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明星駅で明星チャルメラを食べよう!

鉄は熱いうちになんとやらとはよく言ったもんで、やっぱり直ぐ書かなきゃいけませんね。かれこれ半年以上も前のことなので、もう覚えていないんですよ。でもまぁ、よかったこともあって、こんな適当な前フリでも許されることですね。……許してくれますよね?

皆さんは〝明星〟と聞いて何を思い浮かべますか。舞妓さん? そう思いついた貴方とはお友達になれそうですね。面白いですよね、あのゲーム。それとも、芸能雑誌? こっちは詳しくないので何も言えませんね。すいません。でも、今回はそのどちらでもありません。近鉄山田線明星駅です。

近鉄山田線明星駅。調べていただければわかるんですが、この駅の周りには本当に何にもないんですよ。大抵の駅はそうだと思いますが、地域住民が使用する駅。まぁ、そんなんもんですよね。じゃぁ、なぜそんな明星駅を……?

明星チャルメララ♪

皆さんは誰の声で再生されましたか? 黒髪の美少女。そうですよね。最初の明星と言えば?でなんで挙げないんだと思われた方もいるでしょう。この茶番のためです。日本の即席ラーメンの代表格明星チャルメラ。いやー、こっちでしょ。普通。わかりますが、まだまだ茶番は続きます。

明星駅で明星チャルメラを食べようーー

件の黒髪の美少女がぼくの頭の中でこう言うわけです。なぜこんなどうでもいいことが頭に浮かんだのかは謎ですが、とにかく言うわけです。明星食品さんと明星駅には(多分)何の関係もないですが、思いついたらやらなくちゃで生きているので、早速最寄りのスーパーへと走りました。

しかし、チャルメラのカップ麺が売っていない。売っていないんです。袋麺しかない。スーパーを何軒ハシゴしても何処にも売っていない。スガキヤのカップ麺は売っているのに、チャルメラのカップ麺は売っていない。意味が分かりませんね。近場で一番大きなスーパーのインスタント麺コーナーでちょっぴり泣きました。

ブランドサイトを見れば、ある程度納得はできるんですが、チャルメラの主力は袋麺に移っているみたいなんです。流石に袋麺を外で食べるわけにはいきません。明星駅で明星チャルメラを食べようイベントを泣く泣く諦めました。これが学生の頃だったら、ネットでもなんでも使って買ったと思うんですが、もう歳なんですよ。やる気なんて全く出ない。気力も出ない。悲しいですね。言い訳を探していたんでしょうね。諦めちゃいました。

ぼくがスーパーのインスタント麺コーナーで涙してからおよそ半年。明星駅のことも忘れかけていた頃に思いがけないニュースが飛び込んできました。

カップ麺のリニューアル。これならスガキヤのカップ麺は売っているここらのスーパーも流石に取り扱うはずです。これはやれという神からのメッセージでしょう。迷惑な神様もいたもんだ。でも、やりたい気持ちはまだくすぶってはいるので、複雑な気分でスーパーへと車を走らせました。あった! ありました! 探し求めたチャルメラのカップ麺です。袋麺ではなく、正真正銘のカップ麺。これでものは揃いました。あとは明星駅に行くだけです。

正月休みのボケがまだ抜けない三連休最終日、魔法瓶にお湯を注いでいるぼくの姿がありました。正月休み?と思った方、これが歳を取るということです。退路は塞いだはずなのに、なんだかんだ言い訳をしてたら年が明けていたのです。学生の頃の(いらない)気力に溢れていた頃が懐かしいです。とても眠い。とても眠いのですが、思いついたらやらなくちゃの言葉が呪いのように頭に響いています。行かない訳にはいかないのです。

お伊勢参りに行く人も鉄球で有名な観光会社の広告ポスターもなくなった近鉄名古屋駅からスタートです。近鉄特急ならまだしも乗車したのは快速列車。乗る人も降りる人もなく淡々と進んでいきます。淡々としすぎて別に書くこともないんですよ。なら、何のために書いてるんだなってね。今ならそんな感じですが、何にも起きないと辛いもんですよ。やっぱり、行かなきゃよかったなとか、明日仕事なのになとか思っちゃって。

ちょっとナーバスな気分に浸っていると、終点との場内アナウンス。降りるとそこには「伊勢中川駅」の文字。あれ?となりました。伊勢中川駅で降ろされるの? 伊勢市駅まで行くやつじゃないの? 何にも調べていない自分が悪いんですが、近鉄と言えばお伊勢参りのイメージだったので、取り敢えず伊勢市駅まで行くもんだと思っていたんですね。特に何にも考えずに行くところは学生の頃と変わっていませんでした。そんなとろこだけ変わっていなくても……。

さて、伊勢中川駅で乗り換えかと電光掲示板を見ると、待ち時間30分。30分! こんな真冬に30分も待つのかと更にナーバスになりました。頭の中では思いついたらやらなくちゃよりも、明日は仕事なのにが強く渦巻いてきます。寒さを凌ごうと停車中の普通列車に乗り込むも真ん中のドアは開いているので、中でも寒い。冬季は半自動で育ったぼくは嘘だ……と。

寒い寒いと言っていても時は経ちます。遂に発車時刻となりました。カタコトとカタコトと明星駅に向かって普通列車は走っていきます。乗る人も降りる人もなく進んでいた快速列車とは違い、人はどんどん乗ってきます。部活に行くであろう学生が。学生生活を謳歌しているであろう彼彼女らを見ながら、ぼくは何をしているんだろ……とまたナーバスになりました。そうやって、自己嫌悪するのが好きなんですね。碌な大人ではない。

くだらないことを考えていると、遂に明星駅に辿り着きました。とても眠い。とても眠いと家を出てから、およそ3時間半後のことでした。思えば遠くへ来たもんだ。とは言え、目的は明星駅に来ることではありません。明星駅で明星チャルメラを食べることです。駅のベンチに座り、魔法瓶からお湯を注ぎます。3分後蓋を開けると、湯気とともに美味しそうな匂いが漂ってきます。このために、このためにわざわざ明星駅に来たんだと、否応なしにテンションが上ります。いざ、実食!

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明星検車区を見ながら食べる明星チャルメラは美味しかったです。明星チャルメラは明星駅で食べようが、家で食べようが変わらず美味しんです。当たり前ですね。食べ終わった後に何とも言えない虚無感が漂ってきたのは言うまでもありません。はぁ、何をやっているんだ、ぼくは。

二見興玉神社に足を伸ばし、彼女が欲しいです、幸せになりたいですと祈ってから帰路に着きました。

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