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035_デザイナーが自分のアイデアネタ帖を小出しに公開するnote_その14_隠れた美術(猪熊弦一郎のカーテン)
ひそかに、連続投稿が続いてる。今日でなんと36回を更新中。自分でも驚きを隠せない。笑。そろそろ、ネタが尽きてきそうです...
字と図(じとず)の図です。雪国でふたりデザイン事務所をしています。
この話は、タイトル通り、自分用のアイデア集、ネタ帖、スクラップブックをみなさんに公開するノートです。
今回はパート14です。
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〈前回はこちら↓〉
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14_隠れた美術(猪熊弦一郎のカーテン)
皆さんは、自分が住んでいる街のホールに出かけたことはあるだろうか?
わたしは地元のそれの記憶はないのだが、移住した街の市営のホールによく行くようになった。ここは、青森県の十和田市。青森県で4番目に大きな街である。人口は6万3000人。そして、この街の一番の目玉は、おそらく現代美術館である。
だけども、わたしの一番好きな美術が、美術館ではなく、市営ホールにある。それもひっそりと。
現美に来る人の中で、この存在を知っている人は、どれだけいるのだろうか。
この市営ホールにポツリのとあるのが、猪熊源一郎さんの『宇宙胚胎』である。
なぜ、ここに?
縁もゆかりもきっとない。でも、確かに在る。当時の担当者がファンだったのだろうか。今のところ、憶測で止まってしまっているので、そのなぜについては、今後究明することにしようと思う。
きっと、これはオリジナルだろう。そう思うことにする。
それが、これである。
作品についての語りがパネルになっている。達筆なので、改めて書き出してみます↓
“宇宙胚胎” 猪熊弦一郎
我々は偉大なる宇宙の中の一つの存在である。
これはまったく信ぜられない様な力と力のヴァランスの中に立ち、そして生きている。
都市も亦(また)、いつしの宇宙の一穴として 其(そ)の中にみごもり、新しい生命を与えられたものだ。それは只一つ丈でなく、数え切れぬ数の中の一つだ。私はこの画面の中に思知らぬ形と形のヴァランスを探求しつつ、都市と同じ様に美しさと存在のヴァランスを考へ続けた。
これが、このホールの緞帳になっているのだ。
これがまた素晴らしい。↑は、大ホール。
このホールには、大小2つの劇場がある。そのどちらにも猪熊弦一郎さんの緞帳が下がっている。
つまり、緞帳も、額装してあるオリジナルも、ホールが開いていないと見ることができないのだ。ホールがOPENしている時間というのは、イベント本番中や練習(ゲネプロ)のある時間帯である。それは、ネットのご時世でも、全ては把握できない。
ぜひ、観光のひとつとして、見て欲しい十和田市の財産である。(と、私は思っている)
お宝の持ち腐れという言葉があるだけに、持っているだけじゃ勿体無いですよね。
岡本仁さんが来たら、案内したい
暮らしの手帖に寄稿している岡本仁さんという名編集者がいる。旅の中で、まさしくその土地の財産が、目利きによって紹介されている。十和田版があるならば、ぜひ立ち寄って欲しいし、きっと気に入ってくれるはずだ。
世の中が普通に戻ったら、青森県や十和田観光に訪れた際にはぜひ、見て欲しいスポットです。
うちの猫のオヤツが豪華になります