ロシアによるウクライナ侵攻から考える戦争と平和

連日にわたって報道されているロシアによるウクライナへの軍事侵攻。今現在この記事を書いている時点(2022.3.8 AM11:00過ぎ)でも何ら解決しておらず,ロシアは隣国,ウクライナは隣国の隣国で近いとは言えどやっぱり遠く離れた空の下では多くの人が大好きな家族と別れを惜しみつつも祖国を離れて避難を急いだり亡くなっている。ほんの一瞬でさっきまで続いていた平穏が崩れるというのは経験したことがないので想像でしか語れないが,ゾッとすることが現実で起きている。
私には政治的なことや歴史的背景は詳しく分からないが,これだけ世界各地で騒がれていることだし,政治学は大学のときに齧ったこともある。そして多少は関心を持って報道を見聞きしている。普段なら自分の思想をこんな不特定多数の方が閲覧出来るような形では語らないけど,呑気に「スーツ×眼鏡×アンニュイでインテリな雰囲気漂う年上男性って何か萌えるよね~♪」なんて言っていられないだろう。そういうのは機会があれば宵が深まった時間帯に語らせてもらえれば良いので……。

さて,日本が経験した戦争といえば第二次世界大戦が真っ先に思い浮かぶ(※一応京都人だけど“先の戦争=応仁の乱”とは答えたことがない。これは一種の冗談だから)。ただ今年で漸く30年しか生きていない人間なので,歴史の教科書や夏によく流れている報道特集で学んだレベルの知識しか知らないでいる。中学校の修学旅行で沖縄に行ってガマ(いわゆる防空壕)に入ったりや沖縄戦について勉強したけど,色々訳あって細やかなことを思い出せずにいるし……。きっと今行ったらまた違って捉えれるんだろうけど。
幸いにしてなのかどうかは分からないが我が家系はずっと京都に住んでいるらしい。だからなのか祖父が戦時中の話をしてくれたときも“物が今みたいに溢れていなくて苦しかった”といった感じで具体的なことは聞けていない。まっ,祖父も当時はまだ幼い子供だったから直接的なことは記憶にないというのもあるかもしれないが。

そんなこんなで物心ついて恐らく初めてリアルタイムで世界での戦争を見ている。あ,私が生まれてからの大きな戦争ならイラク戦争があるか。でも当時は小学生で自分の半径3m以内の出来事しか考えていなかったのでノーカウントで良いだろう。そんな人間が今のロシアとウクライナの情勢を見て思うこと。戦争はしてはいけない人を殺してはいけない。これは大前提。多くの人が犠牲になる悲しい出来事だから。ただそれ以外にちょっとだけ大人になって冷静に考えると,国や民族同士で争いが起きるときって双方の“信念”がぶつかっている気がする。今回の場合はウクライナがEUやNATOに加盟するとロシアとしては西側諸国の敵がすぐそこにいる形になり,自国が危険にさらされるからそれを避けたいという信念。一方のウクライナはそんなロシアに対抗し,自国の政治に干渉されないようにしたい・自国の領土を守りたい・クリミアを取り戻したい。どちらも自国のことを思って故の考えなんだろう。もちろん一方的に攻撃を仕掛けたロシアは世界的に批判されて当然だと思う。ただ,この戦争に対して第三国の人間が知った顔して「ウクライナ人は国外退避した方が良い」とか「プーチンが勝手にけしかけた戦争だから彼の身柄が拘束されたり,彼が死んだら直に解決する」だとか言って良いのだろうか? そんな他人事・綺麗事なんて今まさに爆弾が降ってくる街で怯えながら過ごしている人達に言い聞かせられるのか? そんなの「もう少しの辛抱だよ」みたいな何の根拠もない戯言じゃないか。

それから今回の報道を見て「戦争も進化しているな」と感じた。今の世の中ネットやSNSが普及しているから情報統制が上手く出来ていない。ロシアは法律を作ってまでTVや新聞記事などで自国を悪者扱いするような報道を海外メディアも含めて規制し始めているらしいけど,ちょっとばかしネット社会に詳しい人間がその気になればスマホやPC1つで海外のメディアでどのように報道されているか調べられるので効果は限定的だろう。逆にゼレンスキー大統領はfacebookを使って自身の国外逃亡を否定し,動画で最前線で指揮を執っていくことを訴えかけて自国民の愛国心に火を点けた。単純に前線で武器を持って戦うだけが戦争ではなく,ネットを駆使した情報戦略も重要な要素となってきている。

日本にも今回の戦争の影響はじわりと出ている。1つはロシアルーブルの価値が下落していることで投資家の人には大きなマイナス。次に天然ガスや小麦などの物価が上がるので確実に暮らしに打撃が出ている。それからロシアやウクライナの上空は飛行機が飛べないしね。余談だが私の父親が貿易関係の仕事をしているので,土日でも彼のスマホには仕事関係のメールがどっさり来たり電話の着信音が鳴り響いている。それだけ今回は仕事にも影響が出ているのだろう。対岸の火事ってわけにはいかないのだ。

じゃあ,具体的に自分には何が出来る? 別に資産家でも世の中に影響を及ぼすような発言力があるわけでもない一個人が出来ることなんてたかが知れている。でもこうやって報道を見ながら戦争と平和について考えることは出来る。そして考えたことを記事にして誰かに伝えることも出来る
(可能性は著しく低いだろうけど,万が一ロシアやベラルーシなどに目をつけられて削除するように言われたら表向きは素直に従ってこの記事は消すけどね。バックアップは残すけど)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?