![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/16159249/rectangle_large_type_2_aa1dfc3111e206fb887039e5088a0b86.jpeg?width=800)
インターネットセックスにまつわるツイートまとめ
いぬのきもち ねこのきもち 死刑執行を待つなみちゃんのきもち
— なみ (@iJcYkHqmHkiREK7) November 12, 2019
インターネットで「なみ」として知り合った男性と、セックスの可能性を最大限に考慮に入れたうえで、オフラインで会うことになった。これは対面を待つ少し前の胸の高鳴りと、胃の不快感。
***
「名古屋はこちらに比べてまだ過ごしやすいみたいだから、前に写真を送ったジャケットを着ていくよ」と言っていたのに、ぜんぜん違うやつを着てきた。「話が違うじゃん」と泣きそうになる。
デザインのいい男
— なみ (@iJcYkHqmHkiREK7) November 13, 2019
女の不可能性ってどうしようもなくて、とはいえ我が身に課せられたハコモノとしては愛でずにおれないような、かわいくて仕方ないような不思議な牢獄なんだけど、雌雄同体を夢見るようになって、やっぱり男のデザインが羨ましいし、どうしても欲しい。女のまま男になりたい。ずるい。
— なみ (@iJcYkHqmHkiREK7) November 14, 2019
オフパコ初手の感想「作画が坂本眞一じゃん」
— なみ (@iJcYkHqmHkiREK7) November 16, 2019
好きな人、あんなに美しくて賢くて不遜なんだから、私たちの婚姻のデザインとか考えてみてよ。
— なみ (@iJcYkHqmHkiREK7) November 14, 2019
たしかに男前で、そのふるまいも「オス」そのものなんだけど、無自覚でフェミニン。歌舞伎の女形のようなモードが無意識的にON/OFFされる。
彼が男前だってことは知ってて、私は容姿のすぐれないおばさんで、そもそも勃起に至るかという問題があり、事前通告どおり対面してすぐ「できる?」と確認したら、照れながら「もちろん…というかおれでいいの…」と少しだけバツが悪そうにひそひそ確認してきたので、前世の徳ゲージがゼロになった
— なみ (@iJcYkHqmHkiREK7) November 16, 2019
私はスタンダードで清潔感があって、ノイズの少ないファッションが好きなんだけど、彼は全方位的に「ノイズ」だった。六本木の黒人って怖いよね、と言い合って笑ったことがあったけど、この日の彼は、きちんと「シティ文化の若者」といういでたちだった。スーツの制約下でフェロモンを噴霧/抑制する男たちが往来するオフィスでは見つけられないような男だった。
***
駅前でブランチ。対面して即YES/NO枕をつきつけ、「セックスします」という言質も取っていたので、ホテルに向かう。前々から決めておいたところ。
今日は好きな人とスケベホテルのサイトを見ながら「不倫文脈マックス」「コスプレだの料理だのはどうでもいい、セックスに特化した魅せ方が潔い」「爛れてる」と評し合うなどしました
— なみ (@iJcYkHqmHkiREK7) October 26, 2019
好きな人、最初は全然目を合わせてくれないのが寂しくて、まともに考えたら悲しくなっちゃうから意識的に窓の外を見るようにしていたけど、店を出て手を繋いで腕を組んだとたんに爛れた男女の間合いと大気になり、「ゴムと飲み物買ってこ」と入店した白昼のファミマで唇吸いまくって結果ゴム買い忘れた
— なみ (@iJcYkHqmHkiREK7) November 16, 2019
こんな街中でキスしてどうするの、とか、そういう真っ当な危機センサーを焼ききるほど良い男だったなあ。
— なみ (@iJcYkHqmHkiREK7) November 15, 2019
あそこのファミマでキスを許してからずっと、ゴムを買いに出た彼を待つあいだ、それからうとうとするあいだ以外に、2分と唇が離れたことがなかった。たぶん言い過ぎじゃない。たとえばもう二度と会えないと仮定したら涙が出るけど、友達の言葉を借りれば100をBETできたんだと思う。
— なみ (@iJcYkHqmHkiREK7) November 19, 2019
1回目の記憶はほとんどない。彼がずっと、私の名前を耳元で叫んでいたことくらいしか覚えていない。「うるさい」と思ったけど、「そのまま右耳の鼓膜を破ってもいいよ」、とも思った。
全部ぜんぶ夢だったみたい。ワインクーラーに氷はつくかな、と言い合ったこと、とりあえず抱き合ってから、ルームサービスと冷えたワインを並べて、あんまり良くできた陳腐にゲラゲラ笑ったこと、私があんまり大きい声で叫んだからかフロントから入ったコールを無視したこと。あまりにもバランスが良い
— なみ (@iJcYkHqmHkiREK7) November 19, 2019
ルームサービスは2回頼んだ。彼が持ち込んだスパークリングワイン(日本のやつだからシャンパンじゃないね、ごめんなさい)と一緒にしゃらくさいアラカルトを頼んだのが1回、暗くなってから「小腹が減った」とカルボナーラとかを頼んだのがもう1回。彼はぶよぶよの麺を噛みながら「うん、これが正しいんだよ、こういうところのメシとしては」と自分に言い聞かせていたり、初めてのチーズタッカルビを食べて「甘辛い鶏肉にチーズをかけたやつだな、分かった」と新しい知見を蓄積したりしていた(私もチーズタッカルビは初めて食べた)。
マゾヒズムもサディズムもない部屋で、ひたすら互いの人権を奪って、輪郭を浸食しようとしていたな。いい大人が。ばかだねえ。
— なみ (@iJcYkHqmHkiREK7) November 19, 2019
彼が手のひらどうしを合わせて「肘から指先までの距離がかわいいよ」とうっとりしていたから、今度のデートにはうんと爪を伸ばしていこうかな。彼の世界の可愛いの総量が増えちゃうよ。こまったね。
— なみ (@iJcYkHqmHkiREK7) November 19, 2019
私の肘から指先までの距離を「かわいい」と言ったり、ベッドのスプリングの力を借りた跳躍に頼らなくても天井にタッチができるのに、私に並んで「楽しい!」とか言ってぴょんぴょんしたり、手土産のシャンパンとルームサービスが並んだところを引きで見て「ドスケベだ」って頭抱えたり、恋って奴は天国
— なみ (@iJcYkHqmHkiREK7) November 19, 2019
彼は2回目のセックスに至るあれこれを評して「おれの人権が半分なかった」と述懐していた。
そういうわけで、仮に性交渉に至るとして「電気は全部消して」「一緒にシャワーもお風呂も嫌」と事前に言い含めていたけど、もうどうでもよくなっちゃって、結局明るい浴室で彼に体を洗わせて、素っ裸で窓からバイパス眺めてた
— なみ (@iJcYkHqmHkiREK7) November 16, 2019
彼が仮眠に入る。日が落ちて、部屋の中が黒と橙になる。思いがけないスピードで大気の輪郭が死に近づく。「しなくていいから、さわっててもいい?」と聞くと諾、とのことだったので、性器をいつくしむ。今日はたくさん愛してくれてありがとう、と思う。
予定外の3回目、内壁が制御不能に膨張していく感じが怖くて、でも膣が破裂したなんて聞いたことないし、気持ちいいからもっと、と思っていたところに彼が「飲んで」と言い出し、知らない間に殺された声帯で「う、う」とかしか答えることができずに、結局直飲みしながら(これはこれで…)って納得した
— なみ (@iJcYkHqmHkiREK7) November 16, 2019
ホテルを出る。タクシーがなかなか捕まらない。
嘘みたいな巡り合わせで、彼の車に乗ることになってしまった。身支度を終えてホテルを出る直前、口紅を塗り終えた私を見て、未練がましい様子を隠そうともせずキスを堪えるのに気づかないふりをして、大通りでタクシーを捕まえて、そのあと。ここで降りるね、と言った後に、唇が裸に戻るくらいキスした
— なみ (@iJcYkHqmHkiREK7) November 19, 2019
寸暇を縫って彼が電話をよこすときは、結構な割合でハザードがカチカチ言ってる。「いつもここから電話をくれるの」と聞くと「そうだよ」と言うので、胸の奥がツンとする。降車した場所は、その前の週末にインターン生を引率して訪問したクライアントが入居するオフィスビルの前だった。お互いの生活に無意識に少しだけ片足を踏み入れたところに後ろからだれかに呼ばれて、それぞれ引き返していくような感覚だった。
***
二度と会えないかもしれないけど、どうしようもないくらい好きな人とセックスできたので、二度と会えなかったとして、この記憶をきちんと整頓しておこうと思った。ありふれたインターネットセックスの話。
好きな人は、もし私たちが恋愛関係に陥っても「彼氏」と呼ばれるのは嫌で「おれのために呼称を探して」と言っていたけど、どうしようもないくらい「好きな人」って感じのいでたちでどうしようって感じ。
— なみ (@iJcYkHqmHkiREK7) November 17, 2019
好きな人の性器をもっと見ておけばよかった
— なみ (@iJcYkHqmHkiREK7) November 17, 2019
この恋は時空とか距離を超えるから、会社近くの素敵なレストランに男を誘った。ほんとになるといいね。
— なみ (@iJcYkHqmHkiREK7) November 19, 2019
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?