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中国人の「匂い」の記憶にアピールする香水ブランド「気味図書館」の戦略 

香水ブランド「気味図書館(SCENT LIBRARY)」は2009年に設立され、中国では比較的早期に香水分野に進出した企業だ。2017年末に発売した「涼白開(L.B.K. Water)」はSNSで話題となり爆発的に売れ、2018年11月の「独身の日」セールでは40万本以上を売り上げた。

CEOはチャンスをものにするには、自国のカルチャーに根差すことが不可欠だと考えた。そして、これはまさしく香水市場の空白部分でもあった。消費財分野での起業に際しては大手ブランドや大企業からのプレッシャーを意識せざるを得ない。だが、成熟したブランドは往々にしてそのブランド固有の文化を確立しており、「中国人のための香水」を作るのには向いていない。そこにチャンスがあると考えたのだ。

ここ数年、中国では「嗅覚経済」が大きく伸びているが、資本市場の反応は比較的冷静だ。消費のアップグレードを踏まえ、市場の動向は好感できるものの、爆発的に伸びるところまでは来ていないとの見方が中心となっている

嗅覚経済

「嗅覚経済」=香水ビジネスではない。

「涼白開」シリーズの販売数ランキング
1. ボディソープ
2. ボディミルク
3. 香水

消費者にとって香水を購入するのはハードルが高いが、ボディケア製品は試しやすいと説明している。フレグランスブランドの行き着く先は、「香水+フレグランス+パーソナルケア製品」だと言ってもいいだろう。

「フレグランス市場を掌握するには、まずは自身が優れた『香水の』ブランドであると証明することが不可欠だ」と娄氏は語る。

“香りのパーソナライズ”という新ビジネスを創造した「知識」と「技術」 

映像やマテリアル技術の進歩により、人の五感に訴えるエンターテインメントや商業サービスが増えている。なかでも「香り」の分野はまだまだ未開拓で、これからさらに発展することが見込まれる。

株式会社CODE Meeeが提案するのは「パーソナライズされた香り」によるアロマ製品。単なるアロマ販売ではなく、個人の生活リズムや好み、期待するエモーションに合った香りを提案するシステムが、最大の特徴だ。

サービス

朝、昼、夜の3シーンごとに、ユーザーのパーソナリティーに合わせたアロマミストを届けます。専用のコンパクトなボトル1本に5mlが充填され、約1カ月使用できます。
現在は、1回ごとの買い切りシステムですが、ユーザーの使用頻度や香りを求めるタイミングに合わせて、今後は定期販売も検討中。

香りマーケティング市場

住居用や睡眠時のアロマといったパーソナルなシーンだけでなく、ホテルや公共の空間における「香りの空間演出」の需要が高まっています
香りマーケティング市場は現在約20億円規模ですが、注目を集める成長市場です。

概要
設立:2014年
ステージ:シリーズA
総調達額:28億円
YC2015 卒業

月額15ドルで毎月好きな香りの香水が届くサービス。
好きな香りの香水を選び、独自のアルゴリズムでオススメの香りを提案する。


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