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静かな暮らし
ほど狭しといへども、夜臥(ふ)す床あり、昼居る座あり。一身を宿すに、不足なし。(中略)ことを知り、世を知れれば、願わず、走らず。ただ、静かなるを望みとし、愁へ無きを楽しみとす。
鴨長明『方丈記』角川ソフィア文庫
狭いとはいっても、夜に寝床があり、昼に座っている場所がある。ひとりで暮らすには十分だヨ。ものの道理が分かるようになり、世の中のありようを知ったならば、無理なことを望ます、あくせくしないことだネ。とにかく静かな暮らしを心がけて、心の愁いなく毎日を楽しんでいるのサ。
photo by Oh Kobayashi