらはどんなビジネスシーンにも関わる要因だ。すぐれたチームをつくるには、こうした人間的なものごとの価値を理解し、注意を払う必要がある。」
「恵まれていたなら、恵みになれ。」

まとめ

・すぐれたマネージャーはすぐれたコーチである必要がある
・マネージャーは肩書きがつくる。リーダーは人がつくる
・マネージャーの仕事は「決着」をつけること
・資料は絶対に「先」に共有する。必要あれば大人数の会議の前に個別に話をする
・「第一原理」で人を導く。迷ったときには「第一原理」に立ち戻る
・「心理的安全性」が潜在能力を引き出す
・コーチングは、コーチャブルな人(正直さ、謙虚さ、諦めずに努力を厭わない姿勢、つねに学ぼうとする意欲を持ち合わせる人)にしかできない
・全員が「チーム・ファースト」になる
・問題そのものより、チームに取り組む
・「人間的な価値」が成功につながる

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