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ライター根本直樹のTOKYOバカ一代 外道伝#7 都市伝説の飲み屋 池袋『ハルピン水餃子』の金さん(前編)

精液と血と、老いと死の匂い漂う街

 2003年の春からわずか2年間、今や“伝説”、いや“都市伝説”とさえ一部で言われている珍奇珍妙な飲み屋があった。

 池袋の最奥地でひっそりと営業していた『ハルピン水餃子』である。私はその店の常連であり、店主の中国人、金さんとは親友でもあったが、あの店が実在していたのか、それとも幻だったのか、今思うと不思議な気持ちに駆られる。

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