お父さんへ 〜大好きなお家〜

#家族の心のこり

数年前、私の父は天国へ旅立った。
胃がんで全身に転移し末期がんだった。
その後、在宅医療を少しかじった私の独り言。

父は幼い頃に両親が離婚し、お婆ちゃん(父の母)も40で亡くなり16からひとりぼっちだ。
東京でも働き福岡に帰ってから私の母と結婚した。
そして私が生まれるタイミングで
念願のマイホームを建てた。
しっかりした『家族』がなかった父は
誰よりも「家」が好きだった。
それはそれはとても大切にしていた。

私が大人になり船橋の会社から
福岡に転勤を言い渡されたタイミングで
父が末期がんだと言う知らせが入った。
私は運命だと思った。
高齢出産の子どもだった私は(両親は同い年)
いつか若い時にお別れが来るんだろうなと
学生時代から悟っていた。
人の死はタイミングなんて選べない。
急に事故で亡くなることもある。
そんな中、末期がんでおおよその時期が逆算でき
福岡に帰るタイミングなんて運命以外の何者でも無い。
父に恨みはないから死んでしまって後悔がないわけはないのだが、少しでも後悔したくないと柄にもなく誕生日プレゼントを買ったり犬もプレゼントして名前も頼んだ。
まもなくして父は亡くなった。
最後は病院で痛みを取ってもらって亡くなった。

仕事も休んで最期に立ち会えた。

私は転職し、たまたま在宅医療に携わった。
今の時代、家でたくさんの方が亡くなるのだと初めて知った。
私の心のこりは父を大好きだった家で見送れなかったことではない。
無知により選択肢を与えることが出来なかったことだ。
プレゼントでも犬でもない、選択肢を父に与えたかった。
ニュースになる時は日本の医療・介護は色々問題の時だけだが結構充実していて何でもできる。
これを機に私は正解・不正解、白・黒ではなく
選択肢を持つ人生を歩むよう心がけている。

最後にお父さんへ‥ありがとう。

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