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勇次郎の名言

ディナーの客数が乏しい。
ランチは軌道に乗ったので、とりあえず保留。オペレーション面の改善はあるが、現場は少しずつスタッフに任せることにした。

14:00〜17:00のカフェタイムもなんとかしなければいけないが、まずはディナーだ。
客単価もランチに比べて高いし、ドリンクの粗利はかなり高いので、業績においてディナーは必須になる。

「歩いているお客さんがいないんじゃない?」という声もあるが、隣のお店は繁盛しているのでそんなことはない。
問題は3点。
1つは、気付きにくい状態であること。
店頭看板を変更し照明は付けているものの、2階であることから下のA看板は武器になる。
しかし、A看板にライトがなく、さらに内容がディナーでの利用動機として弱いものがある。
2つめは、利用動機の明確化がされていない。
ランチが軌道に乗った要因は、利用動機を明確にしたこと。周辺の飲食店との比較の中で、コスパがよく、気軽に入れる店舗として位置付けた。ベトナム料理というアングラになりやすいところの脱出を果たした。
3つめは、販促部分。現状、店内のメニューでのみディナーの利用動機を告知している。
これを店頭でも知らせ、さらにより鋭利な動機付けをする必要がある。

ランチと違い、現状ではかなり手強い状況だ。夜の消費者層がコンセプトと合っているかもわからないので、トライ&エラーを繰り返すだろう。
ランチは約2ヶ月で軌道に乗せたが、ディナーはもっとかかる予定だ。
計画としては半年以上のスケジューリングをしているので問題ないが、理想は年内で軌道に乗せたい。

利益としても100万以上の赤字が続いているので、遅れれば遅れるほど出血多量で死んでしまう。
本事業は好調だが、こんな時代だから、いつ揺れてもおかしくはない。なんとか飲食事業だけで、早く採算を合わせたい。

まずはコンセプトに沿った動機付けで動き、様子を見てテコ入れしていこう。
周辺の繁盛店が焼肉屋、少し離れたところに大衆酒場。カニバリズムは起こしたくないので、ターゲットをずらす必要はあるが、そこはコンセプト通りで大丈夫。
ただ心配なのは牌の数。少ないのであれば、粗利を考えたメニュー構成にしたいが、そうなると単価が上がる可能性、または品質が落ちる可能性がある。

後者に関しては、客数低迷の原因となるので基準値以下は避けたい。
前者に関しては、利用動機にマッチしてからの施策としてはいいかもしれない。

まずは客数を考え、動機付けし、ランチと同等なコスパで勝負したい。
そこから粗利を考えた動きにすることが妥当だと考える。

社長からはディナー中心に現場に入って改善してくれと頼まれたが、正直かなりプレッシャーではある。
ここで結果が出なければ、これまでのアクションやプランが意味のないことに思われるからだ。

PDCAの回転速度をさらに上げ、より成果が早く見えやすいようにしたいが…
問題点が内部で浮上した。

ベトナム人のお客様が減ったことにより、ベトナム人従業員からのクレームだ。
「味もレシピも本物ではなく、今の店は好きになれない」というものだ。

日本のイタリア料理やフランス料理は、その国の人に認められているか?

これを考えて欲しい。有名なところだとサイゼリヤはどうなのか?
あのお店は、安価でイタリア料理っぽいものを食べれるところに魅力がある。

正直ベトナム料理は、料理としてはかなり不完全な部分が多い。
化学調味料や濃い味付けで誤魔化しているところがあるので、味も似たり寄ったりなものになってしまう。

社長は良い食材を使いたがるが、上等な料理にハチミツをぶちまけている感覚だ。
そんなものを大っぴらに出して、日本人にウケるわけがない。もしウケるようにするならば、安価な大衆業態に変更した方がいい。
※立地面や内装から、それは失敗しやすく、さらにカニバリズムも起こす。

論理的な判断ができないとかなり難しい状況だが、なかなかスタッフ全員に周知させることは難しい。
言葉の壁がこんなところで弊害を起こしてしまっている。

トップダウン方式で無理やり押し込むことは可能だが、そこは自身のポリシーに反するので辞めておく。
基本的にイエスマンは嫌いだし、管理職の醍醐味はこういう部分にある。
この動きづらさを感じ、どう網の目を抜けていくかが楽しいところである。

「不自由な中に自由を求めるのが日本人の性(さが)」だと何かの本にも書いていた。
それを踏まえてのスケジューリングなので、あまり問題視していないし、ある程度は無理やり突っ走るので実はどうでもいい。

結果がついて来れば文句は言われないので、早く結果を出すことがやはり全てである。

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