動画編集授業 1回目
2年の授業では動画の撮影に関する知識などから入っていきます。撮影の知識を知らないと良い動画制作はできないので、カメラの仕組みや動画ファイルの設定などを理解しましょう。
自分で撮影した映像を編集したり、自主制作の映像を作れるようになりましょう。
動画を作るにはどのようなシナリオにするかを決めます
ドラマや映画を思い出してみましょう。さまざまなシーンが繋がって一つの動画になっていますね。どのように繋げていけば観た人を感動させることができるのでしょう。シーンをどのように繋げていくかという計画をシナリオといいます。通常はそこから絵コンテというより具体的なイメージの絵コンテを作った上で撮影がおこなわれます。
例えば、刑事物のドラマで犯罪がおこった場面から始まると、大抵が解決に向けて時間が進んでいきます。
出会いが始まれば、そこから恋が生まれたり、さらに破却してからよりお戻したりといった具合です。
ストーリーは時間軸の他に、都会から自然に、部屋の中から外へといったようにはっきりとしたシナリオでなくても対比が視覚的な進行の手助けをします。普段、観ているドラマや映画がどのようなストーリーで作られているかを意識する習慣をつけましょう。
構図を考える
構図(こうず)とは写真や動画などで仕上がりの効果を配慮した画面の構成のことを指します。撮影意図や被写体、背景などによって変化するので決まりがあるわけではありませんが、代表的な構図を示しておきます。
三分割構図 画面の縦横を三分割した分割線上に被写体などを配置します
対角構図 対角に分割した線上に被写体を配置します
日の丸構図 画面の真ん中に被写体を配置する構図
額縁構図 被写体の周りを葉っぱや花、窓枠などに見立てた構図
S字構図 アルファベットの「S」のような曲線を取り入れた構図
C字構図 アルファベットの「C」のような曲線を取り入れた構図
カメラの仕組みを理解する
動画も静止画もカメラで撮影します。共通するのは、「絞り」「シャッタースピード」「ISO感度」と「解像度(ピクセル数)」「ホワイトバランス」です。
更に動画の場合は、「フレームレート(fps)」が関係します。
また、レンズには「焦点距離」があり、広角レンズ、標準レンズ、望遠レンズなどに分類されています。
動画の場合は、公開するSNSなどによって解像度が決まっているのでそれに合わせて制作する必要があります。
絞り
スマートフォンの場合は絞りは固定されている場合がほとんどです。一眼レフや動画撮影用のビデオカメラなどでは、絞りを変化させることがレンズから入ってくる光の量を調整することができます。絞りをどれだけ開けているかを「F値」と言い、F1.4/F2/F2.8/F4/F5.6/F8/F11/F16というように数値が大きいほど絞れれて光量が少なくなり、数値が少ないほど絞りが開かれて光量が多くなります。
F値が小さく絞りが空いていると、被写界深度が浅くなり、ピント位置から外れていくほどボケていきます。F値が大きく絞りが絞られていると、被写界深度が深くなり、ピントが合う距離が広くなって遠くまでピントが合った状態になります。このようにピントが合っている奥行きのことを「被写界深度」と言います。
シャッタースピード
シャッタースピートはその名の通り、シャッターが空いている時間になります。動画の場合もコマ撮りした静止画を連続して見せることで動いているように錯覚しています。シャッタースピードが速ければ動きのある被写体も止まって写りますし、シャッタースピードが遅ければ動きの速い被写体は流れたようにボケて写ります。
動画の場合、シャッタースピードが早すぎるとパラついた感じになるので、一般的にフレームレートが30fpsであればシャッタースピードは1/30s、フレームレートが25fpsであれば1/25s、60fpsであれば1/120sというように設定することが多いです。
ISO感度
ISO感度とはカメラが光をとらえる能力を表す値で、ISO感度の数値を上げると明るく撮影され、ISO感度を下げると暗く撮影されます。
ISO感度を上げることで暗い場所でも明るく撮影することができたり、シャッタースピードを速くすることで手ブレを抑えたりすることができますが、ISO感度を上げすぎると画質が劣化してノイズが発生します。暗い場所でシャッタースピードを下げれない場合や絞りをそれ以上開けれない場合に、ISO感度を上げて調整すると考えたほうが良いでしょう。
解像度(ピクセル数)
動画の代表的な解像度の規格には、下記のような規格があります。
HD 1,280×720px
FHD 1,920×1,080px
4K 3,840×2,160px
8K 7,680×4,320px
テレビの画面の多くは16:9の比率ですし、スマートフォンと多くは9:16の比率になっていて、この縦横の比率のことを「アスペクト比」と言います。
Youtubeの動画は、FHDやHD、4Kが主流です。Youtubeショートの場合は縦位置になるため、1,080×1,920px(FHT)が推奨されています。
Instagramのフィード投稿・動画のサイズは、1.91:1=600×315pxか、1:1=600×600px、4:5=600×750pxの3種類での投稿が可能です。
ストーリーズ・Reels(リール)での投稿の場合は、上記3種類での投稿も可能ですが、縦画面いっぱいに動画が表示されるために1,080×1,920(FHD)が推奨されています。
フィード投稿は90秒以内、動画は15分までを指します。
X(旧Twitter)では、通常のアカウントから投稿する際には、1,280×720〜720×1,280までの画質が推奨されています。
動画の長さは最大140秒となっています。
TikTokは1,080×1,920(FHD)が推奨されています。
SNSの規定などは変更されることがあるので、制作する前に各SNSの規約を確認するようにしましょう。
ホワイトバランス(WB)
ホワイトバランスとは、色味を調整するための機能で通常はカメラが自動で白いものが白く映るように調整しています。自動ではなく自分で設定することで赤〜青の色味に調整することができます。基準となっているのは色温度といい単位はケルビン(K)です。
フレームレート(fps)
動画は静止画を連続的に表示していますが、1秒間に何枚の静止画を作るかがフレームレートです。
通常のテレビやパソコンでは1秒間に30コマの静止画を再生する30fpsを採用しています。映画では25fpsが一般的で、8K動画では60fpsが一般的になっています。
最終的に30fpsの映像にする場合も、2倍のスローモーションの処理をする場合は60fpsで撮影し、3倍のスローモーションの処理をする場合は120fpsで撮影することでコマ落ちのない滑らかなスローモーション映像が制作できます。
静止画でストーリーを作る
教室内で3枚の写真を撮ってストーリーを作りましょう。
フィギュアを使って3枚の写真を撮ります。
教室全体を俯瞰して、その中に居る
フィギュア全体が入るようにして窓辺で外を観ている
顔のアップ越しに外の風景
何かのアクシデントを演出
アクシデントを乗り越える
元気な状態に
足元のアップ
手のアップ
全体
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