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全ての家事工数を1まで減らせ!汚部屋脱出マニュアル

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借金玉


 「家事がダメ」なみなさん、今日も部屋の中は乱雑に散らかり放題、床は見えずどこから片付けていいかもわからないという状態を生きているみなさんのためにこの文章を贈ります。僕もかつては部屋は常にそんな状態でした。家事というのは一つ一つは大したことでなくても、積みあがるとどんどんやる気が起きなくなってくるものです。

 しかし、この「家事に手がつけられない」というのを「やる気がない」という精神的問題だけで片付けられるかというと、実際のところそうではありません。家事というのは普段からやらない人や苦手な人にとって、そうではない人より「本当に」大変なのです。

 この問題について一番わかりやすいのは「掃除機」をかけるときでしょう。普段から部屋が片付いている人にとって、掃除機をかける作業というのは、掃除機をコンセントにつないでズゴー、工数僅か1です。以前のコラムでも書かせていただきましたが、「掃除機くらい2分でかけられるでしょう」という人と、「掃除機をかけられない、部屋が埃まみれだ」という人の違いはここから現れるのです。

 床にあるものをどかし、整理してスペースを作り、部屋の隅に溜まった小物類を全部一度片づけて…とやるとたかが「掃除機をかける」ための家事工数は無限大に近く跳ね上がります。足元のタコ足配線も整理したいし、雑多に散らばった物々には定位置を作りたい。やるべきことがどんどん積み上がり、どこから手をつけていいかわからなくなる。これが、家事工数の積み上がり状態です。こんな状態を「やる気」とか「根性」とかでなんとかできるわけがありません。出来ないです。無理。

 しかし、この考え方を導入することで家事に関しては一つの結論が出てきます。「全ての家事工数を1に抑えればいい」ということです。先だって、「食器洗浄機は家事工数を無理やり1に圧縮してくれる最高のツール」というお話をしましたが、今回はその考え方を家事全般に広げていきましょう。要するに、これをやれば汚部屋から脱出出来るそういうマニュアルになります。


クソデカいカゴを2個持って来い!

 明日のためにその1です。部屋の掃除とか片付けとかの前に、まずはこれをやらなきゃ話にならない。そもそもあなたの床にもテーブルの上にもスペースなんて存在しないですよね。これは、前回の食器が積みあがったシンクで洗い物をするのは超大変という前回の話と同様です。掃除や片付けというのは、「掃除や整理をするためのスペースを作る」ことからしか始まりません。しかし、チマチマモノを拾って仕分けて…とやるとどんどん工数は積みあがってしまいます。ここはもう、一つに圧縮しましょう。そこでデカいカゴです。ランドリーバスケットとかそういうのがいいですね。

 カゴ1には「捨てる」もの。カゴ2には「とりあえずどこに収納するか思いつかない」ものを。部屋にあるあらゆるものをこの二つにガンガン仕分けていきましょう。半分使った綿棒?捨てろ!ビミョーに線がかすれるボールペン?捨てろ!言うまでもなく、ウェイトは「捨てる」方に傾けることが大事です。しかし、部屋を破滅させてしまうみなさんにありがちなこととして、「捨てる」決断というのは難しいですよね。

そこでカゴ2が仕事をします。あなたが所有していい「どこに置いていいかわからないもの」はこのカゴ1つが上限です。このカゴを僕は「本質ボックス」と呼んでいます。「定位置が決まっていないもの」が本質的には汚部屋の原因なのです。そして、「物を1個ずつ収納場所を決めていく」というのは非常に工数の多い作業です。「あれを収納するためにここを整理しよう」みたいなことになると破滅はもう目の前。「カゴに突っ込む」の1工数まで圧縮することが何より重要です。

 よし、これで床が見えて来たな?じゃあ次に行くぞ!


ゴミトラックを呼べ!

 さて、ここまで進むと捨てたいゴミがたくさん出て来ると思います。ここで、「粗大ごみのシールを買って」「分別して…」などということをやると、あなたは終わってしまいます。しかし安心してください、世の中には「乗せ放題トラック」という概念があります。ちょっとググると出て来るんですが、2トントラック乗せ放題で25000円~くらいです。実は使ってない座椅子だとか、実は気に入ってないテーブルとかこの機会にガンガン捨てちゃいましょう。ここで無駄な工数を使うとあなたは破滅します。

 あらゆる問題解決は空間の確保から、何度も言いますがこれは鉄則です。スペースがなければあらゆる作業の工数はどんどん上がっていきます。「本当に捨てたらやばいもの」というのは世の中にあまり存在しません。パスポートだって紛失しても再発行できるんですから、当然のことです。まぁ、僕は自分の会社の決算書をうっかり捨ててしまってすごいことになったりもしましたが、そういうものは稀です。そんなリスクより快適な生活を優先しましょう。机の引き出しに入ってるなんだかわからないそれを捨てろ。余談ですが、「紛失するとマジでめんどくさいもの」に、「インターネット回線の契約書」などがあります。こういうものはスキャナで取り込んでスマホとかグーグルドライブにぶちこんでおくとかがいいですね。

 はい、ゴミトラックが来ました。あなたの家にはスペースが出来ました。カゴ1もドナドナされていき、高い金を払うんだから少しでも多く乗せようというあの気持ちで部屋の中の風通しもよくなったと思います。基本的に汚部屋解決メソッドはこれしかないと僕は考えています。収納アイテムを買うとか毎日コツコツ頑張るとかそんなものは何の効き目もありません。「工数」という考え方を採用すればそれは容易に理解できるはずです。なお、乗せ放題トラックを呼ぶとわかりますが、ゴミにおける「収納グッズ」の比率は非常に高いです。収納グッズがゴミを生んでいる…。


恒常性を維持するための仕組み、ルンバの飼育スペース

 家事というのは「やったらそれで終わる」ものではありません。それはどちらかというと、ホメオスタシスの問題です。人間の身体は常に正常な状態を維持しようとする仕組みが搭載されています。温度が上がれば汗が出るし、新陳代謝で皮膚も新しくなります。この機能が残念ながらあなたの部屋には搭載されていません。

 「たまにあの宇宙からあの力がやってきて、突然覚醒したかのように部屋を完璧に片づけることはある。しかし、その状態を全く維持出来ない」という方、いっぱいいると思います。みなさんは部屋の恒常性のための仕組み、家事工数を削減するための工夫が出来ていないのです。いわば、家事というものが点にとどまっており線になっていない。

 ここまでやれば、あなたの部屋には「置き場が定まっていないもの」は基本的に存在しなくなっているはずです。基本的にそういうものはカゴ2に収まっているでしょう。そうするとどうなるかというと、ルンバの飼育が可能になります。ロボット掃除機の最も優れた点は、「勝手に掃除をしてくれる」ことではなく、「ロボット掃除機の放し飼いが可能な家を維持するモチベ―ションを作ってくれる」ことにあります。前回の食洗機ノウハウと合わせて、ここまで到達すればあなたの部屋は恒常性を獲得することが出来ます。

 「部屋を片付けなきゃ…」と思うこと2年みたいなみなさん、是非このノウハウを試してみてください。部屋が片付かないのは意思の問題ではないのです。あなたの部屋の掃除は本当に大変なのです。しかし、ルンバと食洗機の導入までたどり着けばその「大変さ」は一気に減ります。思い立ったらパっと掃除出来る部屋を、手に入れましょう。

\ すぽんさーど /

カジタン01

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