松田昇大くんのカレイべに行った話

「特典券付き5冊セット 33000円」

11月の初めくらいだったか、私はその文字列を見て、ケタをまちがえているのではないかと疑い、やがて何のまちがいでもなくその値段だと判った瞬間びびり散らかしてしまった。そりゃめったに直接話すことのない舞台俳優さんに直接会って話せるのなら安いのかもしれないが、カレンダーを渡してもらい数秒(？)話すだけでこの値段か……。若手俳優界隈ではよくあることだと知ってさらにおどろいた。何でこんな 商売成り立ってんだよ。

松田昇大くん(推し)のカレイべ(カレンダーお渡し会)の存在をしったのは年の 10月で昇大くんのLIVE(大阪)だったと思う。「昇大くん絶対カレンダーイベ絶対あるけどISM告知がおそい。金貯めときな。」と先輩オタクの慧くん が教えてくれた。バイトの口座をつくるときの待ち時間で日時が発表された。12月9日(私の誕生日!）だって!笑うれしかった。パパ も誕生日12月9日で二郎って名前なので、何て伝えるか2人で ワイワイ考えた。当落の結果、FC発売は両方あたったが3万円 もふり込めないということで1万3000円の3部にだけ振り込んだ。でもよく考えたら5冊セットのボイスチェキも欲しいし、1回きりでその1回がなんて言うか失敗したらどうしよう！って思って5冊セットを追加しようとした。ここで大問題発生。今コンビニ払いで買ってしまったら支払い期日までに払えない。調べるとライブポケットは2日後の夜０時が入金締切らしい。私の1番大きな給料日が5日なのでつまり3日にライフポケットで購入予約して、5日に入金でセーフである。私の元々予約していたのは13時の回なので15時の回を申し込みたかったのだが、あいにく申し込み販売終了。追加枠のお知らせもあったことだし、全部売り切れちゃったらどうしよう……と思いライブポケットのページをホームに追加して毎日チェックチェックチェック。2日は夜遅くまで起きて購入完了！あーッほっとした。浮かれて髪を切りに行ってしまった。少し前に服も買ったしなんだか浮かれすぎてる気がする。と、恥ずかしく思っていたら松田くんが「皆さんとじっくり話せる機会ってあまりない」みたいなことをブログで言っていたのでさらに張りきって美容院のヘアメ予約した。ここで私は自分のショートボブを見てこれじゃあほとんどアレンジ出来ないじゃないかと凹んだ。
さて、当日である。私は時々行くヘアメ専門店がある。店長の方がヒプノシスマイクの夢野幻太郎推しなので色々と話が通じるのだ。いつもは「シンプルアレンジ」という少しお安めのメニューを選択してるのだが、今日は普通のヘアセットにした。ヘアセット出来る余地があるかどうか怪しいのだが、髪でハートが出来るやつ、あれを昔からやってみたかったのだ。あと余談で、このイベントに合わせてネイルとしたまつ毛タトゥーシールを買ったのだが、下まつ毛を偽造するだけでこんなに目が大きく見えるのか……と感心した。さとみさん(ヘアメ専門店店長)は無事私の短い毛をハートにしてくれて大好きな編み込みにしてくれてふわっふわっにしてくれた。顔を見えないようにして推しの写真とかぬいとかを見つめる定番の量産型オタクの写真も撮っていただいた。にしてもあの大阪城ホールで、ぴあアリーナでかっこよく歌っていた人と直接話せるなんて……と思うと気絶しそうでTwitterでその気持ちをつぶやくと数人が反応してくれて現地に行くとCちゃんが話しかけてくれた。2人で「なんで昇大くんはしっとり系バラードばっかりでイケイケの曲やってくれないんだよーー！」とか文句言っていた。年齢を聞くとなんと私と同い年！Cちゃんはひとつ前の回に参加していたそうで、ワクワクしながらどんな感じだったか聞くと「ネイルを褒めてくれた」らしい。よーーくみるとCちゃんの親指には小さく松田くんのイニシャルが入っていた。こんな小さなネイルを、しかもCちゃんから見せた訳ではなく渡す時に手を差し出した時に気づいてくれたそうだ。さすが元アイドルだよね、と知ったかぶりして2人で盛り上がった。いよいよ13時の回になって誕生日を書く紙を渡されて部屋に入ると衝立があって松田くんの声が聞こえて、あ、この先に松田昇大いるのね？と思ったら自分の番になった。
第3部レポ

松田くん「今日は来てくれてありがとう〜」

わたし「あの、今日が誕生日で」

松田くん「え、マジで？ヤバ！おめでとう〜！」

わたし「20歳になりました」

松田くん「すげぇ〜おめでとう」

わたし「このあとお酒飲みます！」

松田くん「お酒、お酒ねェ、酒は飲んでも呑まれるな」
自分の番が終わって帰り際、「え！何それ可愛い」と松田くんの元気な声が聞こえてきた。さすがにファンの容姿をどうこう言う人では無いので多分Cちゃんと同じくネイルとかしてきた人がいたのかな。その後tちゃんとあってイラスト入りのお菓子をくれた。ら、さっきの声はtちゃんのイラストを見た松田昇大の声だとわかった。tちゃんは高校三年生でブルーロックからハマったらしい。松田くんはライブなどでときどきふざけて言うようにファンのほとんどがヒプステから入った人なのでCちゃんと私は驚いた。あと、誰かが「緊張しすぎて松田くんがなにを着てたか覚えてない」と言い出すと本当にみんな覚えてなくて黒じゃないか、白じゃないか、長袖だった気がする、ポケットあった気がする、と目撃情報を口にした。私もなにか見せたいな〜と思って一旦帰宅してこの前使ったヒプステのミニ衣装を取って向かうと、mちゃんとtちゃんがそれぞれDMをくれて会おうと言ってくれた。3人で一緒に行くことになって、慣れてきたのもあり宛名を書くオーダーは呼び捨てか、ちゃん付けがいいか議論したり、フォトカードセットの中で松田くんが猫パンチされてる写真が1番先に売り切れてたことを笑ったり、私とtちゃんの直筆メッセージが同じなことに対して小声でふざけて「使い回すなよー」と文句言ったりして笑った。
第6部

わたし「また来ました」

松田くん「ありがとう〜」

わたし「これ、BOPのじろくんです」

松田くん「え、凄」

わたし「BOPもBFSもめっちゃ良かったです！私は昇大くんにハマったの石谷くんのなぁぜなぁぜで」

松田くん「そんなことある？？」

わたし「珍しいルートですよね」

松田くん「じゃあ石谷さんに感謝だね！いつも感謝してるけどね！」

3人で会場の前で写真を撮り、mちゃんがご飯を奢ってくれることになった。こうやって同担で語り合うのが夢だったので凄く嬉しかった。なにを食べるか議論してるとtちゃんが「麺類がいいです」と言った。理由を聞くと、松田くんと話す時「今日の晩御飯決めてください」と言ったらしい。答えが麺類だと。それは叶えなくちゃいけない。ということでサイゼリアに入ることになった。調べて見たらちょうど池袋西口公園のすぐそばだった。サイザリアでは大量にあるカレンダーを並べてみたり取り留めのない話を沢山した。現場終わりはみんなでサイゼに集合！って歌詞みたい。そういえばボイスチェキとはなんぞや？と思いアプリを開いて聞いたmちゃんが悲鳴を上げたのでびっくりすると「やばいわ、最初から名前呼んできた」「電車とかで聞かないほうがいい」と犠牲を持って忠告してきた。
帰り際、我慢出来ず聞いてみると「いろは、何食べたい？」と同棲してる彼氏か？みたいな明るい松田昇大の声が聞こえてきて、最高の20歳の誕生日となった。