日記(2020年10月24日土曜)

 面白いという評判を聞いたので「魔女の旅旅」というアニメを放送分いっきに観た。柔らかいタッチの絵で描かれるアイロニカルなストーリー、というジャンルのアニメだった。多分。まだ3話までしか観ていないのでもしかしたら違うかもしれない。話の構成は「キノの旅」に似ていて、旅をしながら色んな場所で色んな人と出会い、起こる出来事に過度に干渉せずわりあい淡々と描写するというもの。こうやって書くともうほとんどキノの旅なんだけれど、それよりは結構露骨に萌えアニメ好きを対象にした感じだと思う。感想としてはあんまり面白くなかった。アイロニカルな作風という点では「人類は衰退しました」とも似ていると思ったけれど、田中ロミオ作品から感じる教養はこの作品からは感じなかった。寓話というと今まで誰も持っていなかったような斜め上の視点から現実世界で起こっている問題を浮き彫りにさせるというのが面白さの肝だと思う。この作品で描かれている説教話はありきたりな、どこでも誰もが言ってるようなものだと感じた。そのせいか各話の導入部分を観ただけでだいたいオチの予想がついた。まあでも、こういった作風の物語を初めて見る人なら面白いと思うんだと思う、というとすごく偉そうに聞こえて感じが悪いだろうか。もしかするとぼくがいい例として挙げた作品よりさらに出来のいい作品がいっぱいあって、教養ある文学徒はこの文章を読んで嘲り笑っているかもしれない(寓話っぽく終わらせようとしたが力量不足)。

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