ニュービーには魅力的に見えるかもしれないが、ある程度サイトにいるメンバーからはスベっているように見えがちな要素のリスト

 以下に挙げる要素を使ったからと言って即座にDVされるものでもないし、その要素を組み込んだ既存作を否定するものでもない。技量をもっているのならこれらの要素を使ったうえで傑作を作ることも問題なく可能であろう。だが、もしこれを読んでいる君が記事を1つも残しておらずまだSCP財団における面白さを掴めていないのなら──以下の要素はまず使わないで書いてみて欲しい。お互いのよりよい財カツのために。



・SCP財団自体がオブジェクト

 定期的に砂箱で見かけるやつだ。マジでよく見る。たぶん年一くらいで見る。これこそニュービーにとってみれば画期的な発明を産み出したように思うかもしれないが、残念ながら001提言とかでだいたいやられ尽くしてる。それらを打ち破って新奇性を出すほどの内容はニュービーからはなかなか出てこない。

・世界/地球/国自体がオブジェクト

 前の項に同じ。大体こういう壮大な設定を立ててるのに全体の文量は少なかったりして説得力がペラッペラだったりする。「○○がオブジェクト」というだけで出すには中身が無く、「○○がオブジェクト」というもの自体見飽きたものなので割と救うのが難しい。

・色によって異常性が変わるオブジェクト

 何かというと「ランプが赤色の時は温度が1000 ℃になって、ランプが青い時は未知の毒を出して、ランプが紫の時は[編集済]」みたいな条件で異常性が切り替わるやつ。何が元かは分からないがなぜか類似のやつをニュービーの下書きでちょいちょい見る。変化する異常性に繋がりがなく、ストーリーやメッセージ性が存在しないでただのマジックアイテムの域を出ていないことが多い。まとまりがない要素を組み合わせてもちぐはぐさが目立つだけだ。

・見たら/聞いたら/食べたら死ぬ〇〇

 要するにただ危険なだけのオブジェクト。もちろん他に色々要素があれば最終的に死ぬ異常性でも良いのだが、「見たら/聞いたら/食べたら死ぬ!怖いでしょ!?」というだけでは正直つまらない。一応言っておくが犠牲者が100人だろうが1億人だろうが同様。

別に死は何か崇高で特別なものなどではない。世界で1日に何万人も死んでるし、人の死が見たけりゃスラムの脇道にでも入ればいい。

企画案2024-429: "私という遺作"

・無限に数値が増えるオブジェクト

 君はその数字が増え続けたら何が起こるかちゃんと想像しただろうか?記事に記載されてる程度の事態で本当に収まるのだろうか?

・概念や物理法則を変更するオブジェクト

 君はその変更で何が起こるかちゃんと想像しただろうか?記事に記載されてる程度の事態で本当に収まるのだろうか?

・馴れ馴れしいオブジェクト

 SCP記事は大人が記述する、口語表現を排除された研究報告書だ。そこに子供じみた馴れ合いみたいな会話が入ってくると大分浮く。例えるなら、就活面接でいきなりため口で話し出す奴が出てきたらどう思うだろうか。不合格というDVを押したくもなろう。読者を不快に思わせない程度には畏まった喋り方に設定しておいた方が無難だ。無論特に理由もなく博士や研究員がふざけだすのは論外。

・文に影響が出て読みにくい記事

 読みにくさ>>>面白さになりがちだ。そもそも文が変であっても面食らうだけで別に面白くはない。あと何故文が変になってるのかの説明も納得感がないのが殆ど。報告書に影響が出るということは要するにそのオブジェクトへ言及する際~~っていう異常性なのでだいたい普通に既存作とネタ被りしている。

・暗号になってる記事

 前項に同様。財団に暗号解きに来てる読者ってそうそういないのではないだろうか。

・O5からのメッセージで〆る

 君が作ったオブジェクトは、世界の裏に君臨する強大な組織のトップがわざわざ時間を費やすに値するようなものだろうか?本当に?
 あと何故かJPなのに日本支部理事会が使われることは少ない。

・「確保、収容、保護。」で〆

 実はこのフレーズ、「敬具」や「早々」の仲間ではないし、O5の鳴き声でもない。記事の最後は読後感に繋がる重要なポイントなのに、聞き飽きたフレーズを使ってしまうのはあまりにももったいない。

・最後に要注意団体の関与が明らかになる (東弊ニッソ如月あたりが多いか)

 これらの要注意団体の記事がサイトに何個あるか調べてみるといい。外部なら如月のネタが出てきたら「おっ」てなるかもしれないが、サイト内ではそいつらは公園のベンチで寝っ転がってるおっさんくらいありふれたものなのだ。

・やけに強いクリアランス閲覧制限

 あなたが書いたオブジェクトはホントにその制限を与えるに意味のあるものなのか?わざわざ何回もクリックさせるコストに見合っているか?装飾に凝るのを否定するわけではないものの、言っておくがその認証構文も我々はかなり見慣れている。

・太字や下線などの文装飾

 論文とか読んでみてくれ。そんなのほとんど使われていないのがわかるだろう。

・特収プで無許可で使用してはならないと書く

 当たり前のことは特別ではないのでわざわざプロトコルに書く必要はないのだ。実験する際に担当職員に許可をとるのも当然だろう。とはいえ特収プが短くなってしまって文字数を稼ぎたくなることはあるのでわからんでもない。

・外部ミーム

 これだけに面白さのウェイトを置いてると、それを知らない人から見るとなんのこっちゃとなる。加えて基本的にネタというのはおふざけ的な物であるので、真面目なSCP報告書と相性があまり良くない気もする。外部ミームを使うならエッセンスやフック程度に留め、何か別軸でメインの面白さをつけないとならない。


 総じて言うと、

  1. 既にいっぱいやられている

  2. 報告書として不自然

であることが多い。つまり事前に記事を多く読んでいれば回避できるものだ。それに気付かず他に魅力となる要素を入れないで投稿してしまい、そのまま撃沈することはよくある。とはいえいきなりニュービーにそれを求めるのはいささか酷であり、意外と書く立場になってみないと気づかないことも多いだろう。なのでそういったものはエッセイを読んだり批評を活用したりして避けていってもらいたい。読んで書いてリアクション貰って‥‥を繰り返していけば、いつに日にか何が面白いのか面白くないのかの分別が付くことだろう。

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