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【フォト・ドキュメント】パンクムーブメントの軌跡【第15回】

ストリートシーンの伝説のギタリスト・川田良。「THE FOOLS」のコアメンバーとして活躍し、ソリッドなギタープレイで聴衆を魅了した彼だが、そのプレイの根源はなんであったのか。


不世出のストリートギタリスト
川田良

ロフトに会場入りした瞬間を撮影。睨まれた(1979年1月)



始まりは吉祥寺マイナー


「フールズっていうと伊藤耕(Vo)と、その盟友でもある川田良(G)のイメージが強いと思う。確かに耕の場合は『耕=フールズ』と言って過言ではない。でも良の場合はそれだけ(フールズ)じゃないんだよね」

 川田良が「ザ・フールズ」に加入したのはその結成(80年)から2年後の82年。それ以前は様々なバンドを渡り歩いている。

 まずその発端は、78年に開店したアンダーグラウンドシーンを代表する「吉祥寺マイナー」という伝説的なライブハウスが大きく関わっている。元々はジャズ喫茶だったが、川田良の勧めもあってライブも行うようになり、以降パンク、ノイズ、フリージャズ、前衛音楽など、まさにカオスなライブハウスに変貌を遂げた。そして川田良はここで「ワーストノイズ」というバンドに参加し、ライブ活動を行っていた。

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