2024/11/30

新譜の話②。

前回に引き続き。今回は曲解説みたいなことをしてみようと思います。セルフライナーノーツ的な、ネタばらし的な、忘備録的な。こういうのってリリース前に出すものなのか?とも思いますが、まあいいでしょう。いつ読んでもろても大丈夫ですので。


1. we will go

収録曲のなかでも2番目に新しい曲です。通称ウィルコ。タイトルは単なるシャレですが、福岡のYOUNDの曲名(「ぼくらはゆく(WE GO)」)をリスペクト&拝借もしてます。
エフェクターのサウンドチェックで押し入れに向かってギターを弾いていたら(我が家には押し入れにギターアンプがある)楽しくなって出来たイントロのアイデアから膨らませた曲です。ベースリフはまんまwilco(のピアノリフ)。そしてなぜか逃れられない変拍子。ギターソロはtelevisionから逃れたい+ the alfeeのタカミー的なヘンテコハーモニクスをやりたかったもののそんなんできないという足掻きです。
我々の最初期の曲に「さよならサンデイ」というのがあるんですが、それオマージュなテキトーな歌詞にしてやろう、と思ったら想定より意味が付いてしまいました。
総じてガラガラーッとした曲になってよかったです。
 

2. 迷子

2022年末〜2023年頭にかけて開催されていた美術展「GUTAI」にモロに影響を受けて作り始めた曲です。店をやっていた当時、あれこれ説明したり話せば話すほど泥沼、どんどん言い訳がましくなって残念な方向にしか行かないみたいな、それこそ迷子のような奴ら(常連のお客さん)がおりました。自分も含め。そういうつもりじゃないのに!という気持ちと、「GUTAI」のあえて説明や文字を省いてしまう思想、かつ表現が爆発的なエナジーを含んでしまうニュアンスを取りたかったのです。
結果的にわりと初期っぽい曲になりました。
ギターはループフレーズに拘りすぎてもうよくわかりません。サビのメロディが難しいです。なほちゃんがとてもがんばっています。レコーディングて大変苦戦しました。


3. ノーマル

「buffalo daughterとlittle creaturesみたいな曲作りたい」「珍しくマイナーコードから作ろかな」の2点から作った曲です。変なギターリフ、変なベースリフ、シンプルなドラムと、人生で初めてGarageBandでデモを作った曲でもあります。
歌詞は受験勉強のため毎日5時に起きて、それは置いといてバンクーバーオリンピック見ていたことと、生活のことしか言ってません。
淡々と進めるつもりが気がつけばボウイングしてました。mixで終盤を爆音にしてもらって大変楽しいです。なにがノーマルやねん。


4. しし座

元メンバーのまりいが店に久々に来てくれた時に聞いたエピソードがとても印象的で、その話を常連さんにしたら「それもう歌詞やん」と言われて作った曲です。当時の私はHomecomingsにバチハマりしており、かつ京都のゆ〜すほすてる的なショートチューンにしたかった、かつ大好きなThe Wisely Brothersの音数少ない感じを乗せたくて、で紆余曲折ありこの形に。ショートチューンは無理だったし、色々試していたらギターはもはやbloodthirsty butchersの「No Future」でしかなくなってしまいました。
我ながら自分のボーカルラインがキモいです。コーラスのいよちゃんががんばってくれています。
歌詞も気がつけば気持ちが乗りすぎてしまいました。仕方ない。大変好きな曲です。


5. ごあいさつ

やんぬ期最後の曲です。2022年春に祖母が亡くなり、その葬儀場での景色、春なのに暑い/かんかん照り/蝉鳴いてる、が印象的すぎて作りました。
当時LOOLOWNINGEN & THE FAR EAST IDIOTSやDCPRG、スーパーノアの『ぬくもりはたしかに』あたりに傾倒した結果ハチャメチャに頭を使ってアレンジを考えた記憶があります。ポリリズムやリズムの意図的なズレなどからしばらく抜けられなくなったきっかけの曲になりました。しばらく演奏しなかったらギター忘れそう、なにやってるのがよくわかりません。
店時代の建物のオーナー(ネパール人)がお客さんを見送る際「ごあんぜんに〜」とよく言っており、いい言葉やな〜と思い使っています。
妻である永尾蕗子の『月へ』という、挨拶をしてもらえない曲があるのですが(めちゃ好きな曲)、挨拶はしたほうがいい、と思いたくさん入れました。
大変思い入れのある曲になっています。


6. 渡り鳥はうちへ帰りました

タイトルの通りです。
2024年の3〜4月にあったこと、色々ありすぎたことをどうにか着地させるために作ったと、もはや言ってもいいくらいです。
これはバンドで最新曲、ライブで演奏する前にレコーディングした珍しい例です。家でデモ作るためにベース弾いてたら楽しくなってアレンジが膨らんでいきました。全編でピヨピヨ鳴ってるのはノイズマシンと化したアホなディレイです。
『忘れてしまうようなこと』収録の「遠い記憶」と同じかそれ以上に個人的な気持ちが強すぎますが、今回この曲が出来たことと、収録できたことはとてもよかったと思っています。


7. ワンダーアラウンドアットナイト

初めてのほぼインスト曲。「SPECIAL OTHERSみたいなコーラス曲、やりた〜い!」と思ってGarageBandで作ったものの結果ぜんぜんスペアザじゃなくなりました。TOKIMEKI☆JAMBO JAMBOっぽい。
ドラムが大変。ベースが大変。ギターも大変です。タッピングもうちょい上手くなりたい。
「ふ〜んふ〜んふんふ〜〜んふ〜〜〜ん」という鼻歌に乗せるワードに大変苦労したのですが(crawlの「SEASON IN THE SUN」ばっかり乗せてた)、どうしても、どうしても福岡の神棚 On the Wallの「夜をねり歩く」をオマージュしたくて当てはめに当てはめまくりました。
レコーディングは完全にワンテイク。なにかがバチっとハマりました。この曲だけボーカル/コーラス録りをダビングしてます。
はたしてこれをライブの最終曲以外でやれるようになるのか不安です。


以上7曲、「ごあいさつ」以外はなほちゃん参加後に作った曲たちです。
今回収録は見送りましたが「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」をネタにした「コロニー」という曲もありました。最近やってないですね。

リリース前の文章でアレですが、楽しみにしてもらえたら最高です。12/14リリース、かつサブスクにも同日に放流されますので何卒よろしくお願いします。

次回はタイトルについてなど書けたらいいなと思っています。その頃には現物が手元に届いてて欲しいぜ!

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