ひねくれ
久しぶりに神様のカルテを読んだ。(1巻)
(以下少しネタバレあり)
一止先生は最先端の高度医療を扱う大学病院ではなく、24時間365日の看板を提げている本庄病院に残った。
患者は呑んだくれだらけ、激務すぎる本庄病院。
最先端の医療よりも、それを必要としないで死んでいく人々にフォーカスをする一止先生。
カステラを買ってあげる一止先生。
…これが、私は好きなんだ。
主語が大きく、大勢の人を対象にするよりも
常に最先端のサービスを提供し続けるよりも
大事なことがあると思う。
小学校から大学まで偏差値の高い大学に行った後、
大きな企業に勤めて壮大なプロジェクトを手掛けたり、
少数精鋭のベンチャー企業に勤める、あるいは自ら起業したりして、まだ世の中にはないものを自ら作り出したりしている大人。
あるいはそこまではいかなくとも、置かれた環境で、目一杯自分のベストを出そうとしている大人。
このような人たちが世の中を引っ張っているし、世の中を循環?させていると思う。
….でも、それよりも大事なものはあるはずなんだ。
一止先生のような、俗にいう「ひねくれ者」が私は大好きだ。
そして、一止先生の信念も好きだ。
最先端のモノやサービスよりも、カステラのように人間が心の内側に持っている、曖昧で一般的な名詞では定義できない、大切なもの。
嫌だなぁと思いつつも、どこか嫌いになれない本庄病院の患者たち。
こういう文学作品を用いた比喩や、具体例でしか表せないもの。
Google翻訳で他の言語に訳したら、伝わらないであろう、日本語が持つ言葉のニュアンス。
これなのよ。私が好きなのは。
(3巻で一止先生は大学病院行くことを決意するんやけど、それまでの過程もやっぱり面白い)
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