4/22 中国スタートアップ勉強会 "Bigo Live"

ライブ配信大手「YY(歓聚時代)」、シンガポールの同業「BIGO」を1600億円で買収 2019年3月27日

・BIGOは2014年にシンガポールで設立され、ライブ配信プラットフォームの「BIGO Live」、ショート動画SNSプラットフォームの「LIKE」のほか複数のSNSアプリを運営する
・同社は東南アジア、南アジア、中東、南北アメリカなどの市場で優勢を占めており、昨年末時点の月間アクティブユーザー数(MAU)は全世界で6900万人だった
・BIGOはYYが海外進出するために作られたとみられ、前出の李氏はBIGOのCEOも兼任していた。中国でライブ配信サービスの一般ユーザー及び有料ユーザーの伸びが鈍化する中、YYは早くから海外市場を見据えていたのだ。
・YY2018年第4四半期(10~12月)決算。売上高は前年同期比28%増の46億4100万元(約770億円)、純利益は前年同期の7億4000万元(約122億円)を下回る6億8400万元(約113億円)

・YYは主にYY LiveとHuya(虎牙:ゲームライブストリーミング)の2つのライブストリーミングプラットフォームが成長エンジン
・Bigo LiveはYYの海外版

海外マーケット
1)Bigo Liveは東南アジアからスタートし、タイ、インドネシア、ベトナムの順に広げていった。東南アジアでは初速好調だったが、配信者たちは現金化可能なバーチャルギフトを視聴者からもらうためにやりすぎてしまい、同アプリは性的な内容を含むコンテンツという評価を受けることとなった。
2)次に中東に進出し、サウジアラビアではベストアプリにも選ばれた。
・東南アジアではPGCだったが、中東ではUGC
・中東はお金持ちが多く、保守的な国民性
・中東の人は普段黒いローブとスカーフで顔を隠すため男性と女性の接点がない。そのため、ソーシャルのニーズが高い。
3)その後、CIS諸国やアメリカにも進出したが結果は良くなかった
4)人口が多いインドでは、ユーザーは早く掴めたが、お金を払うことを嫌がる国民性から売上は苦戦している

ライブストリーミングビジネスモデルは顧客に高い要求を課するビジネスモデルである。
1)ネットワーク性が必要
2)投げ銭をする文化
3)ユーザーを魅了するコンテンツ
これを備えるような顧客グループでないと、チャーンレイトが他のプロダクトと比較して高くなる傾向にある

規制圧力
プロダクトの性質上、性的コンテンツが出てきてしまうのでそれをマネージメントできないと行政処分されてしまう。
東南アジアで規制が強まったようにインドでも現在、政府が規制をかけようと圧力をかけられている状況である。
だが、AIに投資を積極的にしており、コンテンツのレビュー・監視は全てAIで行われている。だが、1 on 1のビデオチャットはAIでもいまだに技術的に難しい状況である。

YYのように、現在プロダクトを増やしている
3つの重要なプロダクト
1)Bigo Live:ライブストリーミング
2)Like:ショートビデオプラットフォーム
3)音声ソーシャルプラットフォーム:Hello

中国企業がグローバルに展開するために超えねばならない「3つの山」
1)AppleのApp Storeのチャージ30%
2)GoogleのGoogle Playのチャージ30%
3)60%を超えるトラフィックを要するFacebookとInstagramの2大プラットフォーム

どうやってUSの競合を退けるかがYYだけでなく中国企業の課題である。

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